キャナル

「この先にクォーク居るかな?……何の声?」

空飛ぶタクシーの行き先ダウンタウンでは、やはりブラーグとその駆除隊達が乱闘を繰り広げていた。ぶしゃぶしゃと何かが弾ける音と嘔吐でもしているかのような断末魔で地獄絵図にむごたらしさが増す。

「うわーやってるなぁ、よし!」
「まだ降りちゃだめ。やりたいだけやらせときなさい」

敵同士で存分に戦わせておいて、ガラガラになったところをタクシーから降り立ち自分らが制圧。倒す手間が省けるし安全だ。

「さっきからごちゃごちゃうるさいなー…」
「無茶しないで進める方法を考えて教えてるだけ」
「前も言ったけどさ、何様のつもり?」
「文句あるならリーダーの進みたいように進めば?」
「ヘッ、そうさせてもらいますよー」

残党と大通りの先に居る戦車をまとめて片付けようとしたが、リーダーは案の定攻撃を食らう。例によって助言者の携帯から患部まで明るい光達が通る。

ふと、復活した彼の視界に人影が。

「もう、だから言ったじゃない!無茶しないで」
「YO!YO!そこの、素敵な、アイテム!あ、いや、素敵なネーチャンYO!」
「…無茶しないでよ、リーダーさん」

変なラップに遮られて言い直したが、ラチェットはランチャーNo.8商人に興味津々だ。

「う~ん、スキッド?じゃ、ないよな?」
「YO、小僧。ミミヨリな情報があるゼ」

この辺りの流れはゲーム通り。無敵武器が欲しければクランクを置いていけとほざく。

「置いてくのはそっちのネーチャンでもイイゼ、YO!」
「……」

まただ。何故か地球外生命体に目を付けられる。でもブラーグに好かれるよりはマシか。

「悪いけど、私もこの子達と仲間だからそれは…」
「かな~り口うるさい商品になりますけど、それでも良い?」
「あんたね…!」
「ホントの事だろ?」
「ホントの事でも、つまんない冗談やめてくれる?」
「おねーさん笑いのセンス無いなぁ、銀河一なんじゃないの?」

四人で輪になっているはずが、二人は完全に蚊帳の外。

「…口挟んだらコッチがハチの巣にされそうだゼ」
「わかっていただけるッスか」
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