バタリア 1回目
死ぬかと思った。
ゲーム画面越しに見れば恐らく、私の体力ゲージ4つの内3つは空だろう。いや、もしかしたら残りの1つも実は無いのかもしれない。正直、死ぬかと思った、ではなく、もう死にそう。本当に歩くのがやっとだ。
先回りしていた隊長のおっさんに話しかければ、やはり褒美のインフォボットを渡された。
「それにしてもそっちの女、もうヘロヘロではないか」
あんな生意気を言ってからのこのザマだ、どんな嫌味を言われるか。
「……」
来ない筈の強い敵が沢山現れたんですぅ、自分のピンチにだけ携帯からナノテックが出てこなかったんですぅ、なんて言い訳が通用するような上司では無さそうだし、第一、この携帯について説明したところで押収されるに決まってる。何を言われたって黙ってるしかないだろう。
「…ふむ」
「……」
「持ってけ」
「え?」
しかしおっさんから渡されたのは嫌味でも叱咤でもなく、ピンク色のナノテックが入ったガラスの箱。これは、普通のナノテック4つ分を一気に回復することができるスーパーナノテックだ。
続編からでしか見たことがないのに、何故これがここにあるのか?ゲームとこの現実との差なのか、ラチェット&クランク1のラチェットが単に見つけていなかっただけなのか。
いや、そんなことよりも驚きなのが、
「わ、私に?くれるの?」
「任務遂行の為だ。部下に逃げられては困るが、死なれても困るからな」
おっさんの照れる様子は全く見受けられない。隊長として当たり前のことをしたまで、否、しただけ、ということか。ツンデレではなく、かなりサッパリとした性格なのだろう。
「ありがとう!」
「全く!先程から貴様は敬語がなっとらん!生きて帰れば礼儀から叩き直してやる、覚悟しておけ」
「は、はい!」
また思わず敬礼。
「任務成功を祈る。グッドラック!」
ゲーム画面越しに見れば恐らく、私の体力ゲージ4つの内3つは空だろう。いや、もしかしたら残りの1つも実は無いのかもしれない。正直、死ぬかと思った、ではなく、もう死にそう。本当に歩くのがやっとだ。
先回りしていた隊長のおっさんに話しかければ、やはり褒美のインフォボットを渡された。
「それにしてもそっちの女、もうヘロヘロではないか」
あんな生意気を言ってからのこのザマだ、どんな嫌味を言われるか。
「……」
来ない筈の強い敵が沢山現れたんですぅ、自分のピンチにだけ携帯からナノテックが出てこなかったんですぅ、なんて言い訳が通用するような上司では無さそうだし、第一、この携帯について説明したところで押収されるに決まってる。何を言われたって黙ってるしかないだろう。
「…ふむ」
「……」
「持ってけ」
「え?」
しかしおっさんから渡されたのは嫌味でも叱咤でもなく、ピンク色のナノテックが入ったガラスの箱。これは、普通のナノテック4つ分を一気に回復することができるスーパーナノテックだ。
続編からでしか見たことがないのに、何故これがここにあるのか?ゲームとこの現実との差なのか、ラチェット&クランク1のラチェットが単に見つけていなかっただけなのか。
いや、そんなことよりも驚きなのが、
「わ、私に?くれるの?」
「任務遂行の為だ。部下に逃げられては困るが、死なれても困るからな」
おっさんの照れる様子は全く見受けられない。隊長として当たり前のことをしたまで、否、しただけ、ということか。ツンデレではなく、かなりサッパリとした性格なのだろう。
「ありがとう!」
「全く!先程から貴様は敬語がなっとらん!生きて帰れば礼儀から叩き直してやる、覚悟しておけ」
「は、はい!」
また思わず敬礼。
「任務成功を祈る。グッドラック!」