番外編6:都合の良い妹
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ノリコによって不自然に連れ出されてしまったので、夢主は元居た場所へ戻ろうとした。が、アキラ達にまだ声が届かない距離で引き留められた。
「あ、待って!お姉ちゃんは?」
「私が何?」
「何じゃないよ、トボケないで!誰が目当てなのっ?やっぱりあのイケメンくん?」
「は?」
もうとっくのとうに隠れることを止めた転入生達の方をチラチラ見ながら、ノリコは尋問を続ける。
「もしかしてアキラ?…まさかとは思うけど、あのメガネの子?とにかく、私も応援するから!」
「違うって、みんなとは別にそんなんじゃないから」
軽く否定されてしまい、彼女はまた頬を膨らます。
「えーっ、つまんないのー」
恋を煩っているのは自分だけなのかと、やや残念そうだ。
そこへ話題を遮断するかのように、小柄な中年男が姉妹の前に立ちはだかった。その妙な全面マスクとボロボロのトレンチコート、そして異臭に警戒したノリコは思わず足を止める。
「ロールシャッハさん!」
「え」
そして目を丸くし固まった。
「ああ、この子は妹のノリコです」
姉は姉で驚いた様子もなく他己紹介を始める。
「う、は、初めまして!……えっ…と」
「……」
「姉がいつも…お世話に、なっています…?」
何が何だか理解しきれていない内に、ノリコはとりあえずの挨拶を済ませた。
「フム」
了承のつもりなのか、目の前の変人は小さく頷いた。
よく見ると、マスクの黒い模様は少しずつ変化している。ますます意味不明な人物だ。むしろ彼は人間と考えて正解なのだろうか?
「帰るぞ」
「はいっ!」
混乱する妹を余所に、姉は満面の笑みを浮かべ元気に答えた。先程ヒカルにした返事のテンションとは随分と差がある。
「じゃあねノリコ」
「……」
見るからにご機嫌な夢主は当たり前のようにロールシャッハについて行ってしまった。ノリコは点にした目を元に戻して我に返り、力なく文句を呟く。
「ええ~…そりゃ無いよー…」
まさか自分の姉が、学生達に今話題の不審者と親交を深めていたとは思ってもみなかった。
「よりにもよってトレンチおじさんとか…」
「ノリコちゃん…」
これにはさすがのヒカルもノリコの複雑な心境を察した。
「あ、待って!お姉ちゃんは?」
「私が何?」
「何じゃないよ、トボケないで!誰が目当てなのっ?やっぱりあのイケメンくん?」
「は?」
もうとっくのとうに隠れることを止めた転入生達の方をチラチラ見ながら、ノリコは尋問を続ける。
「もしかしてアキラ?…まさかとは思うけど、あのメガネの子?とにかく、私も応援するから!」
「違うって、みんなとは別にそんなんじゃないから」
軽く否定されてしまい、彼女はまた頬を膨らます。
「えーっ、つまんないのー」
恋を煩っているのは自分だけなのかと、やや残念そうだ。
そこへ話題を遮断するかのように、小柄な中年男が姉妹の前に立ちはだかった。その妙な全面マスクとボロボロのトレンチコート、そして異臭に警戒したノリコは思わず足を止める。
「ロールシャッハさん!」
「え」
そして目を丸くし固まった。
「ああ、この子は妹のノリコです」
姉は姉で驚いた様子もなく他己紹介を始める。
「う、は、初めまして!……えっ…と」
「……」
「姉がいつも…お世話に、なっています…?」
何が何だか理解しきれていない内に、ノリコはとりあえずの挨拶を済ませた。
「フム」
了承のつもりなのか、目の前の変人は小さく頷いた。
よく見ると、マスクの黒い模様は少しずつ変化している。ますます意味不明な人物だ。むしろ彼は人間と考えて正解なのだろうか?
「帰るぞ」
「はいっ!」
混乱する妹を余所に、姉は満面の笑みを浮かべ元気に答えた。先程ヒカルにした返事のテンションとは随分と差がある。
「じゃあねノリコ」
「……」
見るからにご機嫌な夢主は当たり前のようにロールシャッハについて行ってしまった。ノリコは点にした目を元に戻して我に返り、力なく文句を呟く。
「ええ~…そりゃ無いよー…」
まさか自分の姉が、学生達に今話題の不審者と親交を深めていたとは思ってもみなかった。
「よりにもよってトレンチおじさんとか…」
「ノリコちゃん…」
これにはさすがのヒカルもノリコの複雑な心境を察した。