番外編??+6:都合の良い彼女 作成途中
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暫定的ではあるが、また仲間達との賑やかな共同生活が始まる。
今朝はここ最近の中で一番目覚めが良い。使われた形跡のある隣のベッドが目に入るだけで安心感が胸を満たすと同時に、皆と違い私はこれと言って成長出来ていないのではないかと少々残念な気にもなる。
滅入ってばかりでは駄目だ。ベッドから降りて身なりを整え、女子にしては珍しい程に短い髪へ一応櫛を通し、気合いを入れる。
皆が居てくれて心強い。だからこそ、ここが頑張り時なのかもしれない。
『とりあえず本人に直接聞いてみないことには……おう、丁度良いところに!』
「おはよう夢主ちゃん」
昨日と同じスクリーンの前でペッパーが朝日を背にこちらへ振り返る。画面の向こう側に居るヒーローと何やら話し込んでいたようだ。
「おはようございます」
『夢主、昨日の話で気になったことがあってな。どうして君を襲っている黒幕がA.I.M.だと分かったんだ?』
いつかつつかれるとは思っていたが、昨日の今日は急すぎる。
「あー、それは~、その」
手助けしてくれた元悪党の正体を打ち明けるにはまだ心の準備が不十分。
先程の覚悟は肝心な時に姿を消してしまう。果たして堂々と打ち明けて良いものか。逆に、もしこれが仮面集団の罠だとしたら早めに相談すべきだろうが、夢主の足りない頭ではまだ意志決定にまで至っていない。
目を泳がす子供に構わず、トニー・スタークは質問を続ける。
『いつ知ったんだ?』
「昨日の昼間に」
『自分で調べたのか?』
「自分では、調べてないです…」
『だよなぁ。夢主1人で犯人特定まで辿り着けたとは考えにくい。となると、この件に詳しい誰かから知恵を借りた。そんなとこだろう』
「そうなの?夢主ちゃん」
正面の大人2人へ薄笑いを浮かべるだけで精一杯のところ、いつの間にか他の子供達に四方を囲まれていた。
「何か手がかりを知っているのなら、僕達にも教えてくれないかな?今後のためにも、ね?」
『そうそう!隠し事は自分のためにならないぞ!』
「トニーが言うと説得力があるような無いような…」
『あるに決まってる!で、どうなんだ?』
「え~と、私の口から言っても良いものか……ちなみにですね、A.I.M.の全員から狙われている訳じゃなさそうですよ。支部がいくつかあるそうで」
『濁すのも無し!』
「うう……ん?ペッパーさん、何かテレビが…」
夢主がアイアンマンの質問攻めに観念するよりも先に、彼を囲う枠の端に取り付けられた極小さなランプが点滅し始めた。ここへの来客、もしくは侵入者があった合図だ。
「今、玄関の前に誰か来たみたいね」
「ロールシャッハが帰ってきたんじゃない?」
「そう言えば、一昨日の夜から戻られていないんでしたっけ」
夜遅くまでレストランで油を売っていた元パートナーを力尽くで連れ帰った後からずっと、彼は何処かへ出掛けたまま。2日経っても姿を見せない。
「久し振りに来た東京のパトロールに夢中になってたのかも?」
「警察沙汰になってなきゃ良いけどな」
「ロールシャッハさんがそんなことす……いや、今戻られたってことは何も問題起こさなかったってことだよ!」
元々1人で行動したがっていた彼のことだ、夢主含め皆は差ほど心配していなかった。その内、多少の返り血でもコートに付けて帰ってくるだろうと。
「トニー、画面切り替えるわよ」
『おいっ!俺との話よりもロールシャッハの帰りが大事ってどういう』
スーパーヒーローの抗議も虚しく、容姿端麗な顔面の代わりに彼の別荘入口前の様子が斜め上からの角度で映し出された。
「あら?ロールシャッハじゃないわね」
「誰だろ?」
映像の中では、1人の男性が目の前のドアが解錠されるのをじっと待っている。
「そもそも、アベンジャーズが居ないアベンジャーズ基地に…お客さん?」
ヒーロー達は本場のアメリカや遥か上空のヘリキャリアに居るので残念ながら面会は叶わない。にも関わらず、彼は直立不動で待ち続けている。熱心なファンにジェシカ達も興味を示した。
「真っ白なスーツ…日本のサラリーマンにしては珍しいわね。しかも私の見たところ、結構な上物よ」
「防犯カメラの映像で服の品質まで分かるのかよ?つーかコイツ、どこかで見たことあるような…」
「なんだか怖そう……って、ちょっと!この人武器持ってるよ!あれって刀じゃない!?もしかして悪い人!?」
夢主はたとえ画面を見ずとも、エド達の感想から誰が来たのか特定できてしまっただろう。
「その人、通してください」
「夢主の知り合い?」
「ヴィランに私を襲わせている黒幕がA.I.M.だと教えてくれたのは、その人なんです」
協力者の正体をバラすよりも前に、当の本人が自らここまで出向いてきてしまった。
彼は数回辺りを見回すと監視カメラの位置をすぐに把握したようで、画面越しに子供達と目が合った。
「へー、親切なおじさんだな!顔怖いけど!」
