Case③a 相談係兼任
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マリマリこと手真輪愛鈴は約束の時間を守らない仲間を呼び戻しに、渋谷警察署1階を訪れていた。
「大介ー…大介ー?…ガイが呼んでるよー…」
S.D.S.に加わるまで通る機会のなかった廊下を歩くのは、ほんの少しだけ勇気が要る。警官達から向けられる視線の中を進んだ先の、戸が開け放たれた個室。そこに問題児は居た。
「ってことは触感もあるんだよね?武器握りすぎちゃって壊すとか論外だし。でもダメージ全部伝わってたらやってらんないでしょ」
「ミロ何て言ってたかな…俺の脳がどうとか。あんまり意識してなかったや」
「あと、剣の振り方なんだけどさ。スパッといけるコツをネットで見たことがあって、こうっ、こう振るんだって!」
「顔本さん俺の戦い方見てなかったの?あれは特別で…」
捜し人は他の女性と、それはとても楽しそうに過ごしている。おまけに、自分の混ざれそうにない話題だ。
日が差し込む彼らの手元は、図やらくがきで埋め尽くされたコピー用紙が散乱している。
「あ、マリマリ。どうした?」
年上女性がにこやかに手を振ってきたことで、男子はようやくこちらを向いた。
「あっ、えっと、ガイが大介のこと呼んでるよ。当番またサボったでしょって」
愛鈴は伝言をしただけだが、大介を不機嫌にさせてしまい少しだけ申し訳ない気持ちになる。
「あれは忘れてただけだって。もうちょいしたら行くって言っといて」
「で、でも…」
「今行きなって」
盛り上がっていた話を中断された人は、意外にも自分の意見を後押ししてくれた。
「ええー?いつでも良いじゃん。別にわざとじゃねえし」
「ほーう?」
廊下から部屋の中へ踏み入れない少女は、2人の会話がタメ口で交わされていることに違和感のようなものを抱く。
「わざとじゃない、ね。なら素で迷惑かけちゃったんでしょ?こういうのは早く謝るかタイミング逃してギクシャクするかのどっちかなんだよ。さあ行った!」
「へーい」
気が気じゃない様子の女の子に顔本は目を向けるが、理由まではまだ勘付かない。
「……?」
「あっと、俺のシャーペン」
大介は顔本の片手を無遠慮に掴んで持ち上げ、紙の上で転がっていた自分の筆記用具を取る。
「!」
「痛っ、一応怪我してんだよ」
「平気でシビリアン描いてたじゃん」
何てことないやり取りだが、愛鈴は咄嗟に目を逸らした。
そんな明らさまな反応から流石に察し、顔本は両手を挙げ男子高校生にお触りしませんのポーズを見せつける。
「何してんの?」
「べっつにぃ~?」
大介が離れても素知らぬ顔でそっぽを向き続けた。わざとらしい演技が鼻についたが、愛鈴はこの場で直接何かしら物申すことはしない。
肝心の子供はというと、どちらの態度も全く気にしていなかった。
「じゃあまた明日!」
「……タラシが」
「え?」
「行ってら。って言ったの。ね?マリマリちゃん」
「えっ!?あ、は、ハイッそう、ですね…」
朗らかな笑顔で送り出されたが、正直なところ、精神的に酷く疲弊してしまった。ちょっと仲間を呼びに来ただけなのに、こんな目に遭うとは。
「私あの人苦手…」
「そーか?」
「大介ー…大介ー?…ガイが呼んでるよー…」
S.D.S.に加わるまで通る機会のなかった廊下を歩くのは、ほんの少しだけ勇気が要る。警官達から向けられる視線の中を進んだ先の、戸が開け放たれた個室。そこに問題児は居た。
「ってことは触感もあるんだよね?武器握りすぎちゃって壊すとか論外だし。でもダメージ全部伝わってたらやってらんないでしょ」
「ミロ何て言ってたかな…俺の脳がどうとか。あんまり意識してなかったや」
「あと、剣の振り方なんだけどさ。スパッといけるコツをネットで見たことがあって、こうっ、こう振るんだって!」
「顔本さん俺の戦い方見てなかったの?あれは特別で…」
捜し人は他の女性と、それはとても楽しそうに過ごしている。おまけに、自分の混ざれそうにない話題だ。
日が差し込む彼らの手元は、図やらくがきで埋め尽くされたコピー用紙が散乱している。
「あ、マリマリ。どうした?」
年上女性がにこやかに手を振ってきたことで、男子はようやくこちらを向いた。
「あっ、えっと、ガイが大介のこと呼んでるよ。当番またサボったでしょって」
愛鈴は伝言をしただけだが、大介を不機嫌にさせてしまい少しだけ申し訳ない気持ちになる。
「あれは忘れてただけだって。もうちょいしたら行くって言っといて」
「で、でも…」
「今行きなって」
盛り上がっていた話を中断された人は、意外にも自分の意見を後押ししてくれた。
「ええー?いつでも良いじゃん。別にわざとじゃねえし」
「ほーう?」
廊下から部屋の中へ踏み入れない少女は、2人の会話がタメ口で交わされていることに違和感のようなものを抱く。
「わざとじゃない、ね。なら素で迷惑かけちゃったんでしょ?こういうのは早く謝るかタイミング逃してギクシャクするかのどっちかなんだよ。さあ行った!」
「へーい」
気が気じゃない様子の女の子に顔本は目を向けるが、理由まではまだ勘付かない。
「……?」
「あっと、俺のシャーペン」
大介は顔本の片手を無遠慮に掴んで持ち上げ、紙の上で転がっていた自分の筆記用具を取る。
「!」
「痛っ、一応怪我してんだよ」
「平気でシビリアン描いてたじゃん」
何てことないやり取りだが、愛鈴は咄嗟に目を逸らした。
そんな明らさまな反応から流石に察し、顔本は両手を挙げ男子高校生にお触りしませんのポーズを見せつける。
「何してんの?」
「べっつにぃ~?」
大介が離れても素知らぬ顔でそっぽを向き続けた。わざとらしい演技が鼻についたが、愛鈴はこの場で直接何かしら物申すことはしない。
肝心の子供はというと、どちらの態度も全く気にしていなかった。
「じゃあまた明日!」
「……タラシが」
「え?」
「行ってら。って言ったの。ね?マリマリちゃん」
「えっ!?あ、は、ハイッそう、ですね…」
朗らかな笑顔で送り出されたが、正直なところ、精神的に酷く疲弊してしまった。ちょっと仲間を呼びに来ただけなのに、こんな目に遭うとは。
「私あの人苦手…」
「そーか?」