番外編9:都合の悪い俺ちゃん
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市街地まで出たクリスと夢主はビルとビルの隙間の路地に入り、ひとまずゴミ収集庫の影に身を隠した。
クリスは顔を覗かせ表通りの様子をうかがう。デッドプールらしき人物は見当たらず、2人に気付かない一般人は次々と通り過ぎていく。どうやら上手く撒けたようだ。
ふと夢主を見やると、彼女は壁にもたれかかりズルズルと腰を下ろした。目を閉じ肩を上下させている。
「おい、大丈夫か?」
「な、何とか…!」
2人は学校の中庭を飛び出してから数分間、休まず全力疾走してきていた。クリスはこのくらいの運動はへっちゃらだが、夢主の息が整うまで一旦ここで休憩することにした。
「ロールシャッハは?今日はディスクに居ねぇのかよ?」
「うん…昨日、チャージしたばっかりだから。多分、学校で私のこと、探してる…」
「なら早く連絡しろよ」
「それが……私のディスク、ロールシャッハさんと通信できないみたいで…」
仮面集団に捕まっていた頃にディスクと夢主の体をいじられたせいか、クリス達が当たり前に使いこなせる通信機能がロールシャッハのディスクには備わっていない。
「チッ…とにかく、あいつに見つからない内にアキラ達と合流するぞ」
クリスは自分の持っていた端末を手早く操作し耳に当て、仲間が電話に出るのを待つ。
「でも、キャップさんのディスクは?早く取り返さなきゃ」
「俺達だけじゃ、デッドプールからディスクを取り返すなんてできねぇだろ」
ヒーローがお供についていない子供なんて、プロの傭兵からしたら赤子も同然だ。
「あいつの目的はお前だから、このままキャップを持ち逃げされることは無いだろうし。それに、今は安全を確保することが先だ。だからお前は自分の心配だけしてろ」
「……」
「キャップを取り返すのは、それからだ」
「う、うん…」
そう断言する彼は、世のヒーローやヴィランと比べれば随分非力なただの子供。それでも、今の夢主にとって隣に居てくれるクリスは非常に頼もしい存在だ。
いつぞやか、ロールシャッハに守られながら悪党の船からの脱走を試みていた、あの時の感覚にどこか似ていた。
クリスは顔を覗かせ表通りの様子をうかがう。デッドプールらしき人物は見当たらず、2人に気付かない一般人は次々と通り過ぎていく。どうやら上手く撒けたようだ。
ふと夢主を見やると、彼女は壁にもたれかかりズルズルと腰を下ろした。目を閉じ肩を上下させている。
「おい、大丈夫か?」
「な、何とか…!」
2人は学校の中庭を飛び出してから数分間、休まず全力疾走してきていた。クリスはこのくらいの運動はへっちゃらだが、夢主の息が整うまで一旦ここで休憩することにした。
「ロールシャッハは?今日はディスクに居ねぇのかよ?」
「うん…昨日、チャージしたばっかりだから。多分、学校で私のこと、探してる…」
「なら早く連絡しろよ」
「それが……私のディスク、ロールシャッハさんと通信できないみたいで…」
仮面集団に捕まっていた頃にディスクと夢主の体をいじられたせいか、クリス達が当たり前に使いこなせる通信機能がロールシャッハのディスクには備わっていない。
「チッ…とにかく、あいつに見つからない内にアキラ達と合流するぞ」
クリスは自分の持っていた端末を手早く操作し耳に当て、仲間が電話に出るのを待つ。
「でも、キャップさんのディスクは?早く取り返さなきゃ」
「俺達だけじゃ、デッドプールからディスクを取り返すなんてできねぇだろ」
ヒーローがお供についていない子供なんて、プロの傭兵からしたら赤子も同然だ。
「あいつの目的はお前だから、このままキャップを持ち逃げされることは無いだろうし。それに、今は安全を確保することが先だ。だからお前は自分の心配だけしてろ」
「……」
「キャップを取り返すのは、それからだ」
「う、うん…」
そう断言する彼は、世のヒーローやヴィランと比べれば随分非力なただの子供。それでも、今の夢主にとって隣に居てくれるクリスは非常に頼もしい存在だ。
いつぞやか、ロールシャッハに守られながら悪党の船からの脱走を試みていた、あの時の感覚にどこか似ていた。