番外編??+5:都合の良い4人
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一応、夢主はスーパーヒーロー且つ学校の人気者を振ったことになっている。しかし実際のところ、態度がハッキリしていて気持ちが晴れやかなのは玉砕した彼で、いつまでもモヤモヤしているのは拒絶した自分だ。
「うう……もう」
だが、不思議とそこまで悪い気はしない。タイプの違う男の子にこうも酷く振り回されているにも関わらず、この状況に居心地の良さすら感じ始めている。
おかしい。私にとってあの男子はトラブルメーカーの筈。何故許せてしまう気になっているのか。
勉強もスポーツもできるから?幾度となく助けられたから?それなりに格好良いから?
「……」
適当に思い当たる節を並べたが、どれもしっくりこない。多分、そういうことではないのだ。
「何故だ」
今丁度胸に手を当てて自問している言葉が、若者とは到底思えない声によって発せられた。いつの間にこの建物に、そして私の背後にまで迫っていたのか。
し辛くなった呼吸が整わないまま、夢主は玄関の方へゆっくりと振り返る。
「ロ、ロル、ロールシャッハさん…日本にいらしてたんですか…」
「何故、そんなにも」
「おはよう夢主!ロールシャッハとは家の前で偶然会ったんだ!」
「またヴィランに襲われたって聞いたけど、元気そうね?」
大人の後ろからアキラとジェシカが扇のようにそれぞれ身体を覗かせ、真っ直ぐで眩しい笑顔を見せつける。
「ま、まあ、なんとか…」
「わぁー、ここも懐かしーい!テーブルとかテレビもそのまんまね~」
歯切れの悪い返事も夢主のぎこちない愛想笑いも軽く流し、ジェシカは彼女の前を通り過ぎ長期間ほぼ手付かずとなっている空間に踏み入った。
「窓からの景色も変わってないよ!」
「よっしゃあ!ゲームも残ってるじゃん!」
エドはアキラと一緒に広いフロアをパタパタ走り回っている。記憶の中の彼よりもやや活動的な様子だ。
最後に夢主の前を通り過ぎた青年はというと、彼女を一睨みしながら嫌味をぽつりと垂れる。
「まあ、変わっちまった奴も居るけど」
「……私?」
「えー?夢主が?そんなに変わってないと思うけど。な、エド」
「え、ええと…」
「ああ!髪型か!」
クリスに加え元パートナーのヒーローも、先程から少し怒っている様な声色だ。そう言えば、ロールシャッハが自分に向かって何か言いかけていたことを思い出す。
「ロールシャッハさん、さっき…」
「変わったなんてものじゃない。よりにもよって、わざわざ貧乏くじを引くとは」
そして先程の一部始終を皆に見られていたことも思い出した。
「あの、違うんです!そういうのじゃないんです!皆も!サムくんには多分からかわれてるだけで…」
「夢主クジ引いたの?ノバから買ったってこと?」
「ア、アキラ。こういうのはそっとしてあげた方が良いよ…」
「え?何で?」
大きな薄型テレビの前に座っている2人はテレビから目を離さないものの、ゲームが起動するまでの時間を持て余していてちょくちょく会話に口を挟んでくる。
次にロールシャッハは、辺りを見回すでもなくこの場に居ない人物の名を突然出した。
「ヒカルはどうした」
「え?ヒカルさんですか?そう言えば居ないですね」
「兄さんならあとちょっとで来るよ」
アキラは夢主の代わりに間違った回答をした。
「クリスはどうした」
「なっ!?お前…!」
ロールシャッハの意図を一通り理解している青年は今すぐ彼の口を塞いでやりたかったが、力では到底適わない相手なので冷や汗を垂らすだけに終わる。
「クリスはここに居るけど。兄さんやクリスが…何?ロールシャッハ、よくわかんないけどいきなり話題変えるなよな」
「夢主もだけど、アキラは相変わらず鈍いわね…」
「うう……もう」
だが、不思議とそこまで悪い気はしない。タイプの違う男の子にこうも酷く振り回されているにも関わらず、この状況に居心地の良さすら感じ始めている。
おかしい。私にとってあの男子はトラブルメーカーの筈。何故許せてしまう気になっているのか。
勉強もスポーツもできるから?幾度となく助けられたから?それなりに格好良いから?
「……」
適当に思い当たる節を並べたが、どれもしっくりこない。多分、そういうことではないのだ。
「何故だ」
今丁度胸に手を当てて自問している言葉が、若者とは到底思えない声によって発せられた。いつの間にこの建物に、そして私の背後にまで迫っていたのか。
し辛くなった呼吸が整わないまま、夢主は玄関の方へゆっくりと振り返る。
「ロ、ロル、ロールシャッハさん…日本にいらしてたんですか…」
「何故、そんなにも」
「おはよう夢主!ロールシャッハとは家の前で偶然会ったんだ!」
「またヴィランに襲われたって聞いたけど、元気そうね?」
大人の後ろからアキラとジェシカが扇のようにそれぞれ身体を覗かせ、真っ直ぐで眩しい笑顔を見せつける。
「ま、まあ、なんとか…」
「わぁー、ここも懐かしーい!テーブルとかテレビもそのまんまね~」
歯切れの悪い返事も夢主のぎこちない愛想笑いも軽く流し、ジェシカは彼女の前を通り過ぎ長期間ほぼ手付かずとなっている空間に踏み入った。
「窓からの景色も変わってないよ!」
「よっしゃあ!ゲームも残ってるじゃん!」
エドはアキラと一緒に広いフロアをパタパタ走り回っている。記憶の中の彼よりもやや活動的な様子だ。
最後に夢主の前を通り過ぎた青年はというと、彼女を一睨みしながら嫌味をぽつりと垂れる。
「まあ、変わっちまった奴も居るけど」
「……私?」
「えー?夢主が?そんなに変わってないと思うけど。な、エド」
「え、ええと…」
「ああ!髪型か!」
クリスに加え元パートナーのヒーローも、先程から少し怒っている様な声色だ。そう言えば、ロールシャッハが自分に向かって何か言いかけていたことを思い出す。
「ロールシャッハさん、さっき…」
「変わったなんてものじゃない。よりにもよって、わざわざ貧乏くじを引くとは」
そして先程の一部始終を皆に見られていたことも思い出した。
「あの、違うんです!そういうのじゃないんです!皆も!サムくんには多分からかわれてるだけで…」
「夢主クジ引いたの?ノバから買ったってこと?」
「ア、アキラ。こういうのはそっとしてあげた方が良いよ…」
「え?何で?」
大きな薄型テレビの前に座っている2人はテレビから目を離さないものの、ゲームが起動するまでの時間を持て余していてちょくちょく会話に口を挟んでくる。
次にロールシャッハは、辺りを見回すでもなくこの場に居ない人物の名を突然出した。
「ヒカルはどうした」
「え?ヒカルさんですか?そう言えば居ないですね」
「兄さんならあとちょっとで来るよ」
アキラは夢主の代わりに間違った回答をした。
「クリスはどうした」
「なっ!?お前…!」
ロールシャッハの意図を一通り理解している青年は今すぐ彼の口を塞いでやりたかったが、力では到底適わない相手なので冷や汗を垂らすだけに終わる。
「クリスはここに居るけど。兄さんやクリスが…何?ロールシャッハ、よくわかんないけどいきなり話題変えるなよな」
「夢主もだけど、アキラは相変わらず鈍いわね…」