番外編??+6:都合の良い彼女 作成途中
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彼が言うには、A.I.M.のとある支部は力の源となる戦闘意欲や強靱な精神力について研究を進めており、その研究材料となり得る人間を度々集めているとのこと。
『奴等……身体機能や特殊能力の研究開発だけに飽き足らず、そんなことにまで手を出していたのか』
「ええとつまり、人の気持ちを強くする研究?なんだかスッゲー……あれ?なんでA.I.M.はそんなことしてるの?」
考えていることを全て言葉にするアキラのお陰で、彼以外のメンバーは肩の力が抜けてしまった。周囲の反応に対しても首をかしげる弟へ、ヒカルは苦笑いしつつ噛み砕いた言い方で補足してやる。
「どんな状況でも敵に立ち向かっていく軍を作りたいんじゃないかな?いくら強い体に改造しても、本人が怖がったり油断したりしていたら必ず隙が生まれる」
「おお、そっか!やっぱスゲー!」
『格好良く言えばそうだが、奴等のやることだ、研究が完了する頃にはアンデッドみたいな軍団が仕上がっているかもしれないぞ』
皆に本日何度目かの緊張が走った。その側で、ジュウベエは一旦目を伏せてから説明を続ける。
「強靱な精神力…一部の人間にはその素質が生まれながらにして備わっていて、バイオコードを体に宿した瞬間、素質の有無が特定されると同時に該当者の精神力が増長される。奴等はそう仮定しているようだ」
『そこでバイオコードが出てくるのか。勝手なこと考えるなぁA.I.M.も。部外者なりの考察として、一応参考にさせてもらうが』
そう言い終わった直後ふと思い出した。かつてアカツキ博士の辿り着いた定理が、トニー・スタークの表情を一変させる。
『ちょっと待て……』
この話、全人類の内5分の1に相当する人間が関係しているのでは。
『バイオコード、精神力…ってことは、まさか』
「ファイト属性のディスクを扱える人間。研究の検体として第一に狙われているのは、この条件に当てはまる者だ」
「ファイト属性……」
アキラは恐る恐る口にした。まず1人目の方へ顔を向ければ青い瞳と目が合う。
「クリスは、今もバイオコードを持っているから狙われてるの?」
「夢主も実際狙われてるわよね。ファイト属性のロールシャッハのディスクをディー・スマッシュしていたから?」
「じゃあ、どうしてファイト属性じゃない僕達まで狙われてたんだろう?」
『仲間を人質にでもすれば、本命のクリスや夢主も手に入るとでも考えたんだろう。もしくは、そもそもバイオコード自体を狙った可能性も…』
「そこで、お前と、お前」
ジュウベエは液晶画面の向こう側を無視し、子供達の中でも一層身構えている2人を指差した。
「今日から俺と行動を共にしろ」
「はぁ!?」
「私も…!?」
『何勝手なこと言ってるんだ!?しかもまだ俺が話している途中だ!』
「期間は、アベンジャーズ始めヒーロー達が例の支部を壊滅させるまで」
『おいっ!』
アベンジャーズのリーダーは今度こそポーカーフェイスを保てなくなった。彼の別荘内ではエドの大きな目が心配そうに仲間を見上げる。
「クリスと夢主、ここから出て行っちゃうってこと?A.I.M.のことが解決するまで、帰ってこないの?」
「安全面を考えればこれが最適な方法だ」
「そんなの、信じられる訳ないでしょ!?」
「もう条件を忘れたか?」
この別行動案には全く納得がいかない。それはアイアンマンも同じだ。
『……そもそもの動機をまだ聞いていなかった。お前が俺達アベンジャーズに協力するメリットは?』
「あの支部が潰れれば、俺は今まで通りの稼業に戻ることが出来る。奴等の研究には何かと邪魔をされていて、目障りでな」
『邪魔…?』
目線の先に今は居ない敵対者を睨み付け、オオクマ・ジュウベエはほんの少し語気を荒らげる。
「弱者の心を弄ったところで強者に敵うものか。絶対的な力の前では小手先など無意味。邪魔で、無駄な研究だ」
「ひょっとして、おじさんも狙われてるの?」
アキラは、先程クリスと夢主へ向けた時と同じ目で彼を見つめる。
『ファイト属性のディスクを扱えるバイオコードを今も持っているなら、そうなんだろう。バロン・ジモとかよく連れていたからな』
「狙われている俺達が安全な場所に潜伏している間、獲物を見失い戸惑っている邪魔者がヒーローによって壊滅されればそれで良い」
『で?お前はクリスと夢主を連れて、A.I.M.の捜索網をどうかいくぐるつもりだ?3人がいっぺんに捕まるのが一番マズい。何か画期的な提案があるからこそ、うちの上質なソファに座っているんだろう?』
そう吹っ掛けられれば、ジュウベエはそこから立ち上がらずに、自分のジャケットの内側へゆっくりと手を入れた。
『!』
アイアンマンは別荘内にある防衛システムを遠隔操作で作動させようとした。まさか、今までの言動はこの状況を作り出すための演技だったのか?
