ネビュラG34

爆破予定の船に忍び込み、敵を倒しながら自爆スイッチのある操縦室へ順調に進んで行く。二足歩行の敵さんは地を伝わる炎の波動に気をつければ何てこと無い。なんだか狭くて逃げにくいけど。

「もうコックピットに着いても良い頃だね」
「……」

今はその一つ前のフロアまで制覇し終わった。ふと、両端に並べられた多くのコンテナに目が留まる。どれも自分の身長を少し越す程度の大きさ。至って普通な背景。だが。

「増えてる…?いや、こんなものは…」

ゲームプレイ時には見たことない。この船はもう少し広かったのにと思っていた。しかし船の形そのものはきっと変わっていない。となると、変わったのは船の用途。今乗っているこれは軍艦から貨物輸送船になったんだ。

でも、なぜ?

「何か言った?」
「この中、何が入ってるんだろうって思ってさ。気にならない?」

ゲームの中では壁、障害物、その他ラチェットが操縦しないものや壊せないものには全く干渉できなかった。頑張っても、レンチで殴って火花を散らす程度。だが、今は目の前にあるものを好き勝手に調べることができる。

「自爆させる前にちょっと漁ってみるか!おねーさんはそっちね」

ラチェットは反対側のコンテナをもうオムレンチでこじ開けようとしている。

こちらは特に工具を持っていないので正規の開け方を探す。“物”を外から入れる箱なのだから、取っ手かスイッチか必ず何かがあるだろう。
3/6ページ