Case⑩ 大人と子供
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堂嶋大介は、気の合うあの友人が居そうな場所を渋谷警察署1階以外に知らない。
この間直接個室に押し掛けた時は、話の途中で黒岩署長に邪魔されてしまった。
「……クソッ、どいつもこいつも危機感無さすぎだろ!」
今は無理にでも会いたい気分。ただ、前回の話の続きをしたい訳ではない。彼女が受付係を辞めるだのS.D.S.と接触禁止だの、そんなことがどうでも良くなる程に優先させたい話題が出来たのだ。
「顔本さんなら…!」
一か八かで正面口から乗り込むと、目的の人物はクビになり離れた筈の持ち場へ舞い戻っていた。
「良かった、居た!聞いてくださいよ!」
制服男子は老若男女を一切無視し、顔本以外の内勤警官も大忙しなカウンターに張り付いた。
「みんなおかしい、どうかしてる!呑気過ぎ!バカって何だよ!俺はヒーローなのに!」
「ちょいちょいちょい」
「……わかったよ、落ち着けってんだろ?」
「そうだけど違う。4時の方向」
「は?」
腕組みした顔本は彼に斜め後ろを確認するよう促した。
「相談事の持ち込みなら、ちゃんと順番守って」
「はあ?順番?」
ちらりとしか関心を持たれなかった住民の列は大介の出方をうかがっている。
「何あいつ」
「ほら、S.D.S.とか言う…」
「あぁ~ロボットだか何だかの…うわこっち見てる」
自分の番が回ってくるまで不平不満の吐き出しを我慢しているところ堂々と割り込まれ、ストレスが一種類増えた。顔本が睨みを聞かせている以上、大騒ぎまでには至っていないが。
「S.D.S.リーダー堂嶋大介くんよ。ヒーローなら品性ほう…あ?何だっけ……あれ?ひん、品性…こうせい?方正は芸人だし」
「てか、なんで受付復活してんだ?それに今昼休みの時間だろ?」
「これだけ警察署に人が押し寄せたら猫の手も借りたいでしょうよ。まあ実際は無許可でやっちゃってんだけどね」
「そんなことより聞いてくれよ!」
大介の声の出し方も気に障り、男の子を行儀良く許していた住民達は我慢の限界を迎えた。
「あいつだけ特別な訳?」
「やだ贔屓?」
「うーわー、S.D.S.の特権ってやつ?」
外野の声量が大きくなってきた。顔本は内心急いで説得にかかる。
「今は聞けない。友達として真剣にお喋りするのと、ここに立って真剣に相談を受けるのとでは訳が違うの。わかってくれるよね?」
「でも!俺が訴えたいことはどんなことよりも大事で優先されるべきなんだよ!」
「何あれ。ワガママ過ぎ」
「幼稚ね」
「日本人なら順番守れー!」
「そうだそうだ!」
「何だと!?俺は渋谷の為を思って言ってんだぞ!」
これ以上ここで吠えさせても反感を集める一方だ。
只でさえ住民達の怒りは、渋谷臨時政府が掲げたある大きな発表のお陰で爆発寸前。負の感情が強まるばかり。
「後でちゃんと全部聞くから。仕事終わったら私の時間はぜーんぶ友達の、大介くんのもの。ね?」
「……」
「勿論S.D.S.関係の話して良いから。署長達には内緒だよ~?んじゃ、次の人どうぞー」
「……絶対だからな」
友を信用していないのか、大介は腕を組んで近くの壁に寄りかかった。監視のつもりだろうか。
この間直接個室に押し掛けた時は、話の途中で黒岩署長に邪魔されてしまった。
「……クソッ、どいつもこいつも危機感無さすぎだろ!」
今は無理にでも会いたい気分。ただ、前回の話の続きをしたい訳ではない。彼女が受付係を辞めるだのS.D.S.と接触禁止だの、そんなことがどうでも良くなる程に優先させたい話題が出来たのだ。
「顔本さんなら…!」
一か八かで正面口から乗り込むと、目的の人物はクビになり離れた筈の持ち場へ舞い戻っていた。
「良かった、居た!聞いてくださいよ!」
制服男子は老若男女を一切無視し、顔本以外の内勤警官も大忙しなカウンターに張り付いた。
「みんなおかしい、どうかしてる!呑気過ぎ!バカって何だよ!俺はヒーローなのに!」
「ちょいちょいちょい」
「……わかったよ、落ち着けってんだろ?」
「そうだけど違う。4時の方向」
「は?」
腕組みした顔本は彼に斜め後ろを確認するよう促した。
「相談事の持ち込みなら、ちゃんと順番守って」
「はあ?順番?」
ちらりとしか関心を持たれなかった住民の列は大介の出方をうかがっている。
「何あいつ」
「ほら、S.D.S.とか言う…」
「あぁ~ロボットだか何だかの…うわこっち見てる」
自分の番が回ってくるまで不平不満の吐き出しを我慢しているところ堂々と割り込まれ、ストレスが一種類増えた。顔本が睨みを聞かせている以上、大騒ぎまでには至っていないが。
「S.D.S.リーダー堂嶋大介くんよ。ヒーローなら品性ほう…あ?何だっけ……あれ?ひん、品性…こうせい?方正は芸人だし」
「てか、なんで受付復活してんだ?それに今昼休みの時間だろ?」
「これだけ警察署に人が押し寄せたら猫の手も借りたいでしょうよ。まあ実際は無許可でやっちゃってんだけどね」
「そんなことより聞いてくれよ!」
大介の声の出し方も気に障り、男の子を行儀良く許していた住民達は我慢の限界を迎えた。
「あいつだけ特別な訳?」
「やだ贔屓?」
「うーわー、S.D.S.の特権ってやつ?」
外野の声量が大きくなってきた。顔本は内心急いで説得にかかる。
「今は聞けない。友達として真剣にお喋りするのと、ここに立って真剣に相談を受けるのとでは訳が違うの。わかってくれるよね?」
「でも!俺が訴えたいことはどんなことよりも大事で優先されるべきなんだよ!」
「何あれ。ワガママ過ぎ」
「幼稚ね」
「日本人なら順番守れー!」
「そうだそうだ!」
「何だと!?俺は渋谷の為を思って言ってんだぞ!」
これ以上ここで吠えさせても反感を集める一方だ。
只でさえ住民達の怒りは、渋谷臨時政府が掲げたある大きな発表のお陰で爆発寸前。負の感情が強まるばかり。
「後でちゃんと全部聞くから。仕事終わったら私の時間はぜーんぶ友達の、大介くんのもの。ね?」
「……」
「勿論S.D.S.関係の話して良いから。署長達には内緒だよ~?んじゃ、次の人どうぞー」
「……絶対だからな」
友を信用していないのか、大介は腕を組んで近くの壁に寄りかかった。監視のつもりだろうか。