が、ターゲットが披露したのは子供達を傷付ける短刀ではなく、鼻の長い仮面男がいつも使用していたような物体だ。
『なっ、ん……何だ?そりゃ』
「うちのティムが開発したこれを使う。これは所持者を中心に半径数メートルの目視・接触不可なシールドを張る装置だ。シールド内の者は人間の網膜には勿論、どんなレーダーにも映らなくなる」
『ほ、ほう……そうか、そうだな!あいつもなかなか役に立つじゃないか!俺程じゃないが!』
「…どうしたのトニー?」
「はぁー…もう、今はそんなことで張り合ってる場合じゃないでしょ?」
アカツキ・アキラも大概だが、トニー・スタークの発言もペッパーを脱力させるにはなかなかの力を持っていた。
「本来は強盗や潜入目的で製作させていたが、こんな……逃げに使うことになるとは」
「あ、あの…じゃあクリスと夢主だけじゃなくて僕達もそれに…」
「使用できるのは5人迄だ。ちなみに、こっちの転送装置も定員は5人」
彼は銀色の球体をもう一つ取り出した。逃げ隠れする準備は既に整っている。
「何人募ろうともどの道、別行動は免れない」
「装置とか使わなくても、ここに居れば良いじゃん」
『アキラ…?』
少年はその場で立ち上がり、全員へ言い聞かせるように自分なりの案を訴え始める。
「バラバラに動いたり姿を消したりしなくても、みんなで一緒に居ればなんとかなるよ。2人だけ、いや、3人だけに大変な思いをさせるなんて俺は納得できない」
「……」
「おじさんもトニーに護ってもらえるように、俺からお願いするから!」
パートナーの子供は振り向いてパートナーの真ん前まで迫る。
『アキラ…』
「ねえ良いでしょ?」
『……』
答え辛そうにするアイアンマンにとっては助け船のタイミングで男が口を開いた。
「お前は俺を信じているだろうが、俺はお前達を完全には信じないし頼らない。俺が必要としているのは、邪魔な奴等を片付けてくれる強いヒーロー様だけだ」
客人はその場で立ち上がり、用の無かった武器をここで初めて手に取る。
「鬱陶しい子供は今1人残らず斬り捨ててしまっても構わない」
さすがのアキラも、真剣の切っ先を向けられてしまえば言葉を失う。今までディスク集めを邪魔されてきたお返しだとばかりに、大人は決して逸らすことなく子供を睨み付けた。
「それでも、ひとつ屋根の下で過ごしたいか?」
『皆に傷ひとつでもつけてみろ。アベンジャーズの協力は今後一切受けられなくなるぞ』
「け、喧嘩は良くないよ!トニーもおじさんも、協力しようぜ!」
元々単なる脅しだったのか、問題の彼はあっさりと刃を収めた。
「……奴等の狙いはアベンジャーズ基地ではなく、俺達3人だ。この憩いの場所をついでに荒らされたいか?」
『何だって?』
「相手は科学技術に特化した犯罪集団だ。本気になればこんな建物、ひとたまりも無いだろう」
『バージョンアップしたスターク製防衛システムを甘く見るなよ?防弾ガラスに核ミサイルも通さないシャッターに…』
「その程度の対策、相手方は気付いている。まずはシステムの無効化から責めてくるだろう。そう言えば、この基地は以前ハッキングされたらしいな」
『なっ!?…セキュリティの穴に気付けたからこそ、バージョンアップしたのさ。モードックのお陰かな!』
「そいつの生みの親に勝てる確信はあるのか?」
『勿論だ!ってか、ここのセキュリティを破れるくらい優秀な組織なら、お前の持っている装置のことだってどうせお見通しだろ!?』
『奴等……身体機能や特殊能力の研究開発だけに飽き足らず、そんなことにまで手を出していたのか』
「ええとつまり、人の気持ちを強くする研究?なんだかスッゲー……あれ?なんでA.I.M.はそんなことしてるの?」
考えていることを全て言葉にするアキラのお陰で、彼以外のメンバーは肩の力が抜けてしまった。周囲の反応に対しても首をかしげる弟へ、ヒカルは苦笑いしつつ噛み砕いた言い方で補足してやる。
「どんな状況でも敵に立ち向かっていく軍を作りたいんじゃないかな?いくら強い体に改造しても、本人が怖がったり油断したりしていたら必ず隙が生まれる」
