番外編??+5:都合の良い4人
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「……ただいま帰りました」
「お帰りなさい」
腑に落ちない面持ちの夢主がクリスと一緒に帰宅すると、今朝この基地に到着したペッパーが他の子供達と一緒にリビングで勢揃いしていた。久しぶりの賑やかで心強い光景に懐かしさと安堵を覚える。
「ロールシャッハさんはまだ戻っていないんですか?」
「ええ。何処に行っちゃったのかしら?私まだ会っていないのよ」
「昨日夢主を連れて帰ってきてから、またすぐ出掛けちゃったよな。忙しいのかなぁ?……あ、繋がった。トニー!」
大きなスクリーンにはフェイスカバーを外したアイアンマンのアップが現れた。己の容姿に対する自信で溢れているためか、カメラに近過ぎる気もする。
『みんな元気そうだな!』
「そうでもないわよ。ニューヨークに連れて来られたかと思えば、遥か上空のヘリキャリアで身体検査。それが終わったら今度は日本の別荘。私達をどれだけ移動させれば気が済む訳?」
まだまだ元気が有り余っていそうな口調でジェシカはアイアンマンとその背後に映っているフューリーにきつく当たる。
「良いじゃん。みんなで住んでた家にまた集まれたんだから。な?夢主」
「そうだね。私も、みんなが居てくれると、心強い…」
その言葉に嘘は無いが、意図はアキラの指すところとは大きくズレていた。男の子の隣で黙っている若手のヒーローと2人っきりにならずに済み、この環境に感謝すらしている。
『そこに集まってもらったのは他でもない。ここ最近、夢主が頻繁にヴィランに狙われていることは知ってるな?夢主程じゃないが、クリスや他のみんなも何者かからターゲットにされている節がある。だが、そこに居ればどんなことがあっても大丈夫だ!何たってスターク・インダストリーズの技術を集結させた最新鋭のアベンジャーズ基地。ネズミ1匹通しはしないさ』
「モードックにハッキングされたけどな」
『んなっ…!今は大丈夫だ!あれからセキュリティを全て見直した!プログラムを何度もアップグレードしたし、念のためジョカスタをそっちに向かわせている!』
「あいつか……余計心配になってきたぜ」
『ジョカスタだって、ジャーヴィスに負けずとも劣らない…』
「トニー、クリスくん。話が進まないわ」
カメラに向かって前のめりになっていたアイアンマンを背後から引き戻し、ニック・フューリーが場を改めるよう咳払いした。
『君達が安全な場所に居る間、S.H.I.E.L.D.とヒーローが謎の組織の究明に当たっている』
「そのことなんですけど」
『ん?夢主、もしかして何か心当たりでもあるのか?』
彼女はあくまで貰った情報だけを皆の前で話し、誰から聞いたのかはあえて口にしなかった。
『A.I.M.~?また厄介な連中に目をつけられたなぁ~』
「えいむ、って?」
つい先程の夢主と同じく、アキラもその単語の意味を理解していない。
「世界の破滅を企む、科学技術に特化した秘密結社よ」
ペッパーとエドは誰かさんとは違い優しく教えてくれる。
「アドバンスト・アイディア・メカニクス、略してA.I.M.……アベンジャーズと敵対する、代表的な悪の組織だよ。人員のほとんどは普段、黄色い防護服みたいなコスチュームに身を包んでいるんだ」
「ふーん」
「アキラはそんなことも知らないの~?世界では一般常識よ」
「仕方ないじゃんか、知らなかったんだもん」
少年はムッと頬を膨らませてジェシカに言い返したが、その言い分に画面の向こう側に居るトニー・スタークも呆れ返ってしまった。
『まあ、ヒドラとそう変わらない悪い団体様……ヒドラのインテリバージョンって考えとけば良い』
「ヒドラか…」
「懐かしいわね」
かつての強敵の名を耳にして、ペッパー含め子供達の表情が引き締まる。
「たしかに。A.I.M.はヒドラから分裂して出来た組織だからね」
「へーっ、そうなんだ。じゃあオマケみたいなもの?」
「分裂って言っても侮れないよ。A.I.M.が本気になれば、本当に世界がひっくり返るかもしれない。それだけの技術を持ってるんだ」
「ええーっ!?それってヤバイじゃん!」
『俺の技術の方が上だ!』
『2人とも。少し黙っていてくれないか』
物知りなエド以外に、アイアンマンの例え方に夢主も密かに納得していた。
「ヒドラと、そう変わらない……あの人の言った通りだ」
『何か言ったか?』
「あっ、いえ、何でもないです」
