キャナル

リーダーがなだめられている頃、スターは次のレースが始まるまで一休みするために専用の控え室に戻った。

「まーた携帯ばっかいじりやがって」
「ほっといてよぅ!」

携帯が無いと死んじゃうマネージャーは新機種を購入し、何とか生き延びていた。

「あの子達、ホントにレースに参加してたよぅ。良い度胸よぅ」
「初心者にはキツ目なコースだよな」
「そうじゃないよぅ!公共の電波に自ら乗るってことは、よっぽど捕まらない自信があるのか、それともニュースや噂を全くチェックしていないかのどちらかよぅ。これを見るよぅ!」
「そりゃあもう何回も見たって!そろそろ出番だから俺は行くゼ」

相手にするのも嫌気が差したスキッドは軽く水分補給し、レース開始までまだ時間があるが部屋を出て行った。

主張する相手が居なくなったマネージャーは新品の端末をいじり続ける。


ブラックウォーターなう 例の三人を発見!

指名手配犯inキャナル

オレ近くで見たけど、そんな悪そうな感じしなかったゼ 選手二人のしてたけどな

コイツら来てから心なしかダウンタウンの人口減ってんだけど

犯罪者がホバーボードレースに参加しても良いの?運営は何やってんだ!?

レースくらい大目に見ろって

ココ警察居ないようなもんだからなぁ…

ほっとけよキャナルなんだから 犯罪者なんて他にもゴロゴロ居るだろ


マネージャーが携帯で見ているメッセージサイトは彼らについての話題一色。

そんなことも知らずに当人達はレース観戦をしながら気軽にお喋り。

「ちなみにさ、おねーさんが勝ったら選手達に何をさせるつもりだったの?」
「んー、ガラメカ試し打ちの的役?」
「……流石だよ」
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