「おお、そっか!やっぱスゲー!」
『格好良く言えばそうだが、奴等のやることだ、研究が完了する頃にはアンデッドみたいな軍団が仕上がっているかもしれないぞ』
皆に本日何度目かの緊張が走った。その側で、ジュウベエは一旦目を伏せてから説明を続ける。
「強靱な精神力…一部の人間にはその素質が生まれながらにして備わっていて、バイオコードを体に宿した瞬間、素質の有無が特定されると同時に該当者の精神力が増長される。奴等はそう仮定しているようだ」
『そこでバイオコードが出てくるのか。勝手なこと考えるなぁA.I.M.も。部外者なりの考察として、一応参考にさせてもらうが』
そう言い終わった直後ふと思い出した。かつてアカツキ博士の辿り着いた定理が、トニー・スタークの表情を一変させる。
『ちょっと待て……』
この話、全人類の内5分の1に相当する人間が関係しているのでは。
『バイオコード、精神力…ってことは、まさか』
「ファイト属性のディスクを扱える人間。研究の検体として第一に狙われているのは、この条件に当てはまる者だ」
「ファイト属性……」
アキラは恐る恐る口にした。まず1人目の方へ顔を向ければ青い瞳と目が合う。
「クリスは、今もバイオコードを持っているから狙われてるの?」
「夢主も実際狙われてるわよね。ファイト属性のロールシャッハのディスクをディー・スマッシュしていたから?」
「じゃあ、どうしてファイト属性じゃない僕達まで狙われてたんだろう?」
『仲間を人質にでもすれば、本命のクリスや夢主も手に入るとでも考えたんだろう。もしくは、そもそもバイオコード自体を狙った可能性も…』
「そこで、お前と、お前」
ジュウベエは液晶画面の向こう側を無視し、子供達の中でも一層身構えている2人を指差した。
「今日から俺と行動を共にしろ」
「はぁ!?」
「私も…!?」
『何勝手なこと言ってるんだ!?しかもまだ俺が話している途中だ!』
「期間は、アベンジャーズ始めヒーロー達が例の支部を壊滅させるまで」
『おいっ!』
アベンジャーズのリーダーは今度こそポーカーフェイスを保てなくなった。彼の別荘内ではエドの大きな目が心配そうに仲間を見上げる。
「クリスと夢主、ここから出て行っちゃうってこと?A.I.M.のことが解決するまで、帰ってこないの?」
「安全面を考えればこれが最適な方法だ」
「そんなの、信じられる訳ないでしょ!?」
「もう条件を忘れたか?」
この別行動案には全く納得がいかない。それはアイアンマンも同じだ。
『……そもそもの動機をまだ聞いていなかった。お前が俺達アベンジャーズに協力するメリットは?』
「あの支部が潰れれば、俺は今まで通りの稼業に戻ることが出来る。奴等の研究には何かと邪魔をされていて、目障りでな」
『邪魔…?』
目線の先に今は居ない敵対者を睨み付け、オオクマ・ジュウベエはほんの少し語気を荒らげる。
「弱者の心を弄ったところで強者に敵うものか。絶対的な力の前では小手先など無意味。邪魔で、無駄な研究だ」
「ひょっとして、おじさんも狙われてるの?」
アキラは、先程クリスと夢主へ向けた時と同じ目で彼を見つめる。
『ファイト属性のディスクを扱えるバイオコードを今も持っているなら、そうなんだろう。バロン・ジモとかよく連れていたからな』
「狙われている俺達が安全な場所に潜伏している間、獲物を見失い戸惑っている邪魔者がヒーローによって壊滅されればそれで良い」
『で?お前はクリスと夢主を連れて、A.I.M.の捜索網をどうかいくぐるつもりだ?3人がいっぺんに捕まるのが一番マズい。何か画期的な提案があるからこそ、うちの上質なソファに座っているんだろう?』
そう吹っ掛けられれば、ジュウベエはそこから立ち上がらずに、自分のジャケットの内側へゆっくりと手を入れた。
『!』
アイアンマンは別荘内にある防衛システムを遠隔操作で作動させようとした。まさか、今までの言動はこの状況を作り出すための演技だったのか?
