Case12 無償の愛
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平和な渋谷でも荒廃した世界でも変わらず、夜の月は人々をそっと見下ろす。
「あーサッパリした!」
「ミロも顔本さんも来れば良かったのにね…」
「結局私達3人だけだったわね」
入浴を終えたルウ達は生乾きの髪を夜風に晒しながら自分達の基地へ帰っているところ。
「特に顔本さん!意地張っちゃってさぁ」
「その…体が私達と比べてどうのこうの言ってたのって、あれって建前で、やっぱり遠慮してるんじゃないかなぁ…」
「遠慮なんて別に良いのに。S.D.S.カウンセリング係になるんだから!」
「そうよね。大介くんとの泥臭い話も結構だけど、たまには女子の相手もしてあげてほしいわ」
女子組がガレージへ戻ると、同じく湿らせたタオルを肩に掛けているガイと慶作が出迎えた。
「あ、早かったね大介」
ルウ達と同時に、やはり今夜のことを謝ってもらうという名目で遊びに出掛けていた男子も帰ってきた。
「納得いくまで謝ってもらえたか~?点灯式のこと」
「いや、居なかったんだよ顔本さん」
「居なかった?」
出入口で足を止めた大介はその場から基地内をちらりと見回すが、ここにも捜し人の姿は無い。
「念のため警察署の中見てきたけど全然会えなくてさ。代わりにコレが部屋に置いてあって。泉海さんならわかる?」
大介が取り出したメモ用紙の字を見た途端、泉海は破顔した。
─ちょっと偵察行ってきます─
「偵察!?偵察ってどこに!?場所くらい書きなさいよ~っ!あっ、さてはこれのためにお風呂拒否したのね!?も~っ!」
彼女の叫び声はガレージの外で夜間巡視中の警官までしかと届いた。
「S.D.S.と警察で守ってあげるって話した直後にコレ!?」
「あっはは~、相変わらず元気だなぁ~顔本さん」
「これは元気じゃなくて自分勝手って言うの!あぁもぉ~、どうして事前に連絡してくれないのよお~…」
日々積み重ねられてきた苦労が全身からにじみ出る泉海に、大介までもが心から同情する。
「ちゃんと捜した方が良いですよね。任せてください泉海さん、ここはヒーローの出番だ!」
極々自然な流れで堂嶋大介は己のエゴを押し通し、肩に掛けていたタオルを机へ無造作に投げ気合いを入れ始めた。
「で、でも、どこ行っちゃったんだろうね…顔本さん…」
「あの人が偵察したがりそうな場所……心当たりありませんか?」
「絞りきれないわ…顔本さん色んなことに首突っ込むもの…何に関心持つか分かったもんじゃない…」
「はいはーい!早速思い当たるフシありまーす」
慶作の明るい発言は問題児の保護者の目に希望の光を灯らせた。
「顔本さんここ出てく直前、なんか言ってませんでしたか?」
「そーか?」
「ここを出て行く直前?俺達が風呂に行くよりも前か……確かに、何かに気付いた様子だったな」
「うんっ、私も聞こえたよ。セクハラがどうとかって言ってた!でもそれが一体…」
「あ」
ルウは水商売のスタッフにならないかと勧誘された不快な出来事を思い出した。
「私、セクハラされたこと今日顔本さんに愚痴ったんだけど……多分あそこかも」
「あーサッパリした!」
「ミロも顔本さんも来れば良かったのにね…」
「結局私達3人だけだったわね」
入浴を終えたルウ達は生乾きの髪を夜風に晒しながら自分達の基地へ帰っているところ。
「特に顔本さん!意地張っちゃってさぁ」
「その…体が私達と比べてどうのこうの言ってたのって、あれって建前で、やっぱり遠慮してるんじゃないかなぁ…」
「遠慮なんて別に良いのに。S.D.S.カウンセリング係になるんだから!」
「そうよね。大介くんとの泥臭い話も結構だけど、たまには女子の相手もしてあげてほしいわ」
女子組がガレージへ戻ると、同じく湿らせたタオルを肩に掛けているガイと慶作が出迎えた。
「あ、早かったね大介」
ルウ達と同時に、やはり今夜のことを謝ってもらうという名目で遊びに出掛けていた男子も帰ってきた。
「納得いくまで謝ってもらえたか~?点灯式のこと」
「いや、居なかったんだよ顔本さん」
「居なかった?」
出入口で足を止めた大介はその場から基地内をちらりと見回すが、ここにも捜し人の姿は無い。
「念のため警察署の中見てきたけど全然会えなくてさ。代わりにコレが部屋に置いてあって。泉海さんならわかる?」
大介が取り出したメモ用紙の字を見た途端、泉海は破顔した。
─ちょっと偵察行ってきます─
「偵察!?偵察ってどこに!?場所くらい書きなさいよ~っ!あっ、さてはこれのためにお風呂拒否したのね!?も~っ!」
彼女の叫び声はガレージの外で夜間巡視中の警官までしかと届いた。
「S.D.S.と警察で守ってあげるって話した直後にコレ!?」
「あっはは~、相変わらず元気だなぁ~顔本さん」
「これは元気じゃなくて自分勝手って言うの!あぁもぉ~、どうして事前に連絡してくれないのよお~…」
日々積み重ねられてきた苦労が全身からにじみ出る泉海に、大介までもが心から同情する。
「ちゃんと捜した方が良いですよね。任せてください泉海さん、ここはヒーローの出番だ!」
極々自然な流れで堂嶋大介は己のエゴを押し通し、肩に掛けていたタオルを机へ無造作に投げ気合いを入れ始めた。
「で、でも、どこ行っちゃったんだろうね…顔本さん…」
「あの人が偵察したがりそうな場所……心当たりありませんか?」
「絞りきれないわ…顔本さん色んなことに首突っ込むもの…何に関心持つか分かったもんじゃない…」
「はいはーい!早速思い当たるフシありまーす」
慶作の明るい発言は問題児の保護者の目に希望の光を灯らせた。
「顔本さんここ出てく直前、なんか言ってませんでしたか?」
「そーか?」
「ここを出て行く直前?俺達が風呂に行くよりも前か……確かに、何かに気付いた様子だったな」
「うんっ、私も聞こえたよ。セクハラがどうとかって言ってた!でもそれが一体…」
「あ」
ルウは水商売のスタッフにならないかと勧誘された不快な出来事を思い出した。
「私、セクハラされたこと今日顔本さんに愚痴ったんだけど……多分あそこかも」