第二部:都合の良い男
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2人の男にボディーガードの様に囲まれながら、真っ暗な部屋に足を踏み入れる。
「フフフ、見よ!」
最後に入ってドアを閉めた男が電気を点けると、すぐ目の前にはいくつかのモニターやレバー付きの大きな箱型の機械が現れた。
「うお、すっげー」
「何だこれは…!」
「う…嘘でしょ?」
管制室か何かかと思ったが、その奥、部屋の中央には、死刑執行の道具でお馴染みの電気椅子が備え付けられている。椅子からは無数のコードが延びており、正に“科学実験”の主役と言えるだろう。
目の前のことは全て嘘だと思いたい。
「それ俺のセリフ。おい、マジでマンガみたいな実験やんのかよ?」
「いつの間にこんな設備を…」
金髪パーマも船の持ち主も、実験室のことは今ここで初めて知らされたようだ。
「マンガではない、科学だ。さっさとあそこに拘束しろ」
「やっ嫌!…ひぃっ」
最後の反射的な抵抗も適わず、力任せに座らされ両手首と両足首を鉄の筒のようなもので椅子に固定されてしまう。
白衣を着た象鼻マスクの男が装置を慣れた手つきで稼働させていく。
「そう怖がることはない」
「何これ!私、これからどうなるの!?」
「ある偉大な実験のサンプルになるのさ。成功すれば、君は世界を手にする程の力を得ることになるだろう」
「力…?」
単に拷問される訳ではなさそうだ。実際、キャプテン・アメリカ始め実験や手術で特殊能力を得たヒーローは多数存在する。彼等と同じになるということだろうか?
「スーパーヒーローの様な能力ってこと…?」
「その可能性は低い。仮に、体毛や長い爪が生えることは無いし、死ぬことも無い……恐らく。ちなみに、偉大なる科学者である私のことはスマートブレインと呼ぶように」
そう名乗った男は一本の注射器を持って、座らされた夢主に近付いてくる。
「い、嫌!何!?」
細長い針を見た途端に、悪党にさらわれたという現実味が増す。暴れてももう遅い。
「まあ、後々説明するさ。この薬についてもな」
「お願いです…家に帰してください…どうしたら帰してもらえますか?…お願いします…本当にお願いします…」
「逆に聞くが、ここまで来た君を今あっさり帰すと思うか?」
男はニヤつきながら注射を夢主の腕に素早く打ち、定位置にさっさと戻っていく。
謎の薬を注入された部分がひんやりする。
「うわ……もう、やだ…」
絶望する中、レバーが降ろされる大きな音がした。と、同時に、夢主の体に強い電流が走る。
「うあっ!?……あぁっ…!!」
体全体がチクチクし、神経を支配されているかのように変に力が入る。首までもが麻痺し、喉の詰まる感覚から呼吸が出来ない。椅子はビクともしない。
「俺、こんなの映画でしか見たことねぇよ…」
「お前はな。俺は職業柄よく」
「先程から貴様等はお喋りが過ぎるぞ」
また2人のお喋りを制しながら、象鼻の男がレバーを元の位置に戻した。
ようやく息が出来る。
「な、な、なに……何?何なの…」
「ふむ。もう少し電圧を上げるかな」
「…いや、嫌、嫌!やめて…!」
また喉の詰まる時間が続く。
こんな光景を前にしていたため誰も気付くことは無かったが、悪の組織が手に入れたばかりの青い玩具はずっと小刻みに震えていた。
「フフフ、見よ!」
最後に入ってドアを閉めた男が電気を点けると、すぐ目の前にはいくつかのモニターやレバー付きの大きな箱型の機械が現れた。
「うお、すっげー」
「何だこれは…!」
「う…嘘でしょ?」
管制室か何かかと思ったが、その奥、部屋の中央には、死刑執行の道具でお馴染みの電気椅子が備え付けられている。椅子からは無数のコードが延びており、正に“科学実験”の主役と言えるだろう。
目の前のことは全て嘘だと思いたい。
「それ俺のセリフ。おい、マジでマンガみたいな実験やんのかよ?」
「いつの間にこんな設備を…」
金髪パーマも船の持ち主も、実験室のことは今ここで初めて知らされたようだ。
「マンガではない、科学だ。さっさとあそこに拘束しろ」
「やっ嫌!…ひぃっ」
最後の反射的な抵抗も適わず、力任せに座らされ両手首と両足首を鉄の筒のようなもので椅子に固定されてしまう。
白衣を着た象鼻マスクの男が装置を慣れた手つきで稼働させていく。
「そう怖がることはない」
「何これ!私、これからどうなるの!?」
「ある偉大な実験のサンプルになるのさ。成功すれば、君は世界を手にする程の力を得ることになるだろう」
「力…?」
単に拷問される訳ではなさそうだ。実際、キャプテン・アメリカ始め実験や手術で特殊能力を得たヒーローは多数存在する。彼等と同じになるということだろうか?
「スーパーヒーローの様な能力ってこと…?」
「その可能性は低い。仮に、体毛や長い爪が生えることは無いし、死ぬことも無い……恐らく。ちなみに、偉大なる科学者である私のことはスマートブレインと呼ぶように」
そう名乗った男は一本の注射器を持って、座らされた夢主に近付いてくる。
「い、嫌!何!?」
細長い針を見た途端に、悪党にさらわれたという現実味が増す。暴れてももう遅い。
「まあ、後々説明するさ。この薬についてもな」
「お願いです…家に帰してください…どうしたら帰してもらえますか?…お願いします…本当にお願いします…」
「逆に聞くが、ここまで来た君を今あっさり帰すと思うか?」
男はニヤつきながら注射を夢主の腕に素早く打ち、定位置にさっさと戻っていく。
謎の薬を注入された部分がひんやりする。
「うわ……もう、やだ…」
絶望する中、レバーが降ろされる大きな音がした。と、同時に、夢主の体に強い電流が走る。
「うあっ!?……あぁっ…!!」
体全体がチクチクし、神経を支配されているかのように変に力が入る。首までもが麻痺し、喉の詰まる感覚から呼吸が出来ない。椅子はビクともしない。
「俺、こんなの映画でしか見たことねぇよ…」
「お前はな。俺は職業柄よく」
「先程から貴様等はお喋りが過ぎるぞ」
また2人のお喋りを制しながら、象鼻の男がレバーを元の位置に戻した。
ようやく息が出来る。
「な、な、なに……何?何なの…」
「ふむ。もう少し電圧を上げるかな」
「…いや、嫌、嫌!やめて…!」
また喉の詰まる時間が続く。
こんな光景を前にしていたため誰も気付くことは無かったが、悪の組織が手に入れたばかりの青い玩具はずっと小刻みに震えていた。