その頃。一匹のロンバックスと一台のロボットが、小さな宇宙船に乗ってある惑星を出発した。

「面倒臭いから、クランクって呼ぶよ」
「…ラチェット」
「何だい？クランク」
「水臭いッス。もう一台、インフォボット持っているじゃないッスか」
「は？オイラ知らないよ！？それどこにあったのさ？」
「ラチェット、操縦！」
「あああ、ごめん」
「オートコントロールに切り替えるッスよ」
「そんな高級なものつけてないよ！」
「じゃあ、ラチェットは操縦しながら聞いていると良いッス」

クランクは構わずインフォボットを作動させた。

「ええ～、オイラも観たいのに」
「ちなみに、機体の食料収納スペースに入っていたッス」
『えー、こちら東きょ…地球！こちら地球です！』
「肌の白いおねえさんがリポートしているッス」
「いーよ別に教えてくれなくても」
『ただ今…その…』
「パイロットは操縦に集中するからさ」
『わっすすすみません！ちゃんとやります！』
「おねえさん、涙目ッス」
『ただ今、地球は謎の侵略者による猛攻激を受けています』
「だから、いいってば」
『私達日本人…失礼しました、地球人は、親衛隊を名乗る方々の助けをお借りして避難──』
「あ、おねえさんの後ろで、肌の白い人達がブラーグに連行されているッス！」
『おい、その背景はまずい、やっぱり映すな！カメラカメラ！』
『い、以上、中継を終わります』
「カメラがスライドしたッス、おねえさん、バズーカを突き付けられていたッス」
「だから～、いいって言っているだろ」
「もう終わりッスよ」
「要するに！その地球っていう星も、ビッグバッドボスに狙われているってことだよな？」
「その通りッス」
「うーん。ノバリスと地球、どっちから行こう…？クランクならどっちから行く？」
「ワタシなら、まずブラーグによる侵略がどの程度、どのように行われているのか探るッス」
「じゃあ、人を捕まえられている、その地球ってところから行ってみるか！」
「了解ッス」

ラチェットとクランクは、そのサークル棟の破壊だけでは済んでいない星へと宇宙船を飛ばした。