番外編11:都合の悪い発見
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ある日、どこか浮かれた様子のジェシカは女子用の寝室で掃除機をかけていた。
「フンフ~ンフフ~ン」
「何だかご機嫌ね?」
肩に乗っているワスプも嬉しそうにして尋ねる。
「だって、女の子が仲間に入ったのよ?一緒にショッピング行ったり、オシャレしたり、たまにはアキラ達の愚痴話も良いわね~。私としては、是非夢主からロールシャッハの愚痴を聞いてみたいわ!」
「面白いと思うけど、夢主が彼への不満なんて話すかしら?」
「そこなのよね~…」
バイオコードを体内に宿す子供の内、女子は今までジェシカ・シャノン一人だけだった。
彼女はそういったことを気にする素振りは一切見せてこなかったが、同性の仲間が居ると居ないとでは心の持ちようが違うのだろう。
自分のスペースの掃除機がけを終えたジェシカは、まだまだ喋り続けながら夢主のベッドの方へ歩み寄る。
「あ!あと、部屋の掃除が交代でできるのも嬉しいわね。女子の部屋は私一人で全部掃除してたから、これからは助かるわ」
「ウフフ、確かにね」
「別に男子共に手伝わせても良いんだけど、そうしたらこっちも男子の部屋を掃除してあげなきゃでしょ?」
アキラとエドはともかく、さすがに年頃の異性の部屋へずかずか入り込み掃除する訳にはいかないとジェシカは考えていた。
「こんな風に、ベッドの下に手を出されたら困るはあっち。そっとしといてあげ、あら?」
突如ジェシカの口と手が止まり、掃除機の抑揚のない音だけが部屋に響く。
「どうしたの?」
「ワスプ……大変よ!エロ本の手応えアリ!」
「ええ!?」
ワスプの目が見開く一方、ジェシカの目は見開き輝いた。
「まだそうと決まった訳じゃないでしょ?夢主に限って…て言うか、そっとしとくんじゃなかったの?」
「これは不可抗力。事故よ、事故」
得意げに言い訳するパートナーにワスプは両腕を組んでため息を吐いた。
「……本当にエロ本だったら、中身を見ずに戻すのよ?」
「分かってるって。って、そもそも女の子が見るエロ本って…?」
掃除機の先に引っかけるようにして夢主のベッド下を掻き出すと、掃除で使うような大きめのスプレーが現れた。
「何これ」
「本じゃないじゃない」
掃除機のスイッチを切り掘り出し物を手に取ると、その商品が売りにしている“消臭・殺菌”の文字が目に入ってきた。
埃を被っていないことから、ごく最近ここに置かれたか、もしくは頻繁に使われていると考えられる。
「あ、夢主」
「ジェ…!」
部屋に入ろうとした夢主が一時停止する。
「おかえり。掃除機かけといたわよ」
「う、ありがとう…」
彼女は何故か申し訳無さそうな顔をした後、ぎこちなく笑ってみせた。まるで隠していたエロ本が見つかってしまった時のような反応だ。
「…その……ね…?」
「ねえ夢主、何でベッドの下なんかに」
「お願いっジェシカちゃん!」
ルームメイトは強く目を瞑り顔の前で両手を合わせた。
「みんなには、いや、ロールシャッハさんには黙ってて!」
それを聞いたジェシカは表情一つ変えずに問題のアイテムを自分の体の後ろにサッと隠した。
「え?……」
青ざめた夢主がゆっくり振り返ると、彼女のすぐ後ろでは背の低いヒーローが黙ってジェシカの方へ顔を向けていた。
「……」
「ロ、…」
「……」
「これは、その」
「不都合があればディー・セキュアしろと言った筈だ」
それだけ言い残し、彼は部屋の前から消えた。
「ロールシャッハさぁ~ん…」
続いて、夢主も情けない声を出しながら女子部屋の前から居なくなった。
「えーっと……これ、私のせい?」
「フンフ~ンフフ~ン」
「何だかご機嫌ね?」
肩に乗っているワスプも嬉しそうにして尋ねる。
「だって、女の子が仲間に入ったのよ?一緒にショッピング行ったり、オシャレしたり、たまにはアキラ達の愚痴話も良いわね~。私としては、是非夢主からロールシャッハの愚痴を聞いてみたいわ!」
「面白いと思うけど、夢主が彼への不満なんて話すかしら?」
「そこなのよね~…」
バイオコードを体内に宿す子供の内、女子は今までジェシカ・シャノン一人だけだった。
彼女はそういったことを気にする素振りは一切見せてこなかったが、同性の仲間が居ると居ないとでは心の持ちようが違うのだろう。
自分のスペースの掃除機がけを終えたジェシカは、まだまだ喋り続けながら夢主のベッドの方へ歩み寄る。
「あ!あと、部屋の掃除が交代でできるのも嬉しいわね。女子の部屋は私一人で全部掃除してたから、これからは助かるわ」
「ウフフ、確かにね」
「別に男子共に手伝わせても良いんだけど、そうしたらこっちも男子の部屋を掃除してあげなきゃでしょ?」
アキラとエドはともかく、さすがに年頃の異性の部屋へずかずか入り込み掃除する訳にはいかないとジェシカは考えていた。
「こんな風に、ベッドの下に手を出されたら困るはあっち。そっとしといてあげ、あら?」
突如ジェシカの口と手が止まり、掃除機の抑揚のない音だけが部屋に響く。
「どうしたの?」
「ワスプ……大変よ!エロ本の手応えアリ!」
「ええ!?」
ワスプの目が見開く一方、ジェシカの目は見開き輝いた。
「まだそうと決まった訳じゃないでしょ?夢主に限って…て言うか、そっとしとくんじゃなかったの?」
「これは不可抗力。事故よ、事故」
得意げに言い訳するパートナーにワスプは両腕を組んでため息を吐いた。
「……本当にエロ本だったら、中身を見ずに戻すのよ?」
「分かってるって。って、そもそも女の子が見るエロ本って…?」
掃除機の先に引っかけるようにして夢主のベッド下を掻き出すと、掃除で使うような大きめのスプレーが現れた。
「何これ」
「本じゃないじゃない」
掃除機のスイッチを切り掘り出し物を手に取ると、その商品が売りにしている“消臭・殺菌”の文字が目に入ってきた。
埃を被っていないことから、ごく最近ここに置かれたか、もしくは頻繁に使われていると考えられる。
「あ、夢主」
「ジェ…!」
部屋に入ろうとした夢主が一時停止する。
「おかえり。掃除機かけといたわよ」
「う、ありがとう…」
彼女は何故か申し訳無さそうな顔をした後、ぎこちなく笑ってみせた。まるで隠していたエロ本が見つかってしまった時のような反応だ。
「…その……ね…?」
「ねえ夢主、何でベッドの下なんかに」
「お願いっジェシカちゃん!」
ルームメイトは強く目を瞑り顔の前で両手を合わせた。
「みんなには、いや、ロールシャッハさんには黙ってて!」
それを聞いたジェシカは表情一つ変えずに問題のアイテムを自分の体の後ろにサッと隠した。
「え?……」
青ざめた夢主がゆっくり振り返ると、彼女のすぐ後ろでは背の低いヒーローが黙ってジェシカの方へ顔を向けていた。
「……」
「ロ、…」
「……」
「これは、その」
「不都合があればディー・セキュアしろと言った筈だ」
それだけ言い残し、彼は部屋の前から消えた。
「ロールシャッハさぁ~ん…」
続いて、夢主も情けない声を出しながら女子部屋の前から居なくなった。
「えーっと……これ、私のせい?」