番外編??+6:都合の良い彼女 作成途中
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「活発な議論が繰り広げられているところ失礼。あのさぁ、一番大事なこと忘れてない?」
重苦しい空気が立ち込めるリビングを換気すべく登場してきたかのような一声。この人物だけ、まだ呑まれていなかった。
「ここに、一応日本の平和を任されてるヒーロー代表が居るってこと」
ノバは出入口近くの壁に寄りかかったまま、組んでいた両腕を頭の後ろ手組み直した。
「しかも、アンタが連れて行こうとしている女の子は俺の保護対象なんだ。俺の言いたいこと分かる?」
「……」
夢主は若いヒーローの発言に賛同するでも反対するでもなく、視線を斜め下に落とした。
「皆もちょっと心配しすぎなんじゃないの~?今まで通り、ヒーローがヴィランを返り討ちにしていれば済む話じゃん。ここには強い味方、つまり俺のことだけど、ノバが居る。アイアンマンやS.H.I.E.L.D.も気に掛けてくれている。なのになんでわざわざお出掛け?」
「……」
ジュウベエはのびのびと発言するサム・アレキサンダーと以前悩みを打ち明けていた少女を少々観察した後、攻撃を始める。
「自分の存在意義が無くなるのがそんなに嫌か」
「……はい?」
「貴様のようなガキは、誰よりも自分のことが大好きだからな。哀れな一般市民を護っている、力と自信に満ち溢れた自分のことが。保護対象というネタが居なくなると退屈だろう」
「はあ?見当違いなレッテル貼らないでくれるかなぁ、おっさん」
ノバは食い気味に言葉を被せてきた。腰に両手を当て、頭を大袈裟にかしげて見せる。
「たしかに強いパワーや誰にも負けないスピードを使いこなせるのは爽快だけど、護られ役に居てほしいなんて一度も思ったこと無いから」
「護られ役……そうか、だから……」
彼が余裕で言い切った一方で、彼女は今の話題とは全く別のことで合点がいき、小さく呟いた。
「何?」
「ずっと不思議というか、訳が分からなかったの。学校で人気者のサムくんがどうして、その、私のこと…」
「えっ、何急に。今その話?」
色恋沙汰の話題をあらぬタイミングで差し込まれギョッとしたが、男の子の口元は結局緩む。
「どうしてって、そりゃあ~…」
「サムくんは、自分で自分を守れない女の子なら、誰でも良かったんだ」
夢主の言葉をまず理解するために、誰もが何も言えない時間が挟まる。勿論、言われた当人も固まっていた。
「それがたまたま私だったってだけで」
「……何、を」
唇に加えて喉も渇く。今度は見当違いだと軽く跳ね返すことが出来なかった。
「だからサムくんの私に対する気持ちって、気のせい。なんじゃないかって」
「……何、勝手に」
俯きかけていた頭を上げ、キッと睨み付けた。
「勝手に決めつけんなよ!俺の気持ちくらい俺が決める!!」
気迫と声量に夢主の肩は少しだけ震えたが、足が後ずさることはない。
「俺前言ったじゃん!だんだん目が離せなくなってきたって!」
「だから、その理由がそうなんじゃないかって言ってるの」
「…!」
いつも発言力のある男子が、今はうまく言い返せず口を大きく開けたりきつく結んだりを繰り返しながら相手を睨み付けるだけに終わる。
「ど、どうしちゃったのよ2人とも」
「なんでっ…なんでそう、いっつも卑屈なんだよ!?もしかして俺から逃げたいだけ?そうか!?そうなんだろ!?」
『おい、落ち着けサム。夢主もだ。今はそんなちっぽけなことを話してる場合じゃないだろ』
トニー・スタークからの心ない制止も気に留めず青年は吠え続ける。
「俺が鬱陶しいならそっちこそハッキリ言えよ!黙ってないで!」
「今は私じゃなくてサムくんの話をしているんだけど」
「……っ知らねぇ!もう勝手にしろ!護る護られるとか、もうそういうの無し!行きたきゃ行っちゃえよ!!」
