番外編12:都合の良い女達
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「フン、聞き分けの無い子達。タイガーシャーク!ディー・スマッシュ!」
悪党の手により鮫男が召還され、そのタイミングを見計らったかのように、隣の男湯からもヴィランを実体化させる叫び声が聞こえた。
威勢良く啖呵を切ったものの、ジェシカは内心困り果てていた。
夢主を守らなければならないが、ワスプをD・スマッシュするためのチャージは済んでいない。唯一の出入り口は塞がれている。仲間は他のヴィランの相手をしていて、恐らく自分等を助けに来る余裕は無い。
「考えるのよ…!何か方法があ」
「キャー!!」
その時。ジェシカでも夢主でも、勿論ペッパーでもない者の悲鳴が上がり、タイガーシャークに向かって木の桶が飛んできた。
「ギョ?何だこれは」
彼はそれを顔の前で容易くキャッチした。投げたのは、偶然この場に居合わせていた女性客だ。
「ギョギョギョ。こんな木の盾でこのタイガーシャーク様と戦うとでも…」
「変態ー!」
「覗き!覗きよー!!」
「ギョッ!」
桶だけでなく備え付けのシャンプーボトルや椅子、終いにはタオルが次々と彼に襲いかかる。
「いたっ痛いギョ、止めるギョ!!このタイガーシャーク様を水辺でコケにするとは、良い度胸ギョ!」
「良い度胸はあんたの方でしょ!」
「いやー!出てってー!」
一般人からの攻撃は止むところを知らず、どんどん勢いを増していく。
「ぐっ、小癪な!……ギョ!?き、貴様等!タダで済むと……も、もうちょい手加減……はっ早くディー・セキュアギョ!」
雑貨に埋もれる手下の無様な姿を見て、女湯で実体化するヴィランはダイヤモンドバックにしておいた方が良かったとロゼッタは後悔した。が、彼女の場合、反省よりも苛つきの感情の方が大きい。
「チッ、使えないわね!ディー・セ」
「まさか貴女、こいつの覗きに協力してたの!?」
「え?」
武器を手に立ち上がっていた女性客は、次なる標的をロゼッタ・ライリーに定めた。
「酷いじゃない!」
「女将に言いつけましょう!」
「あと警察も!」
「貴女を訴えてやるわ!」
怒り狂う女達に怖じ気付いた悪党は踵を返し、何も盗らずにあっさり退散していった。
「も~!あんたがちゃんと制圧しないから!」
「だってあいつ等、ヒーローよりも怖ろしいギョー!それより早くディー・セキュアを~!」
「待ちなさーい!」
「誰かそいつ捕まえてーっ!」
襲撃に失敗した悪者を追いかけ、女性客の大半が風呂場から出て行ってしまった。
「……」
「……」
見事ピンチを乗り切ったジェシカと夢主。彼女達は湯船の中で突っ立ったまま、しばし動くことができなかった。
悪党の手により鮫男が召還され、そのタイミングを見計らったかのように、隣の男湯からもヴィランを実体化させる叫び声が聞こえた。
威勢良く啖呵を切ったものの、ジェシカは内心困り果てていた。
夢主を守らなければならないが、ワスプをD・スマッシュするためのチャージは済んでいない。唯一の出入り口は塞がれている。仲間は他のヴィランの相手をしていて、恐らく自分等を助けに来る余裕は無い。
「考えるのよ…!何か方法があ」
「キャー!!」
その時。ジェシカでも夢主でも、勿論ペッパーでもない者の悲鳴が上がり、タイガーシャークに向かって木の桶が飛んできた。
「ギョ?何だこれは」
彼はそれを顔の前で容易くキャッチした。投げたのは、偶然この場に居合わせていた女性客だ。
「ギョギョギョ。こんな木の盾でこのタイガーシャーク様と戦うとでも…」
「変態ー!」
「覗き!覗きよー!!」
「ギョッ!」
桶だけでなく備え付けのシャンプーボトルや椅子、終いにはタオルが次々と彼に襲いかかる。
「いたっ痛いギョ、止めるギョ!!このタイガーシャーク様を水辺でコケにするとは、良い度胸ギョ!」
「良い度胸はあんたの方でしょ!」
「いやー!出てってー!」
一般人からの攻撃は止むところを知らず、どんどん勢いを増していく。
「ぐっ、小癪な!……ギョ!?き、貴様等!タダで済むと……も、もうちょい手加減……はっ早くディー・セキュアギョ!」
雑貨に埋もれる手下の無様な姿を見て、女湯で実体化するヴィランはダイヤモンドバックにしておいた方が良かったとロゼッタは後悔した。が、彼女の場合、反省よりも苛つきの感情の方が大きい。
「チッ、使えないわね!ディー・セ」
「まさか貴女、こいつの覗きに協力してたの!?」
「え?」
武器を手に立ち上がっていた女性客は、次なる標的をロゼッタ・ライリーに定めた。
「酷いじゃない!」
「女将に言いつけましょう!」
「あと警察も!」
「貴女を訴えてやるわ!」
怒り狂う女達に怖じ気付いた悪党は踵を返し、何も盗らずにあっさり退散していった。
「も~!あんたがちゃんと制圧しないから!」
「だってあいつ等、ヒーローよりも怖ろしいギョー!それより早くディー・セキュアを~!」
「待ちなさーい!」
「誰かそいつ捕まえてーっ!」
襲撃に失敗した悪者を追いかけ、女性客の大半が風呂場から出て行ってしまった。
「……」
「……」
見事ピンチを乗り切ったジェシカと夢主。彼女達は湯船の中で突っ立ったまま、しばし動くことができなかった。