アリディア
「確認ね…連絡取るにも、オレの通信機イカレちまってなぁ。こっちのヤツも使い方わかんねぇし」
「え、あっ!そそそれ…」
「あん?こいつか?」
「ねえさんの通信機ッス!」
これは何という幸運。
「ケルバンで拾ったんだ。つーか、落ちてきたんだよ。ネーチャンのだったんか」
「うん。その、できたら返してほしいんだけど…」
幸運だが、ここからが難しい。彼との二つ目の取引だ。
「なんで遠慮してんのおねーさん!もともとこれはおねーさんの物なんだよ!?」
「だってナノテック出てくるんだよ、便利だってわかったら返したくなくなるじゃん普通」
「そんなの関係ないって!」
「へー、この機械ナノテック出てくるのか?スゲェな」
「え、知らなかったみたい」
誰が見ても分かるくらい奴の目が輝いた。
「ばらしちゃったッスね」
「おねーさんのバカ」
「ほらよっ」
私の胸元にゆっくり相棒が飛んできた。
「え?」
突然のことで、思わず掴み損ねるところだった。
「ん、どうした?返しちゃマズかったか?」
「いや、何かあげなきゃ返してもらえないかと」
ラチェットの世界では何かしらお金がかかるからね。というより、要求するキャラが多い。
「ハァ?何かって、例えば?」
「ええと、ボルトとか…」
「オイオイオイオイ、惚れた女から金取るかっての。冗談だろ?オレがそんな野暮な男に見えるかい?」
「!」
衝撃だった。一度助けはしたキャラだが、今ここで交換条件を出さないなんて。
何より嬉しかった。私は言うのと同時に男に抱きつく。
「ありがとースキッド!!サイコ~!」
「ウホ!!」
「なぁっ!?」
「ありゃ」
嗅いだことのない植物みたいな臭いがするけれど、今は全然気にならない。
「これ、私の大切な物だったの。チョー嬉しい!」
「このくらい、お、お安いご用だぜ~ヘヘヘ」
「…おねーさん離れなよスキッドが困ってるじゃん」
あら、1オクターブ声が低い。
「ははっ急にごめんねスキッド。世知辛い世の中だからさ、つい嬉しくて」
もう代わりに怒ってやる気はないのでさっさと回していた腕を離す。
「イイってことよ。じゃ、オレはそろそろ行くゼ。マネージャーも困ってるだろうしな」
目の前の男はまたマザーシップによじ登る。
「オメーら、それにネーチャン。次はレースで会おうゼ」
「え、あっ!そそそれ…」
「あん?こいつか?」
「ねえさんの通信機ッス!」
これは何という幸運。
「ケルバンで拾ったんだ。つーか、落ちてきたんだよ。ネーチャンのだったんか」
「うん。その、できたら返してほしいんだけど…」
幸運だが、ここからが難しい。彼との二つ目の取引だ。
「なんで遠慮してんのおねーさん!もともとこれはおねーさんの物なんだよ!?」
「だってナノテック出てくるんだよ、便利だってわかったら返したくなくなるじゃん普通」
「そんなの関係ないって!」
「へー、この機械ナノテック出てくるのか?スゲェな」
「え、知らなかったみたい」
誰が見ても分かるくらい奴の目が輝いた。
「ばらしちゃったッスね」
「おねーさんのバカ」
「ほらよっ」
私の胸元にゆっくり相棒が飛んできた。
「え?」
突然のことで、思わず掴み損ねるところだった。
「ん、どうした?返しちゃマズかったか?」
「いや、何かあげなきゃ返してもらえないかと」
ラチェットの世界では何かしらお金がかかるからね。というより、要求するキャラが多い。
「ハァ?何かって、例えば?」
「ええと、ボルトとか…」
「オイオイオイオイ、惚れた女から金取るかっての。冗談だろ?オレがそんな野暮な男に見えるかい?」
「!」
衝撃だった。一度助けはしたキャラだが、今ここで交換条件を出さないなんて。
何より嬉しかった。私は言うのと同時に男に抱きつく。
「ありがとースキッド!!サイコ~!」
「ウホ!!」
「なぁっ!?」
「ありゃ」
嗅いだことのない植物みたいな臭いがするけれど、今は全然気にならない。
「これ、私の大切な物だったの。チョー嬉しい!」
「このくらい、お、お安いご用だぜ~ヘヘヘ」
「…おねーさん離れなよスキッドが困ってるじゃん」
あら、1オクターブ声が低い。
「ははっ急にごめんねスキッド。世知辛い世の中だからさ、つい嬉しくて」
もう代わりに怒ってやる気はないのでさっさと回していた腕を離す。
「イイってことよ。じゃ、オレはそろそろ行くゼ。マネージャーも困ってるだろうしな」
目の前の男はまたマザーシップによじ登る。
「オメーら、それにネーチャン。次はレースで会おうゼ」