「まあ……きっと、今更悪さをしに来た訳じゃないと思うし……多分、通して大丈夫です」
「?」
今朝はここ最近の中で一番目覚めが良い。使われた形跡のある隣のベッドが目に入るだけで安心感が胸を満たすと同時に、皆と違い私はこれと言って成長出来ていないのではないかと少々残念な気にもなる。
滅入ってばかりでは駄目だ。ベッドから降りて身なりを整え、女子にしては珍しい程に短い髪へ一応櫛を通し、気合いを入れる。
皆が居てくれて心強い。だからこそ、ここが頑張り時なのかもしれない。
『とりあえず本人に直接聞いてみないことには……おう、丁度良いところに!』
「おはよう夢主ちゃん」
昨日と同じスクリーンの前でペッパーが朝日を背にこちらへ振り返る。画面の向こう側に居るヒーローと何やら話し込んでいたようだ。
「おはようございます」
『夢主、昨日の話で気になったことがあってな。どうして君を襲っている黒幕がA.I.M.だと分かったんだ?』
いつかつつかれるとは思っていたが、昨日の今日は急すぎる。
「あー、それは~、その」
手助けしてくれた元悪党の正体を打ち明けるにはまだ心の準備が不十分。
先程の覚悟は肝心な時に姿を消してしまう。果たして堂々と打ち明けて良いものか。逆に、もしこれが仮面集団の罠だとしたら早めに相談すべきだろうが、夢主の足りない頭ではまだ意志決定にまで至っていない。
目を泳がす子供に構わず、トニー・スタークは質問を続ける。
『いつ知ったんだ?』
「昨日の昼間に」
『自分で調べたのか?』
「自分では、調べてないです…」
『だよなぁ。夢主1人で犯人特定まで辿り着けたとは考えにくい。となると、この件に詳しい誰かから知恵を借りた。そんなとこだろう』
「そうなの?夢主ちゃん」
正面の大人2人へ薄笑いを浮かべるだけで精一杯のところ、いつの間にか他の子供達に四方を囲まれていた。
「何か手がかりを知っているのなら、僕達にも教えてくれないかな?今後のためにも、ね?」
『そうそう!隠し事は自分のためにならないぞ!』
「トニーが言うと説得力があるような無いような…」
『あるに決まってる!で、どうなんだ?』
「え~と、私の口から言っても良いものか……ちなみにですね、A.I.M.の全員から狙われている訳じゃなさそうですよ。支部がいくつかあるそうで」
『濁すのも無し!』
「うう……ん?ペッパーさん、何かテレビが…」
夢主がアイアンマンの質問攻めに観念するよりも先に、彼を囲う枠の端に取り付けられた極小さなランプが点滅し始めた。ここへの来客、もしくは侵入者があった合図だ。
「今、玄関の前に誰か来たみたいね」
「ロールシャッハが帰ってきたんじゃない?」
「そう言えば、一昨日の夜から戻られていないんでしたっけ」
夜遅くまでレストランで油を売っていた元パートナーを力尽くで連れ帰った後からずっと、彼は何処かへ出掛けたまま。2日経っても姿を見せない。
「久し振りに来た東京のパトロールに夢中になってたのかも?」
「警察沙汰になってなきゃ良いけどな」
「ロールシャッハさんがそんなことす……いや、今戻られたってことは何も問題起こさなかったってことだよ!」
元々1人で行動したがっていた彼のことだ、夢主含め皆は差ほど心配していなかった。その内、多少の返り血でもコートに付けて帰ってくるだろうと。
「トニー、画面切り替えるわよ」
『おいっ!俺との話よりもロールシャッハの帰りが大事ってどういう』
スーパーヒーローの抗議も虚しく、容姿端麗な顔面の代わりに彼の別荘入口前の様子が斜め上からの角度で映し出された。
「あら?ロールシャッハじゃないわね」
「誰だろ?」
映像の中では、1人の男性が目の前のドアが解錠されるのをじっと待っている。
「そもそも、アベンジャーズが居ないアベンジャーズ基地に…お客さん?」
ヒーロー達は本場のアメリカや遥か上空のヘリキャリアに居るので残念ながら面会は叶わない。にも関わらず、彼は直立不動で待ち続けている。熱心なファンにジェシカ達も興味を示した。
「真っ白なスーツ…日本のサラリーマンにしては珍しいわね。しかも私の見たところ、結構な上物よ」
「防犯カメラの映像で服の品質まで分かるのかよ?つーかコイツ、どこかで見たことあるような…」
「なんだか怖そう……って、ちょっと!この人武器持ってるよ!あれって刀じゃない!?もしかして悪い人!?」
夢主はたとえ画面を見ずとも、エド達の感想から誰が来たのか特定できてしまっただろう。
「その人、通してください」
「夢主の知り合い?」
「ヴィランに私を襲わせている黒幕がA.I.M.だと教えてくれたのは、その人なんです」
協力者の正体をバラすよりも前に、当の本人が自らここまで出向いてきてしまった。
彼は数回辺りを見回すと監視カメラの位置をすぐに把握したようで、画面越しに子供達と目が合った。
「へー、親切なおじさんだな!顔怖いけど!」
「まあ……きっと、今更悪さをしに来た訳じゃないと思うし……多分、通して大丈夫です」
「?」