まさかかつての邪魔者から情報を貰っただなんて打ち明けられる筈も無く、夢主はすぐさま誤魔化した。
「お帰りなさい」
腑に落ちない面持ちの夢主がクリスと一緒に帰宅すると、今朝この基地に到着したペッパーが他の子供達と一緒にリビングで勢揃いしていた。久しぶりの賑やかで心強い光景に懐かしさと安堵を覚える。
「ロールシャッハさんはまだ戻っていないんですか?」
「ええ。何処に行っちゃったのかしら?私まだ会っていないのよ」
「昨日夢主を連れて帰ってきてから、またすぐ出掛けちゃったよな。忙しいのかなぁ?……あ、繋がった。トニー!」
大きなスクリーンにはフェイスカバーを外したアイアンマンのアップが現れた。己の容姿に対する自信で溢れているためか、カメラに近過ぎる気もする。
『みんな元気そうだな!』
「そうでもないわよ。ニューヨークに連れて来られたかと思えば、遥か上空のヘリキャリアで身体検査。それが終わったら今度は日本の別荘。私達をどれだけ移動させれば気が済む訳?」
まだまだ元気が有り余っていそうな口調でジェシカはアイアンマンとその背後に映っているフューリーにきつく当たる。
「良いじゃん。みんなで住んでた家にまた集まれたんだから。な?夢主」
「そうだね。私も、みんなが居てくれると、心強い…」
その言葉に嘘は無いが、意図はアキラの指すところとは大きくズレていた。男の子の隣で黙っている若手のヒーローと2人っきりにならずに済み、この環境に感謝すらしている。
『そこに集まってもらったのは他でもない。ここ最近、夢主が頻繁にヴィランに狙われていることは知ってるな?夢主程じゃないが、クリスや他のみんなも何者かからターゲットにされている節がある。だが、そこに居ればどんなことがあっても大丈夫だ!何たってスターク・インダストリーズの技術を集結させた最新鋭のアベンジャーズ基地。ネズミ1匹通しはしないさ』
「モードックにハッキングされたけどな」
『んなっ…!今は大丈夫だ!あれからセキュリティを全て見直した!プログラムを何度もアップグレードしたし、念のためジョカスタをそっちに向かわせている!』
「あいつか……余計心配になってきたぜ」
『ジョカスタだって、ジャーヴィスに負けずとも劣らない…』
「トニー、クリスくん。話が進まないわ」
カメラに向かって前のめりになっていたアイアンマンを背後から引き戻し、ニック・フューリーが場を改めるよう咳払いした。
『君達が安全な場所に居る間、S.H.I.E.L.D.とヒーローが謎の組織の究明に当たっている』
「そのことなんですけど」
『ん?夢主、もしかして何か心当たりでもあるのか?』
彼女はあくまで貰った情報だけを皆の前で話し、誰から聞いたのかはあえて口にしなかった。
『A.I.M.~?また厄介な連中に目をつけられたなぁ~』
「えいむ、って?」
つい先程の夢主と同じく、アキラもその単語の意味を理解していない。
「世界の破滅を企む、科学技術に特化した秘密結社よ」
ペッパーとエドは誰かさんとは違い優しく教えてくれる。
「アドバンスト・アイディア・メカニクス、略してA.I.M.……アベンジャーズと敵対する、代表的な悪の組織だよ。人員のほとんどは普段、黄色い防護服みたいなコスチュームに身を包んでいるんだ」
「ふーん」
「アキラはそんなことも知らないの~?世界では一般常識よ」
「仕方ないじゃんか、知らなかったんだもん」
少年はムッと頬を膨らませてジェシカに言い返したが、その言い分に画面の向こう側に居るトニー・スタークも呆れ返ってしまった。
『まあ、ヒドラとそう変わらない悪い団体様……ヒドラのインテリバージョンって考えとけば良い』
「ヒドラか…」
「懐かしいわね」
かつての強敵の名を耳にして、ペッパー含め子供達の表情が引き締まる。
「たしかに。A.I.M.はヒドラから分裂して出来た組織だからね」
「へーっ、そうなんだ。じゃあオマケみたいなもの?」
「分裂って言っても侮れないよ。A.I.M.が本気になれば、本当に世界がひっくり返るかもしれない。それだけの技術を持ってるんだ」
「ええーっ!?それってヤバイじゃん!」
『俺の技術の方が上だ!』
『2人とも。少し黙っていてくれないか』
物知りなエド以外に、アイアンマンの例え方に夢主も密かに納得していた。
「ヒドラと、そう変わらない……あの人の言った通りだ」
『何か言ったか?』
「あっ、いえ、何でもないです」
まさかかつての邪魔者から情報を貰っただなんて打ち明けられる筈も無く、夢主はすぐさま誤魔化した。