番外編??+5:都合の良い4人
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ロールシャッハに指名されたとき、何故彼は焦っていたのか。不思議に思いクリスを眺めていたら目と目が合ったが、すぐに顔を背けられてしまった。
夢主は自分の口元に手で影を作りながら、唯一の女子へ助けを求める。
「ジェシカちゃんジェシカちゃん」
「何?」
「クリスくん、なんか機嫌悪いみたいだけど、ここに来るまでに何かあったの?」
「…前言撤回。夢主の方が重症だわ」
疑問を素直に打ち明けただけなのに、かなり不名誉なことを言われた気がする。
「ホンット、ロールシャッハにしか興味無いのね。他の男子の心はまるで知らんぷり」
「……え!?いやっ、それって…!」
彼女の言わんとしていることを年頃の娘は流石に理解した。その青年の後頭部とジェシカを何度か交互に見るが、それだけでは混乱は収まらない。
「いやいや、ジェシカちゃんの勘違いでしょ!だって、ねえ?クリスくんだよ?クリスくんが私なんか」
「おおっ、皆様お揃いで!」
これ以上付き合っていられないと青年は元自室に逃げ込もうとしたが、斜め上からの声によりその場で立ち止まった。ちっとも夢主が追いかけて来なくて退屈していたヒーローが戻ってきたのだ。
「あ、ノバ!やっぱここに来てたんだ!」
「よっ、アキラくん!」
「……フム」
左右対称模様は特に何も言わず、上着のポケットに手を突っ込んだままノバをじっと捉える。
「俺の顔に何か付いてます?」
「余計なものがベタベタと付着しているが、責務は果たしているようだな」
「任せてくださいよ!」
先程から居心地悪そうにしているクリスを見やり何か思いついたのか、ふわふわ浮いていたサムは床に降り立って正面から堂々と彼に歩み寄る。
「よっ、クリス・テイラーくん。宇宙のヒーローノバはこの度、晴れて夢主専属のヒーローになりました!」
わざわざ公表するまでもない宣言を聞かされた相手は目元をピクリと動かせた。
「専属のヒーロー?」
「アベンジャーズ以外に、最近僕達を護衛してくれていたヒーローのことだね。ノバはインターナショナルスクールに通い直しているから、日本で悪さするヴィランと闘っているんだよ」
「このエドくんの言う通り!」
「あれ?でもノバは護衛係から外されたって聞いてたけど…?」
「残念。それ古い情報だから」
「ノバが今だけ日本担当のヒーローになってるってだけだろ」
的確な指摘に対して、厄介な男子は夢主の肩に手を回しながら爆弾発言で言い返す。
「専属ってのはそういう意味だけじゃないさ。俺達付き合ってるから」
子供達は全員もれなく目を丸くした。
「ええーっ!?」
「かっ、勝手なこと言わないでよ!」
尊敬するヒーローの手前、夢主はサムを急いで突き放した。
「ええ!?違うの?だってロールシャッハにもこうして認めてもらえたじゃん」
「認めてなどいない。毛程にもな」
眉間に皺を寄せて焦る彼女と頑固な大人の両方から否定されてしまい、サムはがっくしと肩を落とす。
「も~……お前等なぁ、いつになったら俺を受け入れてくれるんだよ!?」
「話が見えてこないけど、ノバが2人に迷惑かけていることはわかった」
「あ、兄さん」
遅れて到着したヒカルはいつもの優しげな声の中に、わずかな焦りと怒りを込めていた。散らかったこの場を収めてくれるかと思いきや、彼も物申したく参上したようだ。
「ノバ、最近の君の動向はフューリー長官やスタークさんから聞いているよ。日本の担当なら、どうしてアキラの護衛には行かないんだ!?」
「それはさぁ~ほら、アキラにはアイアンマンっていうスーパーヒーローが居るし、あの人しょっちゅう日本に飛んで来てるから俺の出る幕無いかな~って。だか」
