第一部:都合の良い女
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時・所変わり、夢主の自室。
「登録法か……ヒーロー失踪してるし、ウォッチメンの漫画みたいなことになってきてる…」
テレビもインターネットも新聞も、この“スーパーヒーロー登録法”そしてそのきっかけとなった“ヴィラン集団脱獄事件”で持ち切りだ。
「うーん…」
時の流れからパンツまで、人間の考えつく限りの概念全てを超越する無敵ヒーローでも居てくれれば万事解決なのだが、生憎Dr.マンハッタンはパロディコミックにしか登場しない二次元キャラクターだ。彼なら、どんなに多くのヴィランに囲まれようと簡単に解決してしまうだろうが、
「ロールシャッハさんは…大丈夫かなぁ?」
彼は普段からメディアに露出したがらないタイプ故、ロールシャッハについて得られる情報は比較的少ない。安否も未だ不明。
それに反して、アベンジャーズが奮闘しているニュースはよく耳に入ってくる。彼ら5人は脱獄事件の現場に居ながら無事で済んだらしい。
結局手元に置き続けてしまっている青い玩具を見つめ、少し考える。
「……」
勉強等私生活にかまけてばかりで、入ってくる情報だけに耳を傾けてきた。関心を向けてこなかった。
それで、果たして良いのだろうか?
別に何もしなくても良いのだろうか?
日本から遠く離れた地域の事件だから?それとも、自分は名も無き一般人だから?
もし大好きなヒーローが同じ立場なら、もうとっくのとうに動き出しているだろう。
「……よし!」
何が出来るかわからないが、何か出来るかもしれない。
まずはヴィラン集団脱獄事件当日の詳細を知るべく、手元の端末で検索をかけた。そのイベントはすぐに見つかる。
「あった!これね、発表会…」
事件当日、多数のヒーローがヴィラン収容施設に召集されていたらしい。
「みんな、まとめて倒されちゃったの…?」
こんな表立ったパーティーに彼も参加していたのだろうか?検索を続け、同じ様な内容のニュースのページを見て渡る。
空しくも、ロールシャッハについて得られる情報は“行方不明”のみ。事件発生後の失踪者一覧、その最後の方にちょこんと彼の名がある程度。
一方で、邪神ロキについての情報が得られた。こちらは目撃情報もしっかりある。主犯と噂されている彼は偶然その場に現れたのか、発表会を狙って現れたのか、誰かとあらかじめ手を組んでいたのか。
「……」
もしかすると、発表会自体がヒーローを釣る罠だったのだろうか?その主催者はロキではなく、アイアンマンの中の人であるトニー・スターク。ヒーロー且つ天才物理学者。女たらし。今なお健在。
「……」
天才。イケメン。黒幕。ウォッチメンの黒幕、オジマンディアスを彷彿とさせた。
「決め付けは、良くないよね…」
何でもかんでも好きな漫画に当てはめるなんて浅はかすぎる。第一、コミック内のオジマンディアスは大惨事を引き起こしたが、彼には彼なりの、全人類の平和という目的があった。凶悪な地球外生命体の存在を信じ込ませることにより、世界を結束させたのだ。
だがそれはあくまでアメコミでの話だ、この件はきっと違う。世界が混乱しっぱなしだし。
トニー・スタークへ向けた疑心を取っ払い、気持ちをまっさらにして再度ネット記事に目を通す。
「登録法か……ヒーロー失踪してるし、ウォッチメンの漫画みたいなことになってきてる…」
テレビもインターネットも新聞も、この“スーパーヒーロー登録法”そしてそのきっかけとなった“ヴィラン集団脱獄事件”で持ち切りだ。
「うーん…」
時の流れからパンツまで、人間の考えつく限りの概念全てを超越する無敵ヒーローでも居てくれれば万事解決なのだが、生憎Dr.マンハッタンはパロディコミックにしか登場しない二次元キャラクターだ。彼なら、どんなに多くのヴィランに囲まれようと簡単に解決してしまうだろうが、
「ロールシャッハさんは…大丈夫かなぁ?」
彼は普段からメディアに露出したがらないタイプ故、ロールシャッハについて得られる情報は比較的少ない。安否も未だ不明。
それに反して、アベンジャーズが奮闘しているニュースはよく耳に入ってくる。彼ら5人は脱獄事件の現場に居ながら無事で済んだらしい。
結局手元に置き続けてしまっている青い玩具を見つめ、少し考える。
「……」
勉強等私生活にかまけてばかりで、入ってくる情報だけに耳を傾けてきた。関心を向けてこなかった。
それで、果たして良いのだろうか?
別に何もしなくても良いのだろうか?
日本から遠く離れた地域の事件だから?それとも、自分は名も無き一般人だから?
もし大好きなヒーローが同じ立場なら、もうとっくのとうに動き出しているだろう。
「……よし!」
何が出来るかわからないが、何か出来るかもしれない。
まずはヴィラン集団脱獄事件当日の詳細を知るべく、手元の端末で検索をかけた。そのイベントはすぐに見つかる。
「あった!これね、発表会…」
事件当日、多数のヒーローがヴィラン収容施設に召集されていたらしい。
「みんな、まとめて倒されちゃったの…?」
こんな表立ったパーティーに彼も参加していたのだろうか?検索を続け、同じ様な内容のニュースのページを見て渡る。
空しくも、ロールシャッハについて得られる情報は“行方不明”のみ。事件発生後の失踪者一覧、その最後の方にちょこんと彼の名がある程度。
一方で、邪神ロキについての情報が得られた。こちらは目撃情報もしっかりある。主犯と噂されている彼は偶然その場に現れたのか、発表会を狙って現れたのか、誰かとあらかじめ手を組んでいたのか。
「……」
もしかすると、発表会自体がヒーローを釣る罠だったのだろうか?その主催者はロキではなく、アイアンマンの中の人であるトニー・スターク。ヒーロー且つ天才物理学者。女たらし。今なお健在。
「……」
天才。イケメン。黒幕。ウォッチメンの黒幕、オジマンディアスを彷彿とさせた。
「決め付けは、良くないよね…」
何でもかんでも好きな漫画に当てはめるなんて浅はかすぎる。第一、コミック内のオジマンディアスは大惨事を引き起こしたが、彼には彼なりの、全人類の平和という目的があった。凶悪な地球外生命体の存在を信じ込ませることにより、世界を結束させたのだ。
だがそれはあくまでアメコミでの話だ、この件はきっと違う。世界が混乱しっぱなしだし。
トニー・スタークへ向けた疑心を取っ払い、気持ちをまっさらにして再度ネット記事に目を通す。