キャナル

「あ、待ってラチェ…」
「何?」
「どうかしたッスか?」

出発位置から少し進んだ場所。返事と共にスイッチが押され、目前のゲートが開き駆除隊員が攻めてきた。

「ジライン仕掛けておこうと思ったのに」

この後に続く扉の向こうにはスイッチ一つで襲ってくる奴らが待ちかまえている。ならば手に入れたばかりのこの設置型ガラメカを活用してみるのも良いだろう。

「ほら、仕掛けておけばああやって勝手に倒れてくれるでしょ」
「そういうことはもっと早く言ってよね」

二回目からは、ボルトが撒かれた静かな道をお喋りしながら進む。

ここの探索は終了、次はタクシーの見てくれをした小柄な移動装置に乗り別の場所へ向かう。

「ラチェットがせっかちなんスよ。ねぇ、ねえさん。ねえさん?」
「……」
「早く乗るッスよ。この辺りではキャプテンは見当たらないッス」
「……」
「今度はなーに?敵はみんな倒したじゃん、まだここでやり残したことでもある?それともこれに乗るの怖い?」
「別に。でも私が乗ってから良しって言うまで、絶対に揺らすんじゃないわよ…」
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