「スタークさんだけじゃ頼りにならないんだ!」
「ま、まあまあ落ち着けってヒカル…」
結局この後は日を跨ぐまで、ノバが大いに足止めを食うだけに終わった。
夢主は自分の口元に手で影を作りながら、唯一の女子へ助けを求める。
「ジェシカちゃんジェシカちゃん」
「何?」
「クリスくん、なんか機嫌悪いみたいだけど、ここに来るまでに何かあったの?」
「…前言撤回。夢主の方が重症だわ」
疑問を素直に打ち明けただけなのに、かなり不名誉なことを言われた気がする。
「ホンット、ロールシャッハにしか興味無いのね。他の男子の心はまるで知らんぷり」
「……え!?いやっ、それって…!」
彼女の言わんとしていることを年頃の娘は流石に理解した。その青年の後頭部とジェシカを何度か交互に見るが、それだけでは混乱は収まらない。
「いやいや、ジェシカちゃんの勘違いでしょ!だって、ねえ?クリスくんだよ?クリスくんが私なんか」
「おおっ、皆様お揃いで!」
これ以上付き合っていられないと青年は元自室に逃げ込もうとしたが、斜め上からの声によりその場で立ち止まった。ちっとも夢主が追いかけて来なくて退屈していたヒーローが戻ってきたのだ。
「あ、ノバ!やっぱここに来てたんだ!」
「よっ、アキラくん!」
「……フム」
左右対称模様は特に何も言わず、上着のポケットに手を突っ込んだままノバをじっと捉える。
「俺の顔に何か付いてます?」
「余計なものがベタベタと付着しているが、責務は果たしているようだな」
「任せてくださいよ!」
先程から居心地悪そうにしているクリスを見やり何か思いついたのか、ふわふわ浮いていたサムは床に降り立って正面から堂々と彼に歩み寄る。
「よっ、クリス・テイラーくん。宇宙のヒーローノバはこの度、晴れて夢主専属のヒーローになりました!」
わざわざ公表するまでもない宣言を聞かされた相手は目元をピクリと動かせた。
「専属のヒーロー?」
「アベンジャーズ以外に、最近僕達を護衛してくれていたヒーローのことだね。ノバはインターナショナルスクールに通い直しているから、日本で悪さするヴィランと闘っているんだよ」
「このエドくんの言う通り!」
「あれ?でもノバは護衛係から外されたって聞いてたけど…?」
「残念。それ古い情報だから」
「ノバが今だけ日本担当のヒーローになってるってだけだろ」
的確な指摘に対して、厄介な男子は夢主の肩に手を回しながら爆弾発言で言い返す。
「専属ってのはそういう意味だけじゃないさ。俺達付き合ってるから」
子供達は全員もれなく目を丸くした。
「ええーっ!?」
「かっ、勝手なこと言わないでよ!」
尊敬するヒーローの手前、夢主はサムを急いで突き放した。
「ええ!?違うの?だってロールシャッハにもこうして認めてもらえたじゃん」
「認めてなどいない。毛程にもな」
眉間に皺を寄せて焦る彼女と頑固な大人の両方から否定されてしまい、サムはがっくしと肩を落とす。
「も~……お前等なぁ、いつになったら俺を受け入れてくれるんだよ!?」
「話が見えてこないけど、ノバが2人に迷惑かけていることはわかった」
「あ、兄さん」
遅れて到着したヒカルはいつもの優しげな声の中に、わずかな焦りと怒りを込めていた。散らかったこの場を収めてくれるかと思いきや、彼も物申したく参上したようだ。
「ノバ、最近の君の動向はフューリー長官やスタークさんから聞いているよ。日本の担当なら、どうしてアキラの護衛には行かないんだ!?」
「それはさぁ~ほら、アキラにはアイアンマンっていうスーパーヒーローが居るし、あの人しょっちゅう日本に飛んで来てるから俺の出る幕無いかな~って。だか」
「スタークさんだけじゃ頼りにならないんだ!」
「ま、まあまあ落ち着けってヒカル…」
結局この後は日を跨ぐまで、ノバが大いに足止めを食うだけに終わった。