第六部:都合の悪い女
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少し間をおいて夢主も表に出た。ロールシャッハは飛行機の前でたむろしている他のメンバーから少し離れた位置で、こちらに背を向けてつっ立っている。そんな彼に一生懸命話しかけている後ろ姿はナイトオウルだろうか。
「えーっと…!あそこが僕達が住んでいる家だよっ!とっても安全なんだ!」
「そ、そう!トニーの別荘なんだぜ!?スッゲーだろ?」
「うん、大きくて綺麗な家だね…」
まるで割れ物に初めて触れるような態度。どうやら先程の重苦しい会話は、外で待っていたメンバー全員に筒抜けだったらしい。一番小さな子にまで気を遣わせてしまった。
ただ、白いスーツの女性は夢主を優しく促す。
「色々整理したいことはあるでしょうけれど、まずは体を休めましょうか。飛行機での長旅も疲れたでしょう?」
「…はい、ありがとうございます」
「みんなも、とりあえず中に入りましょう」
ロールシャッハと夢主の仲はともかく、もう歩けるまでに回復した彼女の様子を見てアベンジャーズと子供達は安堵の表情を浮かべた。
「アキラ、ちゃんと手を洗うんだよ?」
「言われなくたってわかってるよ」
「…あの!」
先に歩き出していた全員が夢主の声に振り返る。
「こんなこと言うの…調子が良すぎるし、皆さんに悪いし、でも、でも……私を…」
一旦目を閉じて言い直す。
「私と…」
自分は弱い。さっきだって気丈に振る舞うこともできず、助けられて気が緩んだ途端あのザマだ。
そして厄介な存在でもある。ロールシャッハの推測が正しければ、今後も自分の身が危険に晒される生活が続くだろう。
それでも、ただ逃げているだけじゃ駄目だ。ただ守ってもらうつもりでも駄目だ。立ち向かう決心と共に彼等と目を合わせる。
「一緒に、戦ってください!」
夢主は二度目の深いお辞儀をした。
「……」
その改まった申し出に対し、ヒーローよりも先に子供達が笑顔で答えだす。
「へへっ…なーに言ってんだよ夢主、俺達はもう仲間だろ?」
「よろしくね、夢主ちゃん」
「女の子の仲間欲しかったのよ~。改めまして、私はジェシカ・シャノン!こっちはワスプよ!」
「味方が増えて、すっごく心強いよ!」
「…いーんじゃねぇの?」
内、1名は澄ましている程度だが。
「ありがとうございます!……あ…」
頭を勢い良く上げた夢主だが、実際に悪と戦うのはそれぞれの肩に乗っているアベンジャーズだ。彼等の了承無しに喜んでしまった。
「…言いたいこと、先に言われてしまったな」
しかし、正義のヒーローに対してそんな心配をする必要は無かった。キャプテン・アメリカ達も6人目の子供を暖かく迎え入れてくれた。
「勿論、歓迎するぞ。ようこそ夢主、これからよろしくな!」
「はい!」
フェイスカバーを外したトニー・スタークに夢主も力強く返事をした。彼の優しくも真っ直ぐな目を見ていると、不思議と肩の力が抜けていった。
「えーっと…!あそこが僕達が住んでいる家だよっ!とっても安全なんだ!」
「そ、そう!トニーの別荘なんだぜ!?スッゲーだろ?」
「うん、大きくて綺麗な家だね…」
まるで割れ物に初めて触れるような態度。どうやら先程の重苦しい会話は、外で待っていたメンバー全員に筒抜けだったらしい。一番小さな子にまで気を遣わせてしまった。
ただ、白いスーツの女性は夢主を優しく促す。
「色々整理したいことはあるでしょうけれど、まずは体を休めましょうか。飛行機での長旅も疲れたでしょう?」
「…はい、ありがとうございます」
「みんなも、とりあえず中に入りましょう」
ロールシャッハと夢主の仲はともかく、もう歩けるまでに回復した彼女の様子を見てアベンジャーズと子供達は安堵の表情を浮かべた。
「アキラ、ちゃんと手を洗うんだよ?」
「言われなくたってわかってるよ」
「…あの!」
先に歩き出していた全員が夢主の声に振り返る。
「こんなこと言うの…調子が良すぎるし、皆さんに悪いし、でも、でも……私を…」
一旦目を閉じて言い直す。
「私と…」
自分は弱い。さっきだって気丈に振る舞うこともできず、助けられて気が緩んだ途端あのザマだ。
そして厄介な存在でもある。ロールシャッハの推測が正しければ、今後も自分の身が危険に晒される生活が続くだろう。
それでも、ただ逃げているだけじゃ駄目だ。ただ守ってもらうつもりでも駄目だ。立ち向かう決心と共に彼等と目を合わせる。
「一緒に、戦ってください!」
夢主は二度目の深いお辞儀をした。
「……」
その改まった申し出に対し、ヒーローよりも先に子供達が笑顔で答えだす。
「へへっ…なーに言ってんだよ夢主、俺達はもう仲間だろ?」
「よろしくね、夢主ちゃん」
「女の子の仲間欲しかったのよ~。改めまして、私はジェシカ・シャノン!こっちはワスプよ!」
「味方が増えて、すっごく心強いよ!」
「…いーんじゃねぇの?」
内、1名は澄ましている程度だが。
「ありがとうございます!……あ…」
頭を勢い良く上げた夢主だが、実際に悪と戦うのはそれぞれの肩に乗っているアベンジャーズだ。彼等の了承無しに喜んでしまった。
「…言いたいこと、先に言われてしまったな」
しかし、正義のヒーローに対してそんな心配をする必要は無かった。キャプテン・アメリカ達も6人目の子供を暖かく迎え入れてくれた。
「勿論、歓迎するぞ。ようこそ夢主、これからよろしくな!」
「はい!」
フェイスカバーを外したトニー・スタークに夢主も力強く返事をした。彼の優しくも真っ直ぐな目を見ていると、不思議と肩の力が抜けていった。