アース
「大分落ち着いたよ、ありがとう」
「はい、どーいたしましてー…」
ラチェットからようやく離れ、自分の足で立ち上がる。
かれこれ十数分。体毛の極めて薄い異星人に抱き付かれて最初は戸惑っていたラチェットだが、今や慣れを通り越して少々うんざりしていた。「ヒューヒュー、ラチェット」とはやし立てていたクランクも流石に飽きていた。
助けてもらった分際で見下ろすのはどうかと思ったので、立て膝をつき彼らに目線を合わせることにした。
「おねーさんが無事で良かったよ。オイラはラチェットっていうんだ」
「クランクッス」
知っているよ、うん。
「私は…」
自分の名前を言いかけた時、瓦礫の横に四角い箱のようなものが回転しながら現れた。
「な、何?」
どこかで見たことがあるような、箱。
「さすがガラクトロン、手回しが早いッス」
箱の上に青い球体が現れた。どこかで見たことがある、店。
「はいらっしゃい!」
箱が開き、いくつものモニターが飛び出し浮かび上がった。右上の画面だけ‘緑’だ。
「バクダンの弾しか無いか。補充しておこう」
ラチェットは一番手前のモニターに一回タッチした。
「毎度あり!」
その箱の中心に埋め込まれている水晶へ‘お金’が吸い込まれ、バクダンの弾が飛び出してきた。
ショップってこんな風にできているのか。バクダンの弾はラチェットの右手に吸収された。あ、ゲームで見たのと同じバクダングラブ。
用が済んだガラクトロンショップは数枚のモニターを収納しつつ元の箱に戻った。
「お、早速使うときが来たな」
彼の目線を追うと、丁度良い大きさのクッション、否、敵がゾロゾロとやって来ている。ラチェットは一人で大群に向かって走り出した。
「クランク!おねーさん!ショップ開いておいて!」
「ウィッス」
「はいらっしゃい!ん?あんた方はさっきの…」
「そこのねえさんも、早くこっちに来るッス!」
「はっはい…」
「いや~、こんな可愛らしいお嬢さんにそう何度も来られちゃあ、おじさんおまけしちゃおうかな」
「いやですよ、おだてたって何も出ませんよ~」
「旦那、ワタシ達は避難しに来ただけッス。買い物はしないッスよ」
「え?」
「どういうことだい?」
「ガラクトロンのチェーン店を開いている間は、絶対に敵に攻撃されない仕組みになっているッス」
「おお、本当だ」
バズーカを構え宙に浮いている宇宙人が遠くから凝視してくる。こちらが店を閉めるのを待ち望んでいるようだ。
「こりゃあ、まるでバリアだな」
クッション大の蛙はこちらに向かってくるが、勝手に跳ね返って死んでいる。まるでお客の背後で見えない壁にぶつかっているように。
「ねえさんはともかく、旦那はこの機能を知らなかったッスか?」
蛙。たくさん来る。
「いやー、こんなにブラーグ達で溢れている星は初めてでね」
蛙は、彼が倒している筈、なのに、
「この星は予測していたよりも非常事態ッスね」
「おじ様!後払いでお願い!!」
ラチェットが押していた部分を連打する。
「一体何を…?まさか戦うつもりッスか!?無理ッスよ、一般市民はガラメカなんて使いこなせないッス!」
隣のチビは無視して、出てきた弾を両手にラチェットのもとへ走る。
「待ったお嬢さん、こいつ持ってけ!」
振り返るとバクダングラブが飛んできた。
「はい、どーいたしましてー…」
ラチェットからようやく離れ、自分の足で立ち上がる。
かれこれ十数分。体毛の極めて薄い異星人に抱き付かれて最初は戸惑っていたラチェットだが、今や慣れを通り越して少々うんざりしていた。「ヒューヒュー、ラチェット」とはやし立てていたクランクも流石に飽きていた。
助けてもらった分際で見下ろすのはどうかと思ったので、立て膝をつき彼らに目線を合わせることにした。
「おねーさんが無事で良かったよ。オイラはラチェットっていうんだ」
「クランクッス」
知っているよ、うん。
「私は…」
自分の名前を言いかけた時、瓦礫の横に四角い箱のようなものが回転しながら現れた。
「な、何?」
どこかで見たことがあるような、箱。
「さすがガラクトロン、手回しが早いッス」
箱の上に青い球体が現れた。どこかで見たことがある、店。
「はいらっしゃい!」
箱が開き、いくつものモニターが飛び出し浮かび上がった。右上の画面だけ‘緑’だ。
「バクダンの弾しか無いか。補充しておこう」
ラチェットは一番手前のモニターに一回タッチした。
「毎度あり!」
その箱の中心に埋め込まれている水晶へ‘お金’が吸い込まれ、バクダンの弾が飛び出してきた。
ショップってこんな風にできているのか。バクダンの弾はラチェットの右手に吸収された。あ、ゲームで見たのと同じバクダングラブ。
用が済んだガラクトロンショップは数枚のモニターを収納しつつ元の箱に戻った。
「お、早速使うときが来たな」
彼の目線を追うと、丁度良い大きさのクッション、否、敵がゾロゾロとやって来ている。ラチェットは一人で大群に向かって走り出した。
「クランク!おねーさん!ショップ開いておいて!」
「ウィッス」
「はいらっしゃい!ん?あんた方はさっきの…」
「そこのねえさんも、早くこっちに来るッス!」
「はっはい…」
「いや~、こんな可愛らしいお嬢さんにそう何度も来られちゃあ、おじさんおまけしちゃおうかな」
「いやですよ、おだてたって何も出ませんよ~」
「旦那、ワタシ達は避難しに来ただけッス。買い物はしないッスよ」
「え?」
「どういうことだい?」
「ガラクトロンのチェーン店を開いている間は、絶対に敵に攻撃されない仕組みになっているッス」
「おお、本当だ」
バズーカを構え宙に浮いている宇宙人が遠くから凝視してくる。こちらが店を閉めるのを待ち望んでいるようだ。
「こりゃあ、まるでバリアだな」
クッション大の蛙はこちらに向かってくるが、勝手に跳ね返って死んでいる。まるでお客の背後で見えない壁にぶつかっているように。
「ねえさんはともかく、旦那はこの機能を知らなかったッスか?」
蛙。たくさん来る。
「いやー、こんなにブラーグ達で溢れている星は初めてでね」
蛙は、彼が倒している筈、なのに、
「この星は予測していたよりも非常事態ッスね」
「おじ様!後払いでお願い!!」
ラチェットが押していた部分を連打する。
「一体何を…?まさか戦うつもりッスか!?無理ッスよ、一般市民はガラメカなんて使いこなせないッス!」
隣のチビは無視して、出てきた弾を両手にラチェットのもとへ走る。
「待ったお嬢さん、こいつ持ってけ!」
振り返るとバクダングラブが飛んできた。