第六部:都合の悪い女
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「みんな注目っ、お姫様と勇者様のご帰還だ!」
スタークジェットの機内へ入ると、座席に座った5人の子供と1人の女性がアイアンマン達の方へ振り向いた。
「君が、ロールシャッハのディスクを…?」
その中の日本人らしき青年が穏やかな声で尋ねてくる。
「はい。助けに来てくださって、ありがとうございます。本当に…本当に、助かりました」
そう言い終えてから夢主は深く頭を下げた。
「へへっ、どういたしまして。お安いご用だぜ!」
明るく元気な返事に顔を上げる。今のは赤い服を着た男の子が言ったようだ。
「アキラはほんっと調子良いんだから。私達はディー・スマッシュしに来ただけでしょ?」
「え?ディー・スマッシュしに…?」
夢主の言葉を聞いた5人の子供は、それぞれ腕に装着したディスクを少しだけ自慢げに見せた。
「わ!?」
それと同時に、夢主の真横に立っていたアイアンマンが虹色の光と共に赤色のディスクに吸い込まれ、妖精サイズのホログラムに切り変わる。
「おっと、時間だったな」
「ソーもお疲れさま」
次いでマイティ・ソーも青年の持つ装置に封印された。よく見ると、先程救出に来てくれていたアベンジャーズが半透明の小さな姿で勢揃いしている。
「僕達は君と同じように、ヒーローをディー・スマッシュできるんだ」
「ちょーっと不便な時間制限付きだけどね~」
「そう!だから夢主、君はディスクを扱える6人目の子供って訳だ。本来なら子供達を危険な目に遭わせたくないんだが、ジェシカの言う通り…ああ、ジェシカってのはこの子のことだ」
アイアンマンの紹介を受け、ジェシカという女の子はにこやかに手を振ってくる。
「この5人が我々アベンジャーズを実体化できる時間は限られている。よって、現地でこの子供達にディー・スマッシュしてもらう必要があってなぁ」
「おいトニー、さっきから子供子供言うなよ!」
「アキラは年齢的には勿論、精神的にもまだまだ子供だろ?本当のことを言ったまでだ」
アキラと呼ばれる男の子は小さなアイアンマンを腕に乗せたまま、ちょっとした言い合いを始めた。
「私も賛成~」
「自覚無かったのかよ…」
ジェシカは面白がって、色黒の青年は呆れたように、アイアンマンと一緒になってアキラをからかう。他のメンバーもどこか楽しそうにしている。
「む~…あっ!夢主も笑うなよ!」
「ご、ごめんなさい。その…楽しそうだなって思って」
この輪には初めて入った筈なのに、和やかな雰囲気に思わず夢主の表情が柔らぐ。
「って言うより、良い人達なんだな…って」
「あったり前だろ?俺達は、正義の味方アベンジャーズのパートナーだからな!」
「パートナー…」
「そうだ、夢主ちゃん…で、良いかな?ロールシャッハの様子はどう?」
言われて思い出した、尊敬するヒーロー様は青い装置に入ったままである。
「ここのボタンを押せば、こんな風にホログラムで呼び出せるよ」
大きな眼鏡を掛けた男の子を真似して、夢主は自分のディスクを触る。
「……あれ?」
だが、同じように操作しても反応は無し。
「えーと…」
何度やってもホログラムは現れない。
「ココだよ、ココ……あ?」
つっ立っている夢主から一番近い座席の青年が問題のディスクを指さそうと体ごと振り向き、何かに目を留めた。
「どうしたクリス?」
「こいつのディスク、俺のと違うぞ…」
「そりゃあ、キャプテン・アメリカはこの世に一人しか居ないからな」
鼻から息を出しながらアイアンマンは当然の如く答えた。
「違ぇよ、ディスクに黒いラインが入ってんだ」
「黒い……何だって?」
その発言に、全員が夢主の元へ集まる。
「本当だ…こんなの、初めて見たよ」
最年少の男の子は眼鏡の位置を直しながら、興味深そうにロールシャッハのディスクを覗き込む。
「奴等、俺のディスクをどれだけいじったんだ?」
「日本に帰って落ち着いたら、調べてみる必要があるわね」
「……」
「…?」
ジェシカがいち早く夢主の異変に気付いた。
「ちょっと!?」
急に膝をつき、目の前に立つエドにもたれ掛かった。
「う、うわあぁあっ?」
「おい!大丈夫か!?」
脱力した人間の体を支えきれないエドをクリスが手助けする。
「一体どうしたんだ!?」
アイアンマンの大声にも6人目の子供は反応しない。
「気絶しちゃってるみたい…」
