ケルバン

落下死の心配はほぼ無くなった。ラチェット程とは言えないが、私もプロペラを使いこなせてきている。

あと、バクダンの投げ方に慣れたらしい。ほぼ百発百中。

「危ない、避けて!」
「うわっ…と!」
「おねーさん…今のナイス!」

それと、オリンピック出場選手でもない人間が今、バック転を決めた。

「オイラも真似しよっと」
「目が回るッスよ!」

おかしい。私の体育の成績うんぬんという次元ではない。

武器の使いにすぐ慣れる。闘うごとに俊敏さが増す。そして疲れにくい。有り難い。

「これは、もしかして…」

私も‘干渉’されているのか?

「おねーさん」
「なに?」
「ひょっとして…」

クリクリまなこが細められる。

まさか、バレたのか?でも何が?

「空飛ぶ汽車、初めて乗る!?実はオイラもなんだ!」

クリクリまなこが一気に輝きだした。
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