番外編2:都合の良い実験
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全員が距離をとって見守る中、今度はクリスから借りたディスクを手に振りかぶる。
「キャプテン・アメリカさん!ディー・スマッシュ!」
装置と床がぶつかる音だけが響いた。
「……」
「…反応無し、か」
先程のヴィラン同様、ロールシャッハと同じ属性のキャプテン・アメリカを夢主は召還出来なかった。
「夢主はキャップもディー・スマッシュできないのか」
「うーん…ごめんなさい」
「なぁに、気にすることはない」
床から拾い上げたディスクをふと見つめる。
誰もが知るあの国民的スーパーヒーローを自分の手でD・スマッシュすることができなかった。ほんの少し残念な気もするが、同時に安心もしていた。クリスとキャプテンの関係にヒビを入れずに済んだことも勿論だが、この実験には、ロールシャッハがアメリカに帰ってしまうか否かが懸かっていたのだ。
「貸してくれてありがとうね」
「お、おう」
青いディスクはクリスの手により定位置に戻された。
「クリス。ディー・スマッシュできなさそうな感じはするか?」
「いや、特に変わった感じはしねぇよ。チャージは済んでるし、普段通り、いつでもディー・スマッシュできるぜ」
そう答えた青年とパートナーのホログラムは、どこかほっとした様子で顔を見合わせた。
「影響も特に無しってことだな。んじゃ、他のディスクでもやってみるか」
望みは薄いが試してみる価値はある。
「…そうですね」
可能性は低いだろうが成功してしまうかもしれない。夢主の手に汗が戻ってきた。
手の平サイズの装置を床へ叩きつける実証実験はわずか数分の出来事であったが、夢主にとっては非常に長い時間に感じた。
「これで最後のディスクよ」
「アイアンマンさん!ディー・スマッシュ!……メッセージも無しです」
夢主は赤い装置を拾い、軽く払ってからアキラに返す。
「サンキュー!」
「協力感謝するわ、お疲れ様」
アキラの手首にトニー・スタークが戻ってきた。
「結局、夢主はどのヒーローのディスクもディー・スマッシュできなかったな」
「お役に立てず済みません…」
「なんでお前が謝るんだよ」
「クリスの言う通り。気にすることじゃないよ、夢主ちゃん。肩は大丈夫?」
「あんなにディスクを連続で投げたんだもの、僕だったらきっと外れちゃってたよ」
エドはその細い利き腕を押さえながら自分なりのフォローをする。
「そうそう、できなくってもいーんじゃない?」
「ジェシカもこう言ってるし、そうガッカリするな。データを取れたことには変わりないんだから。これも一つの発見、科学の進歩だ!」
「そーいうことじゃなくて、夢主はロールシャッハ限定のパートナーだってことが証明できたでしょ?」
「はっ!そうだ、ロールシャッハさん!!」
夢主は急いで彼のディスクをセットしホログラムを登場させた。まだ機嫌が悪いロールシャッハは、上着のポケットに両手を突っ込んだままパートナーにクシャクシャの左右対称模様を向ける。
「何の用だ」
「聞いて下さい!私、ロールシャッハさん以外の、どのディスクもディー・スマッシュできなかったんです!」
「!」
マスクの柄がサッと変わる。
「だからもう、尻軽女だなんて呼ばないで下さいね」
「……」
ロールシャッハは何も答えず、ゆっくりと目線を落とした。
「良かったじゃない?ロールシャッハ」
「貴方好みの、一途な子がパートナーで良かったわね?」
ジェシカとワスプはニヤニヤしながら彼自身の大人気なさを認めさせにかかった。
「……試そうとしたことは事実だ」
彼は姿を消し、装置はデジタル時計に自ら変化してしまった。
「そんなぁ~…」
「あらら」
夢主は体力とは全く関係ない理由で両膝を突いた。
「キャプテン・アメリカさん!ディー・スマッシュ!」
装置と床がぶつかる音だけが響いた。
「……」
「…反応無し、か」
先程のヴィラン同様、ロールシャッハと同じ属性のキャプテン・アメリカを夢主は召還出来なかった。
「夢主はキャップもディー・スマッシュできないのか」
「うーん…ごめんなさい」
「なぁに、気にすることはない」
床から拾い上げたディスクをふと見つめる。
誰もが知るあの国民的スーパーヒーローを自分の手でD・スマッシュすることができなかった。ほんの少し残念な気もするが、同時に安心もしていた。クリスとキャプテンの関係にヒビを入れずに済んだことも勿論だが、この実験には、ロールシャッハがアメリカに帰ってしまうか否かが懸かっていたのだ。
「貸してくれてありがとうね」
「お、おう」
青いディスクはクリスの手により定位置に戻された。
「クリス。ディー・スマッシュできなさそうな感じはするか?」
「いや、特に変わった感じはしねぇよ。チャージは済んでるし、普段通り、いつでもディー・スマッシュできるぜ」
そう答えた青年とパートナーのホログラムは、どこかほっとした様子で顔を見合わせた。
「影響も特に無しってことだな。んじゃ、他のディスクでもやってみるか」
望みは薄いが試してみる価値はある。
「…そうですね」
可能性は低いだろうが成功してしまうかもしれない。夢主の手に汗が戻ってきた。
手の平サイズの装置を床へ叩きつける実証実験はわずか数分の出来事であったが、夢主にとっては非常に長い時間に感じた。
「これで最後のディスクよ」
「アイアンマンさん!ディー・スマッシュ!……メッセージも無しです」
夢主は赤い装置を拾い、軽く払ってからアキラに返す。
「サンキュー!」
「協力感謝するわ、お疲れ様」
アキラの手首にトニー・スタークが戻ってきた。
「結局、夢主はどのヒーローのディスクもディー・スマッシュできなかったな」
「お役に立てず済みません…」
「なんでお前が謝るんだよ」
「クリスの言う通り。気にすることじゃないよ、夢主ちゃん。肩は大丈夫?」
「あんなにディスクを連続で投げたんだもの、僕だったらきっと外れちゃってたよ」
エドはその細い利き腕を押さえながら自分なりのフォローをする。
「そうそう、できなくってもいーんじゃない?」
「ジェシカもこう言ってるし、そうガッカリするな。データを取れたことには変わりないんだから。これも一つの発見、科学の進歩だ!」
「そーいうことじゃなくて、夢主はロールシャッハ限定のパートナーだってことが証明できたでしょ?」
「はっ!そうだ、ロールシャッハさん!!」
夢主は急いで彼のディスクをセットしホログラムを登場させた。まだ機嫌が悪いロールシャッハは、上着のポケットに両手を突っ込んだままパートナーにクシャクシャの左右対称模様を向ける。
「何の用だ」
「聞いて下さい!私、ロールシャッハさん以外の、どのディスクもディー・スマッシュできなかったんです!」
「!」
マスクの柄がサッと変わる。
「だからもう、尻軽女だなんて呼ばないで下さいね」
「……」
ロールシャッハは何も答えず、ゆっくりと目線を落とした。
「良かったじゃない?ロールシャッハ」
「貴方好みの、一途な子がパートナーで良かったわね?」
ジェシカとワスプはニヤニヤしながら彼自身の大人気なさを認めさせにかかった。
「……試そうとしたことは事実だ」
彼は姿を消し、装置はデジタル時計に自ら変化してしまった。
「そんなぁ~…」
「あらら」
夢主は体力とは全く関係ない理由で両膝を突いた。