第六部:都合の悪い女
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
意識を取り戻した夢主はゆっくりと目を開けた。
「あ!気分はどう?」
見慣れない天井に一瞬焦ったが、気を失う直前に心配してくれていた高い声が聞こえ、お陰で我に返る。
「あ、う……えっと…」
まだボンヤリしている頭で自分の置かれている状況をおさらいした。
夢主は遂に悪党の手から解放され、ヒーロー、しかも世界に名の知れたアベンジャーズに保護された。そして、自分の体はアイアンマンの自家用ジェット機のシートで横になっている。飛行に伴う揺れは全く感じられず、今この乗り物が地に着いていることを背中で感じ取れた。
安置されているということは、どこか目的地に着いたようだ。
「ここは…?」
「丁度日本の、私達の家に着いたところよ」
側についてくれている女の子が優しく答える。
「そうですか。済みません、私…急に気が抜けちゃって…」
夢主は上体を起こしその場で立ち上がろうとしたが、覚醒しきれていない体は意外と重く、勝手によろめいてしまう。
「ああっ無理しちゃだめよ!」
「大丈夫です。それより…」
気絶する前に教えられた操作をもう一度試すが、やはりホログラムは出てこない。助けに来てくれた憧れのヒーローと、あれからまだ何も話せていない。
「やっぱり出てこないわね…どうしてかしら?」
ジェシカの肩に乗るワスプが不思議そうに呟く。
まだ船の上に居た時、ロールシャッハはディスクに封印されている間も外の様子が全て分かると言っていた。ならば、こうして夢主が自分を呼び出したがっていることもお見通しな筈。
その上で、現れない。現れることを何故か拒絶している。
ディスクの外に出たがらない理由が引っかかるが、今はともかく助けに来てくれた彼に面と向かって一言言いたい。
夢主は強行手段に出た。
「ロールシャッハさん!!ディー・スマッシュ!」
「……」
何時間か振りに外の空気を吸ったヒーローは、両手をポケットに入れ無言で夢主と向かい合った。見たところ、彼の傷はすっかり塞がっていて、コートに染み込んだ血は完全に固まっている。
「そーだ!ロールシャッハからまだお礼聞いてなかったわねぇ~?」
「ジェシカ!」
「冗談よ」
ワスプに軽く叱られ、ジェシカは素直に機内から退散した。
ジェット機の外、トニー・スタークの別荘前の開けた道では、丁度着陸体勢に入るアーチーを全員で迎えているところだった。
「あれ?夢主起きたんじゃなかったの?」
「まだそっとしとくべきなのよ」
「はぁ?」
てっきり女子2人で降りてくるものだと出口に駆け寄ってきたアキラは、ジェシカの言葉に子供っぽく首をかしげる。
「あ!気分はどう?」
見慣れない天井に一瞬焦ったが、気を失う直前に心配してくれていた高い声が聞こえ、お陰で我に返る。
「あ、う……えっと…」
まだボンヤリしている頭で自分の置かれている状況をおさらいした。
夢主は遂に悪党の手から解放され、ヒーロー、しかも世界に名の知れたアベンジャーズに保護された。そして、自分の体はアイアンマンの自家用ジェット機のシートで横になっている。飛行に伴う揺れは全く感じられず、今この乗り物が地に着いていることを背中で感じ取れた。
安置されているということは、どこか目的地に着いたようだ。
「ここは…?」
「丁度日本の、私達の家に着いたところよ」
側についてくれている女の子が優しく答える。
「そうですか。済みません、私…急に気が抜けちゃって…」
夢主は上体を起こしその場で立ち上がろうとしたが、覚醒しきれていない体は意外と重く、勝手によろめいてしまう。
「ああっ無理しちゃだめよ!」
「大丈夫です。それより…」
気絶する前に教えられた操作をもう一度試すが、やはりホログラムは出てこない。助けに来てくれた憧れのヒーローと、あれからまだ何も話せていない。
「やっぱり出てこないわね…どうしてかしら?」
ジェシカの肩に乗るワスプが不思議そうに呟く。
まだ船の上に居た時、ロールシャッハはディスクに封印されている間も外の様子が全て分かると言っていた。ならば、こうして夢主が自分を呼び出したがっていることもお見通しな筈。
その上で、現れない。現れることを何故か拒絶している。
ディスクの外に出たがらない理由が引っかかるが、今はともかく助けに来てくれた彼に面と向かって一言言いたい。
夢主は強行手段に出た。
「ロールシャッハさん!!ディー・スマッシュ!」
「……」
何時間か振りに外の空気を吸ったヒーローは、両手をポケットに入れ無言で夢主と向かい合った。見たところ、彼の傷はすっかり塞がっていて、コートに染み込んだ血は完全に固まっている。
「そーだ!ロールシャッハからまだお礼聞いてなかったわねぇ~?」
「ジェシカ!」
「冗談よ」
ワスプに軽く叱られ、ジェシカは素直に機内から退散した。
ジェット機の外、トニー・スタークの別荘前の開けた道では、丁度着陸体勢に入るアーチーを全員で迎えているところだった。
「あれ?夢主起きたんじゃなかったの?」
「まだそっとしとくべきなのよ」
「はぁ?」
てっきり女子2人で降りてくるものだと出口に駆け寄ってきたアキラは、ジェシカの言葉に子供っぽく首をかしげる。