アース
「あー…どうしても勝てない」
ある休日、ある大学の、あるサークル棟の、ある一部屋。彼女はあるテレビゲームのボス戦にかれこれ4時間程費やしている。
「らんちゃー何だかえいとがあれば倒せるかな…でも金足りないし」
今日は無理!と諦めた彼女は、サークルとは無関係なそのゲーム機を棚に片付け、部屋を後にした。
私の家にも本体があればな…でもお金足りないし…なんて考えながらサークル棟を出たところまでは良かった。出たところまでは、至って普通の、ゲームが好きな大学生であった。
あ、ミサイル。でかいなー。
ヘリコプター程の大きなミサイルが、轟音と共に彼女の頭上を通り抜けた。まるでスローモーションのように、やけにゆっくりすれ違っていった。
ビデオミサイルの、大きいバージョンみたいな…ビデオミサイルねえ。ボス戦は撃っている余裕なんて無いよな…威力は強いけれど…。
ここまで呑気に考えたところで事の一大事に気づき、ゲーム脳から正気へ切り替え、振り返る。
大きな爆発音。先程まで自分が中にいた建物が崩れ落ちる。大きな音。強い爆風。
訳がわからない。
「…こ、壊れた?」
落ち着け自分。逃げ惑う学生。叫び回る前に、現状を把握しなければ。
ミサイルが飛んできて、サークル棟が崩れた。
「壊れたんじゃ、なくて……壊、されたんだ」
自分がもと向いていた方向に振り返る。どこかで見たことがあるような戦闘機や、ヘリコプターや、銃を携える宇宙人がわんさか来ている。どこかで聞いたことがある銃音や、ジェット音。あと、逃げ惑う学生の声。
「…ハハ…こんなのって、アリ?」
先程まで画面の中で避け続けていたミサイルが空から降り注ぐ。
とりあえず、逃げなきゃ。
ある休日、ある大学の、あるサークル棟の、ある一部屋。彼女はあるテレビゲームのボス戦にかれこれ4時間程費やしている。
「らんちゃー何だかえいとがあれば倒せるかな…でも金足りないし」
今日は無理!と諦めた彼女は、サークルとは無関係なそのゲーム機を棚に片付け、部屋を後にした。
私の家にも本体があればな…でもお金足りないし…なんて考えながらサークル棟を出たところまでは良かった。出たところまでは、至って普通の、ゲームが好きな大学生であった。
あ、ミサイル。でかいなー。
ヘリコプター程の大きなミサイルが、轟音と共に彼女の頭上を通り抜けた。まるでスローモーションのように、やけにゆっくりすれ違っていった。
ビデオミサイルの、大きいバージョンみたいな…ビデオミサイルねえ。ボス戦は撃っている余裕なんて無いよな…威力は強いけれど…。
ここまで呑気に考えたところで事の一大事に気づき、ゲーム脳から正気へ切り替え、振り返る。
大きな爆発音。先程まで自分が中にいた建物が崩れ落ちる。大きな音。強い爆風。
訳がわからない。
「…こ、壊れた?」
落ち着け自分。逃げ惑う学生。叫び回る前に、現状を把握しなければ。
ミサイルが飛んできて、サークル棟が崩れた。
「壊れたんじゃ、なくて……壊、されたんだ」
自分がもと向いていた方向に振り返る。どこかで見たことがあるような戦闘機や、ヘリコプターや、銃を携える宇宙人がわんさか来ている。どこかで聞いたことがある銃音や、ジェット音。あと、逃げ惑う学生の声。
「…ハハ…こんなのって、アリ?」
先程まで画面の中で避け続けていたミサイルが空から降り注ぐ。
とりあえず、逃げなきゃ。
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