最後に一際大きく叫んだサムは飛び上がり、猛スピードでリビングから出て行ってしまった。
重苦しい空気が立ち込めるリビングを換気すべく登場してきたかのような一声。この人物だけ、まだ呑まれていなかった。
「ここに、一応日本の平和を任されてるヒーロー代表が居るってこと」
ノバは出入口近くの壁に寄りかかったまま、組んでいた両腕を頭の後ろ手組み直した。
「しかも、アンタが連れて行こうとしている女の子は俺の保護対象なんだ。俺の言いたいこと分かる?」
「……」
夢主は若いヒーローの発言に賛同するでも反対するでもなく、視線を斜め下に落とした。
「皆もちょっと心配しすぎなんじゃないの~?今まで通り、ヒーローがヴィランを返り討ちにしていれば済む話じゃん。ここには強い味方、つまり俺のことだけど、ノバが居る。アイアンマンやS.H.I.E.L.D.も気に掛けてくれている。なのになんでわざわざお出掛け?」
「……」
ジュウベエはのびのびと発言するサム・アレキサンダーと以前悩みを打ち明けていた少女を少々観察した後、攻撃を始める。
「自分の存在意義が無くなるのがそんなに嫌か」
「……はい?」
「貴様のようなガキは、誰よりも自分のことが大好きだからな。哀れな一般市民を護っている、力と自信に満ち溢れた自分のことが。保護対象というネタが居なくなると退屈だろう」
「はあ?見当違いなレッテル貼らないでくれるかなぁ、おっさん」
ノバは食い気味に言葉を被せてきた。腰に両手を当て、頭を大袈裟にかしげて見せる。
「たしかに強いパワーや誰にも負けないスピードを使いこなせるのは爽快だけど、護られ役に居てほしいなんて一度も思ったこと無いから」
「護られ役……そうか、だから……」
彼が余裕で言い切った一方で、彼女は今の話題とは全く別のことで合点がいき、小さく呟いた。
「何?」
「ずっと不思議というか、訳が分からなかったの。学校で人気者のサムくんがどうして、その、私のこと…」
「えっ、何急に。今その話?」
色恋沙汰の話題をあらぬタイミングで差し込まれギョッとしたが、男の子の口元は結局緩む。
「どうしてって、そりゃあ~…」
「サムくんは、自分で自分を守れない女の子なら、誰でも良かったんだ」
夢主の言葉をまず理解するために、誰もが何も言えない時間が挟まる。勿論、言われた当人も固まっていた。
「それがたまたま私だったってだけで」
「……何、を」
唇に加えて喉も渇く。今度は見当違いだと軽く跳ね返すことが出来なかった。
「だからサムくんの私に対する気持ちって、気のせい。なんじゃないかって」
「……何、勝手に」
俯きかけていた頭を上げ、キッと睨み付けた。
「勝手に決めつけんなよ!俺の気持ちくらい俺が決める!!」
気迫と声量に夢主の肩は少しだけ震えたが、足が後ずさることはない。
「俺前言ったじゃん!だんだん目が離せなくなってきたって!」
「だから、その理由がそうなんじゃないかって言ってるの」
「…!」
いつも発言力のある男子が、今はうまく言い返せず口を大きく開けたりきつく結んだりを繰り返しながら相手を睨み付けるだけに終わる。
「ど、どうしちゃったのよ2人とも」
「なんでっ…なんでそう、いっつも卑屈なんだよ!?もしかして俺から逃げたいだけ?そうか!?そうなんだろ!?」
『おい、落ち着けサム。夢主もだ。今はそんなちっぽけなことを話してる場合じゃないだろ』
トニー・スタークからの心ない制止も気に留めず青年は吠え続ける。
「俺が鬱陶しいならそっちこそハッキリ言えよ!黙ってないで!」
「今は私じゃなくてサムくんの話をしているんだけど」
「……っ知らねぇ!もう勝手にしろ!護る護られるとか、もうそういうの無し!行きたきゃ行っちゃえよ!!」
最後に一際大きく叫んだサムは飛び上がり、猛スピードでリビングから出て行ってしまった。