番外編7:都合の良い壁
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夢主はマイクを持つ両手に汗を握りながら、なんとかその数分を乗り越えた。
「へー、2人ともウメェじゃん!」
「うんうん!上手だったよっ」
エドの小刻みな拍手に合わせてヒカルも控えめに手を叩く。
「あ、ありがとう…」
まだ指先が少し冷たい。意識しておかないと手が勝手に震えだしそうだ。
「アニソンが十八番の誰かさんとは違いますからねー」
「俺のことかよ!?」
ジェシカがアキラをからかうその側で、次に登録されていた歌の前奏が流れ始めた。
「はいヒカル、マイク」
「ありがとう」
「って、無視すんな!」
一方、夢主はロールシャッハへチラチラ視線を送る。彼女がこんなにも緊張している原因、肝心の彼は、未だに無反応を通している。
「……」
煮え切らない夢主を見かねて、テーブルの上に立つワスプが切り出す。
「どうだった?ロールシャッハ。パートナーの歌声は」
「!」
そのパートナーの肩に再び力が入った。
「……」
「……」
彼はなかなか口を開かない。
「……」
「……」
一体何を言われるのか。何を言おうとしているのか。
また手に汗が戻ってくる。非常に居たたまれなくなり、夢主は目線を上げることができなくなった。
「…俺があれこれ文句を言う程ではない」
それだけ言い残し、ロールシャッハは自分の分の飲み物を持ち部屋を出て行ってしまった。
「ですって。良かったわね」
「は、はいっ、ありがとうございます!」
「全く、つくづく素直じゃない奴だなぁ~」
いつの間にかアイアンマンとキャプテン・アメリカもパートナーの肩から降り、夢主の飲み物が入ったグラスの周りに集まっていた。
「女性を褒める時は、もっとストレートにいかないと!」
「アイアンマン、そう急かすものではない。ロールシャッハと夢主…彼等には、彼等なりの歩み寄り方があるのだ」
「冗談をいちいち真面目に拾うなっての」
一連の会話が終わると、ヒカルは抑えめにしていた声量を元に戻して歌い続けた。
「へー、2人ともウメェじゃん!」
「うんうん!上手だったよっ」
エドの小刻みな拍手に合わせてヒカルも控えめに手を叩く。
「あ、ありがとう…」
まだ指先が少し冷たい。意識しておかないと手が勝手に震えだしそうだ。
「アニソンが十八番の誰かさんとは違いますからねー」
「俺のことかよ!?」
ジェシカがアキラをからかうその側で、次に登録されていた歌の前奏が流れ始めた。
「はいヒカル、マイク」
「ありがとう」
「って、無視すんな!」
一方、夢主はロールシャッハへチラチラ視線を送る。彼女がこんなにも緊張している原因、肝心の彼は、未だに無反応を通している。
「……」
煮え切らない夢主を見かねて、テーブルの上に立つワスプが切り出す。
「どうだった?ロールシャッハ。パートナーの歌声は」
「!」
そのパートナーの肩に再び力が入った。
「……」
「……」
彼はなかなか口を開かない。
「……」
「……」
一体何を言われるのか。何を言おうとしているのか。
また手に汗が戻ってくる。非常に居たたまれなくなり、夢主は目線を上げることができなくなった。
「…俺があれこれ文句を言う程ではない」
それだけ言い残し、ロールシャッハは自分の分の飲み物を持ち部屋を出て行ってしまった。
「ですって。良かったわね」
「は、はいっ、ありがとうございます!」
「全く、つくづく素直じゃない奴だなぁ~」
いつの間にかアイアンマンとキャプテン・アメリカもパートナーの肩から降り、夢主の飲み物が入ったグラスの周りに集まっていた。
「女性を褒める時は、もっとストレートにいかないと!」
「アイアンマン、そう急かすものではない。ロールシャッハと夢主…彼等には、彼等なりの歩み寄り方があるのだ」
「冗談をいちいち真面目に拾うなっての」
一連の会話が終わると、ヒカルは抑えめにしていた声量を元に戻して歌い続けた。