が、ターゲットが披露したのは子供達を傷付ける短刀ではなく、鼻の長い仮面男がいつも使用していたような物体だ。
『なっ、ん……何だ?そりゃ』
「うちのティムが開発したこれを使う。これは所持者を中心に半径数メートルの目視・接触不可なシールドを張る装置だ。シールド内の者は人間の網膜には勿論、どんなレーダーにも映らなくなる」
『ほ、ほう……そうか、そうだな!あいつもなかなか役に立つじゃないか!俺程じゃないが!』
「…どうしたのトニー?」
「はぁー…もう、今はそんなことで張り合ってる場合じゃないでしょ?」
アカツキ・アキラも大概だが、トニー・スタークの発言もペッパーを脱力させるにはなかなかの力を持っていた。
「本来は強盗や潜入目的で製作させていたが、こんな……逃げに使うことになるとは」
「あ、あの…じゃあクリスと夢主だけじゃなくて僕達もそれに…」
「使用できるのは5人迄だ。ちなみに、こっちの転送装置も定員は5人」
彼は銀色の球体をもう一つ取り出した。逃げ隠れする準備は既に整っている。
「何人募ろうともどの道、別行動は免れない」
「装置とか使わなくても、ここに居れば良いじゃん」
『アキラ…?』
少年はその場で立ち上がり、全員へ言い聞かせるように自分なりの案を訴え始める。
「バラバラに動いたり姿を消したりしなくても、みんなで一緒に居ればなんとかなるよ。2人だけ、いや、3人だけに大変な思いをさせるなんて俺は納得できない」
「……」
「おじさんもトニーに護ってもらえるように、俺からお願いするから!」
パートナーの子供は振り向いてパートナーの真ん前まで迫る。
『アキラ…』
「ねえ良いでしょ?」
『……』
答え辛そうにするアイアンマンにとっては助け船のタイミングで男が口を開いた。
「お前は俺を信じているだろうが、俺はお前達を完全には信じないし頼らない。俺が必要としているのは、邪魔な奴等を片付けてくれる強いヒーロー様だけだ」
客人はその場で立ち上がり、用の無かった武器をここで初めて手に取る。
「鬱陶しい子供は今1人残らず斬り捨ててしまっても構わない」
さすがのアキラも、真剣の切っ先を向けられてしまえば言葉を失う。今までディスク集めを邪魔されてきたお返しだとばかりに、大人は決して逸らすことなく子供を睨み付けた。
「それでも、ひとつ屋根の下で過ごしたいか?」
『皆に傷ひとつでもつけてみろ。アベンジャーズの協力は今後一切受けられなくなるぞ』
「け、喧嘩は良くないよ!トニーもおじさんも、協力しようぜ!」
元々単なる脅しだったのか、問題の彼はあっさりと刃を収めた。
「……奴等の狙いはアベンジャーズ基地ではなく、俺達3人だ。この憩いの場所をついでに荒らされたいか?」
『何だって?』
「相手は科学技術に特化した犯罪集団だ。本気になればこんな建物、ひとたまりも無いだろう」
『バージョンアップしたスターク製防衛システムを甘く見るなよ?防弾ガラスに核ミサイルも通さないシャッターに…』
「その程度の対策、相手方は気付いている。まずはシステムの無効化から責めてくるだろう。そう言えば、この基地は以前ハッキングされたらしいな」
『なっ!?…セキュリティの穴に気付けたからこそ、バージョンアップしたのさ。モードックのお陰かな!』
「そいつの生みの親に勝てる確信はあるのか?」
『勿論だ!ってか、ここのセキュリティを破れるくらい優秀な組織なら、お前の持っている装置のことだってどうせお見通しだろ!?』