客全員が温泉を楽しんでいる間、人気の無い廊下の影では黒い服を着た５人の大人が集まっていた。

「どうしてあいつ等が居んのよ…！？」

ベネチアンマスクで顔を隠している女性はその小声にありったけの怒りを込める。

「何のためのディスク特定装置よ！？」
「今朝はアベンジャーズのディスクはいつも通りの動きしかしていなかった！こんなことまで予測できるか！？」
「大方、奴等の温泉行きは急に決まったことなんだろう。俺達もそうだしな」

水色のマスクをした男はやや感情的に言い返すが、炎とドクロをモチーフにしたマスクの男がそれを制するように発言する。

「もう！せっかくの休暇が…！」
「フフ、これはむしろチャンスなのでは？」
「そうだぜ！奴等の隙をつけば、ヒーローのディスクを奪えるかも」

悔しがるロゼッタとは対照的に、全面マスクの男と金色マスクに羽が付いた男はどこか楽しそうだ。

「それとあの実験体も、だ」

汚名返上のチャンスと知り冷静さを取り戻したティムは早速指揮をとる。

「よし、まずはガキ共の荷物を探るぞ。ロゼッタ、くれぐれも周りの客に怪しまれないようにな」