番外編10:都合の悪い実業家
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あの時は完全に油断していた。
ロールシャッハが地味に強いヒーローだということは承知していたが、まさか素手同士で全く適わない相手とは思わなかった。
「…チッ」
絶対に妥協しないことで有名な奴のことだから、必ずガキを取り返しに来るに違いない。
ついでに悪党である俺達に制裁を下すつもりだろう。いや、ついでと言うよりむしろこっちが目的か?オーソドックスなヒーロー様が躊躇するような非道も、あいつならやりかねない。
奴の心の内はともあれ、お仲間が少ないロールシャッハは正面切って派手に登場する柄じゃない、ドブネズミのようにこっそり侵入してくるだろう。
「良いか、次はしくじるなよ」
「フン、お互いにな」
今回は愛刀を肌身離さず、バロン・ジモを常にディー・スマッシュさせた状態にし護衛させている。今の俺に死角は無い。
問題は俺以外だ。
デッキに足を踏み入れると、この間の失態の第一人者、我らがスマートブレイン様が海風に当たりに実験室から出てきてブラツいていた。することが無ければ散歩ついでに船の見回りをしろ。
「見回り?そんなことヴィランに任せておけば良い」
そのお前のヴィランは今、船尾で釣りに夢中だがな。
「基地に着くまでは、自分のヴィランを常に護衛につかせておく話じゃなかったのか?」
その上でヴィランに船中の監視をさせる。よって、俺達もヴィランと共にそれぞれ船内を徘徊する必要がある。
…筈だったが、この場で実体化しているヴィランはバロン・ジモ含め2人だけ。せっかく対策を編み出したにも関わらず、こんなことではガキの二度目の脱走が目に見えている。
「おいジュウベエ、俺のアボミネーションが見えねえのかよ?何が起きても、こいつ1人で十分だぜ!」
ビーチチェアやパラソルの下でくつろぐ4人の側では緑色の大男が棒立ちしていて、パートナーの手にあるジュースをじっと見つめている。
「何だお前、ビビってんのか?確かにロールシャッハにしてやられたけどよぉ、ありゃあ不意を突かれただけだぜ」
「フフ。そうです、焦る必要はありませんよ」
ディスクを仕事場に忘れてきたお前はもう少し焦れ。
「仮にロールシャッハが忍び込みあの娘を連れ出したところで、肝心の脱出方法が限られています」
「アーチーと言ったか?大した推進力も無い飛行機等、モードック1人で簡単に引き留められる」
「海の上にだって逃げ場は無いわ。今度こそこいつにしっかり働いてもらうわよ」
ここの紅一点はタイガーシャークを封じているディスクを手に不敵に笑う。
「……ガキを見てくる」
メンバーはもっともらしい持論を並べているが、ヴィラン含めどいつもこいつも気を抜き過ぎだ。
バロン・ジモを引き連れ、閉じ込めている実験体の様子を見に行く。
あのガキはロールシャッハに随分と入れ込んでいるらしい。やけに奴の肩を持つし、脱走失敗以来自信を得たのかすっかりやかましくなりやがった。いつ何をしでかすか分からない。
ガキにしろロールシャッハにしろ、用心に越した事は無いんだ。
ロールシャッハが地味に強いヒーローだということは承知していたが、まさか素手同士で全く適わない相手とは思わなかった。
「…チッ」
絶対に妥協しないことで有名な奴のことだから、必ずガキを取り返しに来るに違いない。
ついでに悪党である俺達に制裁を下すつもりだろう。いや、ついでと言うよりむしろこっちが目的か?オーソドックスなヒーロー様が躊躇するような非道も、あいつならやりかねない。
奴の心の内はともあれ、お仲間が少ないロールシャッハは正面切って派手に登場する柄じゃない、ドブネズミのようにこっそり侵入してくるだろう。
「良いか、次はしくじるなよ」
「フン、お互いにな」
今回は愛刀を肌身離さず、バロン・ジモを常にディー・スマッシュさせた状態にし護衛させている。今の俺に死角は無い。
問題は俺以外だ。
デッキに足を踏み入れると、この間の失態の第一人者、我らがスマートブレイン様が海風に当たりに実験室から出てきてブラツいていた。することが無ければ散歩ついでに船の見回りをしろ。
「見回り?そんなことヴィランに任せておけば良い」
そのお前のヴィランは今、船尾で釣りに夢中だがな。
「基地に着くまでは、自分のヴィランを常に護衛につかせておく話じゃなかったのか?」
その上でヴィランに船中の監視をさせる。よって、俺達もヴィランと共にそれぞれ船内を徘徊する必要がある。
…筈だったが、この場で実体化しているヴィランはバロン・ジモ含め2人だけ。せっかく対策を編み出したにも関わらず、こんなことではガキの二度目の脱走が目に見えている。
「おいジュウベエ、俺のアボミネーションが見えねえのかよ?何が起きても、こいつ1人で十分だぜ!」
ビーチチェアやパラソルの下でくつろぐ4人の側では緑色の大男が棒立ちしていて、パートナーの手にあるジュースをじっと見つめている。
「何だお前、ビビってんのか?確かにロールシャッハにしてやられたけどよぉ、ありゃあ不意を突かれただけだぜ」
「フフ。そうです、焦る必要はありませんよ」
ディスクを仕事場に忘れてきたお前はもう少し焦れ。
「仮にロールシャッハが忍び込みあの娘を連れ出したところで、肝心の脱出方法が限られています」
「アーチーと言ったか?大した推進力も無い飛行機等、モードック1人で簡単に引き留められる」
「海の上にだって逃げ場は無いわ。今度こそこいつにしっかり働いてもらうわよ」
ここの紅一点はタイガーシャークを封じているディスクを手に不敵に笑う。
「……ガキを見てくる」
メンバーはもっともらしい持論を並べているが、ヴィラン含めどいつもこいつも気を抜き過ぎだ。
バロン・ジモを引き連れ、閉じ込めている実験体の様子を見に行く。
あのガキはロールシャッハに随分と入れ込んでいるらしい。やけに奴の肩を持つし、脱走失敗以来自信を得たのかすっかりやかましくなりやがった。いつ何をしでかすか分からない。
ガキにしろロールシャッハにしろ、用心に越した事は無いんだ。