第五部:都合の良い男
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顔も名前もまだ知らない子供を助け出すために、アキラ達を乗せた黄色いジェット機はとある船を目指していた。高く昇りきった太陽の下、澄み渡る青空をひたすら突き進んでいく。
「見えてきたわ。一見、貨物船のようね」
前方の穏やかな海原には、目標であろう大型船が一隻。遠くに見えるそれを窓越しに全員が視認する。
「あの船で間違い無いな?ロールシャッハ」
「ああ」
この中で唯一実体化しているロールシャッハは船から目を離さず、アイアンマンの問いに短く答えた。
「スッゲー、本当に見つかった!」
「うわぁ、結構大きな船だね…」
「まだこっちに気付いていないだろうな?」
スタークジェットを操縦するペッパーの側で、特にアキラがはしゃぎ出す。
「アキラ、俺達は遊びに来た訳じゃないんだぞ?」
「むう、わかってるよ」
「にしても、全くもって都合が良いな。捕まっている子供の位置がだいたい分かるなんて」
ここまでの道案内をしてくれたのは、全てロールシャッハによる直感だった。「もっと南」「少し右へ逸れている」等、かなり大雑把な指示ではあったが、こうして目的地を最短時間で発見することができた。
「フン。貴様の研究がようやく役に立ったな」
「いいや。俺はそんな機能、ディスクに搭載していない。きっと奴等がいじったせいでお前だけに備わった力なんだろう。今すぐにでもその原因・仕組みを究明したいところだが……って、おいっ、そんな言い方無いだろ?冗談にしちゃあキツ過ぎるっ!」
「冗談ではない、本当のことを言ったまでだ。キツいに決まっている」
ロールシャッハやその他ヒーローからすれば、ディスク程ハタ迷惑な装置は無い。これのお陰でヒーローは封印されるわヴィランは脱獄するわで、役に立つどころか今のところは世に害悪をもたらしている。
勿論、ディスクを悪用した者こそ一番の害悪なのだが。それを分かっていても、開発した当人へ突き刺さるダメージはかなりのものだ。
「はぁ~…ロールシャッハ、お前は、何つーか…もうちょい砕けた思い遣りのある言い回しを練習した方が良いぞ?」
ロールシャッハの皮肉をなんとか流して切り替える。
「まあそんなことより、目の前の問題を片付けることが最優先だ。皆、作戦は頭に入っているな?まずはクリス!エド!」
「おう!」
「うん!」
呼ばれた2人は各々のディスクを手首から外して構え、パートナー召還の言葉を力強く唱えた。
「キャプテン・アメリカ!!ディー・スマーッシュ!」
「ハルク!!ディー・スマーッシュ!」
ロールシャッハがかつて夢主によって呼び出された時と同様、2人のヒーローは体にまとわりついた色とりどりの光の膜を打ち破り実体化した。
「見えてきたわ。一見、貨物船のようね」
前方の穏やかな海原には、目標であろう大型船が一隻。遠くに見えるそれを窓越しに全員が視認する。
「あの船で間違い無いな?ロールシャッハ」
「ああ」
この中で唯一実体化しているロールシャッハは船から目を離さず、アイアンマンの問いに短く答えた。
「スッゲー、本当に見つかった!」
「うわぁ、結構大きな船だね…」
「まだこっちに気付いていないだろうな?」
スタークジェットを操縦するペッパーの側で、特にアキラがはしゃぎ出す。
「アキラ、俺達は遊びに来た訳じゃないんだぞ?」
「むう、わかってるよ」
「にしても、全くもって都合が良いな。捕まっている子供の位置がだいたい分かるなんて」
ここまでの道案内をしてくれたのは、全てロールシャッハによる直感だった。「もっと南」「少し右へ逸れている」等、かなり大雑把な指示ではあったが、こうして目的地を最短時間で発見することができた。
「フン。貴様の研究がようやく役に立ったな」
「いいや。俺はそんな機能、ディスクに搭載していない。きっと奴等がいじったせいでお前だけに備わった力なんだろう。今すぐにでもその原因・仕組みを究明したいところだが……って、おいっ、そんな言い方無いだろ?冗談にしちゃあキツ過ぎるっ!」
「冗談ではない、本当のことを言ったまでだ。キツいに決まっている」
ロールシャッハやその他ヒーローからすれば、ディスク程ハタ迷惑な装置は無い。これのお陰でヒーローは封印されるわヴィランは脱獄するわで、役に立つどころか今のところは世に害悪をもたらしている。
勿論、ディスクを悪用した者こそ一番の害悪なのだが。それを分かっていても、開発した当人へ突き刺さるダメージはかなりのものだ。
「はぁ~…ロールシャッハ、お前は、何つーか…もうちょい砕けた思い遣りのある言い回しを練習した方が良いぞ?」
ロールシャッハの皮肉をなんとか流して切り替える。
「まあそんなことより、目の前の問題を片付けることが最優先だ。皆、作戦は頭に入っているな?まずはクリス!エド!」
「おう!」
「うん!」
呼ばれた2人は各々のディスクを手首から外して構え、パートナー召還の言葉を力強く唱えた。
「キャプテン・アメリカ!!ディー・スマーッシュ!」
「ハルク!!ディー・スマーッシュ!」
ロールシャッハがかつて夢主によって呼び出された時と同様、2人のヒーローは体にまとわりついた色とりどりの光の膜を打ち破り実体化した。