Case⑤ 隠れた鬱憤
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持ち場のカウンターを離れている日の方が無論多いが、朝の時間帯はさすがに近場で我慢している。顔本は警察署1階のソファで老人と並んで座っていた。
「めっきり減ったなぁ、相談者。まあ、その分皆勤賞のおばあちゃんとたくさんお話できるんだけどね」
「こんな老いぼれ口説いたってなんも出ないよぉ」
「何を仰る、私が口説かれてんの」
軽く笑い合ったが、2人とも浮かない顔に戻った。一旦ため息を挟んでからお喋りを再開する。
「出歩いてると、相談事や鬱憤が無い訳でもなさそうなんだけどなぁ」
「やっぱりみんな自治会に行っちゃったからかしらねぇ」
「自治会?」
「横山さんの所だよ。私は足が悪いし、何だかよく分かんないから参加してないんだけどねぇ」
話し相手は寂しそうに肩を落とした。
「ふーん……」
顔本は含みのある返事をする。今は人の気持ちに寄り添うよりも、とある企みで頭が一杯だ。
「もし参加するなら、その制服は止めときなさい。あの人達、お巡りさんを良く思っていないから」
「そっか。なら無理に行くのは止めよっかな」
「貴女も安静にしてなきゃいけないでしょう……ちょっと?」
晴れて松葉杖から解放された顔本は、代わりに今日支給されたペットボトル片手に正面口へ歩き出す。
「散歩ー。天気良いし。ごめんまた明日ね」
「ありゃりゃ。また叱られても知らないよぉ」
「私も知らなーい」
「めっきり減ったなぁ、相談者。まあ、その分皆勤賞のおばあちゃんとたくさんお話できるんだけどね」
「こんな老いぼれ口説いたってなんも出ないよぉ」
「何を仰る、私が口説かれてんの」
軽く笑い合ったが、2人とも浮かない顔に戻った。一旦ため息を挟んでからお喋りを再開する。
「出歩いてると、相談事や鬱憤が無い訳でもなさそうなんだけどなぁ」
「やっぱりみんな自治会に行っちゃったからかしらねぇ」
「自治会?」
「横山さんの所だよ。私は足が悪いし、何だかよく分かんないから参加してないんだけどねぇ」
話し相手は寂しそうに肩を落とした。
「ふーん……」
顔本は含みのある返事をする。今は人の気持ちに寄り添うよりも、とある企みで頭が一杯だ。
「もし参加するなら、その制服は止めときなさい。あの人達、お巡りさんを良く思っていないから」
「そっか。なら無理に行くのは止めよっかな」
「貴女も安静にしてなきゃいけないでしょう……ちょっと?」
晴れて松葉杖から解放された顔本は、代わりに今日支給されたペットボトル片手に正面口へ歩き出す。
「散歩ー。天気良いし。ごめんまた明日ね」
「ありゃりゃ。また叱られても知らないよぉ」
「私も知らなーい」