ベルディン軌道

レーザー発射の反動で、球形砲台内は絶えず振動し続けていた。

「ちょっと!あの子達に当たっちゃうでしょ!?」
「そう、当てようとしてるんだ!」

人質の乗り込んでいるもの含め、旗艦の全砲台がラチェットの操縦するジェットファイターに狙いを定めている。

「撃墜できたらいち早く新惑星での任務に当たれるからな」
「させるかっての!」
「おいっ!?」

せめてここからの攻撃だけでも阻止してやろうと操縦レバーを掴み逆方向へ倒す。が、一般のブラーグ兵も負けじとレバーを奪い返す。

「離しやがれー!」
「離すのはそっちー!」

「あの砲台だけ様子がおかしいッス」

ラチェットとクランクの現在の目標は、宇宙空間をマグネブーツで進む際に行く手を阻む砲台を全て破壊すること。その内の一つだけ、こちらを狙わずにぐるぐるとあらぬ方向へ激しく回転している。今同士を討った。

「ああ、アレだな。もう聞かなくてもわかる」

降り注ぐレーザーの雨を華麗にすり抜けながら、ラチェットは楽しそうに口角を上げた。

「暴れすぎだろ、おねーさん」
4/6ページ