ネビュラG34

BBステーションに着いた。まずはガラクトロンショップをチェック。

「シャベルスピークだってさ。非戦闘用ガラメカか。使えるかなぁ…?」

買うか否か迷っているようでチラチラ見てくる。

「たとえば、さ。たとえばの話ね。自分と敵の間に……地雷があるとするじゃん。私の言いたいこと、わかる?」

ゴールデンボルトに限らず、ラチェット&クランクのプレイでは閃きやガラメカの上手な活用が鍵になってくる。ごり押しで進めないこともないのだが、できるだけ頭を使って楽して進みたいものだ。

「なるほどね。よし、買おう!」
「毎度ありぃ!」

調子良いなぁ。早速試しにスピークオンにしてるし。

音を出したまま、それに合わせてラチェット自身も指笛を吹いたり舌を出したりしてふざけだした。

「アッハハハ!」
「クランクもやってみろよ、面白いぜ」
「こうッスか?」

クランクがスピークのボタンを押すと、先程とは違う音が出た。と言っても、抑揚のある短い電子音一種類だけ。

「なんかツマんねーな」
「ツマらなくて結構ッス」

これがクランクなりの呼び寄せる声なのか。たしかにどこかで聞いたことがあるような音声だ。

「おねーさんもやってみてよ」
「オーケー」

自分がやったら、生き物のラチェットが発した時と同じような音が出るのだろう。

『いらっしゃい…こっちよ…』
『来て来て~大サービスしちゃうわよ~ん』
『イイ子ね、もっと近づいて?』
『待ちきれな』

「……」
「……」
「……」
「わー!!ストップストップ!それはオイラが持つから!」
「…ちっ」

けしからんガラメカを床に叩きつけたいが渋々リーダーに手渡す。

「ウヒョヒョヒョ!たまらんッスね」
「ラチェット、それを背中から降ろして離れなさい。そしてサックキャノン貸しなさい。すぐ済むから」
「やめとけってクランク、この話題はおねーさんが笑って話せる頃になるまで待とうぜ」
「そんな時代絶対来ないから」
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