バタリア 1回目
ジャングル混じりの、黄色と白を基調とした要塞を進んでいく。
身体は思うように動いていた。しかし、そもそもの思考が追いつかない。敵一人を狙う間に後ろから撃たれてしまうこと数回。正面からの攻撃を避けきれないこと数回。ラチェットにフォローされること十数回。
「ヘーキ?休憩する?」
「大丈夫…ナ、ナノテックは?」
「この辺のは使っちゃったぜ」
私の携帯から放出されるナノテックは全てラチェットに。代わりに、道中のナノテックは全て私に。
「おかしいッス。先程から、ねえさんの通信機はねえさん自身に発動していないッス」
「だよな。オイラばっかり回復してる」
たしかにそれも関係しているが、自分が足を引っ張っている理由は他にある。
「また来た…ブラーグ・スリー!」
ゲームの後半から登場する筈の地味に強い敵キャラクターが、もうこの惑星まで攻めてきているのだ。しかも沢山。今出てこられちゃあ、対応できるガラメカが少なすぎる。
相手は宙を浮いているため、ジラインやアクマンは使えない。射程距離はバクダンやブラスターより遥かに長く、連射可能、弾自体も速い。常に団体行動しているため、どれかを倒そうと近付くと他の仲間に集中砲火を食らう。しかも記憶と違い、近付くまでもなく視界に入ればすぐさま襲ってくる程好戦的。ロケットバズーカの弾は残り数発。囮に使えるバルルンはまだ無い。
「なあ、さっきっからさ、その“スリー”って何?どの団体さんも三人以上居るけど!?イッテェ!!…おっと助かった」
この先に進めば即死かと思いきや、意外と大丈夫だった。ラチェットだけはすぐ回復するのでほぼ無敵状態。攻撃を受けて回復、受けて回復を繰り返しながら地味なガラメカで確実に倒していく。
自分はと言うと、遠くからバズーカを数発撃っただけ。
「くそっ…!無くなったか…」
後は道が開けるまで物陰に隠れて身体を少しの間でも休めていた。
「も…もう……対応しきれないっつの…!」
瓦礫を背もたれに座り込み、弾が切れたバズーカを膝の上に投げ出す。
「……」
手足がもう好き勝手に動かない。ブラーグとの闘いがこんなにもキツくなるとは。まるで彼等がこちらに迅速に対応してきたかのようだ。
「……」
自分らをめがけて突進するかのように向かってきたブラーグ達。
「……まさか」
既にラチェットとクランクが、これまで以上にビッグバッドボスから危険視されている?
「そのまさか、じゃん。でなきゃ……ブラーグ・スリー、なんて」
頭上でくぐもった断末魔が響き、ボルトがぱらぱら降ってくる。
「終わったよ、おねーさん。歩ける?」
「ナノテックの箱は…ここにも無かったッス…」
「ありがと。大丈夫だから」
これ以上リーダーの大きな耳を垂れさせる訳にはいかない。障害がどうあれ、力を振り絞り目的地を目指す。
身体は思うように動いていた。しかし、そもそもの思考が追いつかない。敵一人を狙う間に後ろから撃たれてしまうこと数回。正面からの攻撃を避けきれないこと数回。ラチェットにフォローされること十数回。
「ヘーキ?休憩する?」
「大丈夫…ナ、ナノテックは?」
「この辺のは使っちゃったぜ」
私の携帯から放出されるナノテックは全てラチェットに。代わりに、道中のナノテックは全て私に。
「おかしいッス。先程から、ねえさんの通信機はねえさん自身に発動していないッス」
「だよな。オイラばっかり回復してる」
たしかにそれも関係しているが、自分が足を引っ張っている理由は他にある。
「また来た…ブラーグ・スリー!」
ゲームの後半から登場する筈の地味に強い敵キャラクターが、もうこの惑星まで攻めてきているのだ。しかも沢山。今出てこられちゃあ、対応できるガラメカが少なすぎる。
相手は宙を浮いているため、ジラインやアクマンは使えない。射程距離はバクダンやブラスターより遥かに長く、連射可能、弾自体も速い。常に団体行動しているため、どれかを倒そうと近付くと他の仲間に集中砲火を食らう。しかも記憶と違い、近付くまでもなく視界に入ればすぐさま襲ってくる程好戦的。ロケットバズーカの弾は残り数発。囮に使えるバルルンはまだ無い。
「なあ、さっきっからさ、その“スリー”って何?どの団体さんも三人以上居るけど!?イッテェ!!…おっと助かった」
この先に進めば即死かと思いきや、意外と大丈夫だった。ラチェットだけはすぐ回復するのでほぼ無敵状態。攻撃を受けて回復、受けて回復を繰り返しながら地味なガラメカで確実に倒していく。
自分はと言うと、遠くからバズーカを数発撃っただけ。
「くそっ…!無くなったか…」
後は道が開けるまで物陰に隠れて身体を少しの間でも休めていた。
「も…もう……対応しきれないっつの…!」
瓦礫を背もたれに座り込み、弾が切れたバズーカを膝の上に投げ出す。
「……」
手足がもう好き勝手に動かない。ブラーグとの闘いがこんなにもキツくなるとは。まるで彼等がこちらに迅速に対応してきたかのようだ。
「……」
自分らをめがけて突進するかのように向かってきたブラーグ達。
「……まさか」
既にラチェットとクランクが、これまで以上にビッグバッドボスから危険視されている?
「そのまさか、じゃん。でなきゃ……ブラーグ・スリー、なんて」
頭上でくぐもった断末魔が響き、ボルトがぱらぱら降ってくる。
「終わったよ、おねーさん。歩ける?」
「ナノテックの箱は…ここにも無かったッス…」
「ありがと。大丈夫だから」
これ以上リーダーの大きな耳を垂れさせる訳にはいかない。障害がどうあれ、力を振り絞り目的地を目指す。