「行くわよ！」

子供がＤ・スマッシュをしている間に、ペッパーは例の大型船へジェット機を急接近させていた。

「ちょ、ちょっと、何っなんなのよアレ！？キャアッ！」

船の真上スレスレを通り過ぎた飛行機からロールシャッハと召還された２人は飛び降り、デッキの中央に着地した。

「何事だ！？」
「キャ、キャプテン・アメリカに…ハルクだと…！？」
「何故奴等がここに！？」

どうせ襲撃されるとしても、可愛らしいフォルムの飛行機に乗った何の変哲も無い男が２人。そう高を括り船のへさきでくつろいでいた悪党の元へ、スーパーヒーローの登場。

「お前は早く行け！」
「ここは我々に任せろ！」
「元よりそのつもりだ」

突然のことで敵が混乱している内に小声で伝えると、２人の影に隠れていたロールシャッハは敵の視界を掻い潜り船内に侵入していった。

セレブリティの近くに立たせられていたアボミネーションは拳を鳴らしながらハルクの方へ近付き、騒ぎを聞きつけたバロン・ジモがロールシャッハと入れ違いにデッキへ駆けつけた。

「モードック！至急船首へ来い！アベンジャーズに嗅ぎ付けられた！」

象鼻仮面の男が船内放送を流すと、警護をサボっていたヴィランが船の後部からすっ飛んできた。更に、万全の状態のキング・コブラとタイガーシャークが同時にＤ・スマッシュされる。

５対２でヴィランとヒーローが向き合った。と言うより、ヴィランがヒーローを包囲した。

「ん？今回は２人だけか？」
「ああ、そうだ。悪いか？」
「貴様等の相手など、２人で充分だ！」