番外編??+6:都合の良い彼女 作成途中
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3人の目線の先には現地の人々で賑わう商店街。道路にまではみ出して並べられた商品達は、その扱いから安値であることが夢主にもそれとなく伝わってくる。
「人多いですね…」
身の安全が保証されている人間にとっては、今日は待ちに待った楽しい休日なのだろう。街の中心地は建物こそ先程借りた古家のように色褪せているが、寂しい雰囲気は微塵も感じられない。
「盗ってこい」
「!?」
「適当に選んでこのシールド内まで走って戻れ。転送装置を使って別の地域へ移動する。この人混みなら店員も……何だ」
クリスと夢主はジュウベエの案に猛反対した。多少困っているからといって、犯罪に手を染めて他人を困らせて良い訳がない。ヒーローのパートナーでいた2人は特に抵抗を覚えた。
「そこまで言うのなら、手を出せ」
「は?」
「はぁ…」
何をされるのかと警戒し身を引いたクリスの横で夢主は素直に従った。男性は少女の手に十分過ぎる額の紙幣を握らせる。
「ありがとうございます。お買い物…」
「早めにここを出る。追われている身ということを忘れるな」
恐らく何百歩と譲ってもらったことにより、子供達は普通のショッピングをしに服の森を縫って入る。
「どうしよう、試着した方が良いかな?」
「悠長過ぎるだろ。あいつの言ってた通り、俺達はグズグズしてられねえんだ」
同年代から叱られてしまい俯くが、夢主は夢主で言っておきたいことがある。
「用心深すぎないかな?私は、そろそろアベンジャーズ基地に戻っても良いんじゃないかなって思ってる。最初に逃げてきてからは一回も見つかっていないし、もう…」
「それはあいつの持っている装置のお陰なだけだろ。信用はしてねえけど」
最後に添えられた言葉を聞くと、残念そうな表情を隠しもせずに話題を変える。
「やっぱり、怪しいと思ってる?ジュウベエさんのこと」
「当たり前だろ。あいつはロキの手下だったんだ。アベンジャーズと俺達のこと散々邪魔してきて、今は自分が狙われて困るからA.I.M.に刃向かってるようなもんだし」
今は互いに利害が一致しているだけで、その状態がいつまで続くのか。クリスは気を張り続けている。
「でも、さっきのは賛成」
「え?」
「やっぱり俺は、アベンジャーズと一緒に居た方が安全だと思う。夢主が寝ている間に説得しようとしたけど、あいつはアベンジャーズ基地に戻ろうとも、キャップ達に連絡しようともしない」
「うーん、何か事情があるんじゃ…」
この場に居ない犯罪者に気を遣う夢主の態度が、クリスの口をつい滑らせる。
「てか、お前はあいつ等に誘拐されて、酷いことされてたんだろ。さっきだって……」
寝込み中に近付き、何をするつもりだったのか。本人を前にして全てを声に出すことは流石に気が引けた。
「されたよ。本音言うとね、あの人達の中でジュウベエさんが一番怖かった。手をちょっと斬られたこともあったし。でもあの人は…」
夕食を共にした次の日、この件の黒幕について無償で教えてくれた。何か裏があっての行動だとしても、一時的だとしても、救われたことは確かだ。
「裏口から脱出するぞ」
「え?」
「このままあいつの言いなりだと、いつか裏切られるのがオチだ」
「そ、そんなこと、まだ…」
「おおー、ジュウベエじゃねぇか!」
子供同士の言い争いは一旦中断される。店の奥まで届いてきた男の声には、2人とも聞き覚えがあった。
「人多いですね…」
身の安全が保証されている人間にとっては、今日は待ちに待った楽しい休日なのだろう。街の中心地は建物こそ先程借りた古家のように色褪せているが、寂しい雰囲気は微塵も感じられない。
「盗ってこい」
「!?」
「適当に選んでこのシールド内まで走って戻れ。転送装置を使って別の地域へ移動する。この人混みなら店員も……何だ」
クリスと夢主はジュウベエの案に猛反対した。多少困っているからといって、犯罪に手を染めて他人を困らせて良い訳がない。ヒーローのパートナーでいた2人は特に抵抗を覚えた。
「そこまで言うのなら、手を出せ」
「は?」
「はぁ…」
何をされるのかと警戒し身を引いたクリスの横で夢主は素直に従った。男性は少女の手に十分過ぎる額の紙幣を握らせる。
「ありがとうございます。お買い物…」
「早めにここを出る。追われている身ということを忘れるな」
恐らく何百歩と譲ってもらったことにより、子供達は普通のショッピングをしに服の森を縫って入る。
「どうしよう、試着した方が良いかな?」
「悠長過ぎるだろ。あいつの言ってた通り、俺達はグズグズしてられねえんだ」
同年代から叱られてしまい俯くが、夢主は夢主で言っておきたいことがある。
「用心深すぎないかな?私は、そろそろアベンジャーズ基地に戻っても良いんじゃないかなって思ってる。最初に逃げてきてからは一回も見つかっていないし、もう…」
「それはあいつの持っている装置のお陰なだけだろ。信用はしてねえけど」
最後に添えられた言葉を聞くと、残念そうな表情を隠しもせずに話題を変える。
「やっぱり、怪しいと思ってる?ジュウベエさんのこと」
「当たり前だろ。あいつはロキの手下だったんだ。アベンジャーズと俺達のこと散々邪魔してきて、今は自分が狙われて困るからA.I.M.に刃向かってるようなもんだし」
今は互いに利害が一致しているだけで、その状態がいつまで続くのか。クリスは気を張り続けている。
「でも、さっきのは賛成」
「え?」
「やっぱり俺は、アベンジャーズと一緒に居た方が安全だと思う。夢主が寝ている間に説得しようとしたけど、あいつはアベンジャーズ基地に戻ろうとも、キャップ達に連絡しようともしない」
「うーん、何か事情があるんじゃ…」
この場に居ない犯罪者に気を遣う夢主の態度が、クリスの口をつい滑らせる。
「てか、お前はあいつ等に誘拐されて、酷いことされてたんだろ。さっきだって……」
寝込み中に近付き、何をするつもりだったのか。本人を前にして全てを声に出すことは流石に気が引けた。
「されたよ。本音言うとね、あの人達の中でジュウベエさんが一番怖かった。手をちょっと斬られたこともあったし。でもあの人は…」
夕食を共にした次の日、この件の黒幕について無償で教えてくれた。何か裏があっての行動だとしても、一時的だとしても、救われたことは確かだ。
「裏口から脱出するぞ」
「え?」
「このままあいつの言いなりだと、いつか裏切られるのがオチだ」
「そ、そんなこと、まだ…」
「おおー、ジュウベエじゃねぇか!」
子供同士の言い争いは一旦中断される。店の奥まで届いてきた男の声には、2人とも聞き覚えがあった。