「無理も無いわ。奴等に監禁され、酷い目に遭わされていたんでしょう。向こうに着くまで寝かせておくわね」
スタークジェットの機内へ入ると、座席に座った5人の子供と1人の女性がアイアンマン達の方へ振り向いた。
「君が、ロールシャッハのディスクを…?」
その中の日本人らしき青年が穏やかな声で尋ねてくる。
「はい。助けに来てくださって、ありがとうございます。本当に…本当に、助かりました」
そう言い終えてから夢主は深く頭を下げた。
「へへっ、どういたしまして。お安いご用だぜ!」
明るく元気な返事に顔を上げる。今のは赤い服を着た男の子が言ったようだ。
「アキラはほんっと調子良いんだから。私達はディー・スマッシュしに来ただけでしょ?」
「え?ディー・スマッシュしに…?」
夢主の言葉を聞いた5人の子供は、それぞれ腕に装着したディスクを少しだけ自慢げに見せた。
「わ!?」
それと同時に、夢主の真横に立っていたアイアンマンが虹色の光と共に赤色のディスクに吸い込まれ、妖精サイズのホログラムに切り変わる。
「おっと、時間だったな」
「ソーもお疲れさま」
次いでマイティ・ソーも青年の持つ装置に封印された。よく見ると、先程救出に来てくれていたアベンジャーズが半透明の小さな姿で勢揃いしている。
「僕達は君と同じように、ヒーローをディー・スマッシュできるんだ」
「ちょーっと不便な時間制限付きだけどね~」
「そう!だから夢主、君はディスクを扱える6人目の子供って訳だ。本来なら子供達を危険な目に遭わせたくないんだが、ジェシカの言う通り…ああ、ジェシカってのはこの子のことだ」
アイアンマンの紹介を受け、ジェシカという女の子はにこやかに手を振ってくる。
「この5人が我々アベンジャーズを実体化できる時間は限られている。よって、現地でこの子供達にディー・スマッシュしてもらう必要があってなぁ」
「おいトニー、さっきから子供子供言うなよ!」
「アキラは年齢的には勿論、精神的にもまだまだ子供だろ?本当のことを言ったまでだ」
アキラと呼ばれる男の子は小さなアイアンマンを腕に乗せたまま、ちょっとした言い合いを始めた。
「私も賛成~」
「自覚無かったのかよ…」
ジェシカは面白がって、色黒の青年は呆れたように、アイアンマンと一緒になってアキラをからかう。他のメンバーもどこか楽しそうにしている。
「む~…あっ!夢主も笑うなよ!」
「ご、ごめんなさい。その…楽しそうだなって思って」
この輪には初めて入った筈なのに、和やかな雰囲気に思わず夢主の表情が柔らぐ。
「って言うより、良い人達なんだな…って」
「あったり前だろ?俺達は、正義の味方アベンジャーズのパートナーだからな!」
「パートナー…」
「そうだ、夢主ちゃん…で、良いかな?ロールシャッハの様子はどう?」
言われて思い出した、尊敬するヒーロー様は青い装置に入ったままである。
「ここのボタンを押せば、こんな風にホログラムで呼び出せるよ」
大きな眼鏡を掛けた男の子を真似して、夢主は自分のディスクを触る。
「……あれ?」
だが、同じように操作しても反応は無し。
「えーと…」
何度やってもホログラムは現れない。
「ココだよ、ココ……あ?」
つっ立っている夢主から一番近い座席の青年が問題のディスクを指さそうと体ごと振り向き、何かに目を留めた。
「どうしたクリス?」
「こいつのディスク、俺のと違うぞ…」
「そりゃあ、キャプテン・アメリカはこの世に一人しか居ないからな」
鼻から息を出しながらアイアンマンは当然の如く答えた。
「違ぇよ、ディスクに黒いラインが入ってんだ」
「黒い……何だって?」
その発言に、全員が夢主の元へ集まる。
「本当だ…こんなの、初めて見たよ」
最年少の男の子は眼鏡の位置を直しながら、興味深そうにロールシャッハのディスクを覗き込む。
「奴等、俺のディスクをどれだけいじったんだ?」
「日本に帰って落ち着いたら、調べてみる必要があるわね」
「……」
「…?」
ジェシカがいち早く夢主の異変に気付いた。
「ちょっと!?」
急に膝をつき、目の前に立つエドにもたれ掛かった。
「う、うわあぁあっ?」
「おい!大丈夫か!?」
脱力した人間の体を支えきれないエドをクリスが手助けする。
「一体どうしたんだ!?」
アイアンマンの大声にも6人目の子供は反応しない。
「気絶しちゃってるみたい…」
「無理も無いわ。奴等に監禁され、酷い目に遭わされていたんでしょう。向こうに着くまで寝かせておくわね」