アリディア

「えっと、ここはこいつの出番かな」

そう言ってリーダーは手に入れたばかりの非戦闘用ガラメカを取り出した。

「あ。ねえねえ、それ私にやらせてよ」
「ここはリーダーのオイラに任せてよ」
「担いでもらってばっかりだったからさ、私にも活躍させてよ!ね?」
「お手本が必要だろ~」

スパイシリンダー…最初は受け口に当てるためにレーザーの出口を回転させるだけの簡単な仕組みだが、後々大人顔負けな程に難しくなっていく。一カ所動かせば他のレーザーの都合がつかなくなったり邪魔をしたり。虱潰しにぐるぐる回したのは良い思い出だ。

「お二人さん、ゲームセンターに来てるカップルじゃないんだからさっさと済ませるッス」
「カップルじゃない!!」「スキあり!」

クランクのひやかしに相手が気を取られている間にスパイシリンダーを引ったくった。

「ラチェットは次の星から使って良いよ」

邪魔されない内に、記念すべき第一回目の作動。

「“次”ねえ…ちなみに、その星の名前は?」
「次はユー……!あ、あーっ、鍵解けた、よ、よし!さっさと進んじゃおうよ」
「……ユードラ。インフォボットで見たじゃん」
「そうそう!そう、ユードラね」

さっさと教えれば良いものを、またタイミングを潰してしまった。

クランクには話したのになぜ彼には隠してしまうのか、まだ自分でもよく分からない。
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