番外編??+2:都合の悪い時機
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女の方は戦闘不能にしてやったが、目の前の男はなかなか手強く埒が明かない。しかもスーパーパワーを持つヒーローが1人増えてしまった。間もなくアベンジャーズやS.H.I.E.L.D.隊員も到着するだろう。このままでは依頼をこなせずに牢へ逆戻りだ。
ピンチかと思いきや、デッドプールは抜け道をしっかり見い出していた。
「へーぇ……じゃ~あ~、そこの飼い主に合わせる顔が無いっつってる迷える子犬ちゃんと兎だったら、どっちが好き?」
「迷える…?」
言われたことの意味をまだよく理解していないノバは、油断ならない傭兵ではなく隣で突っ立っている少女に目を向けた。
「……」
彼女は俯いたまま、相変わらず目を合わせてくれない。
「犬だの兎だの言ってるが、鷹のことも忘れてもらっちゃ困るぜ!」
「鷹ちゃんの出番はもう無し!」
大人達は相変わらず洒落にならない喧嘩を続けている。超回復能力抜きにすれば、この勝負はホークアイの圧勝だ。
絶えることのない激しい戦闘音を余所に、青年は静かな声で尋ねた。
「迷える、って……話したのか?」
「……」
沈黙は肯定の証。
サムは夢主の肩を掴み、急に強く揺さぶった。
「何であんな奴に打ち明けてんだよ!?これは俺と夢主だけの問題だろ!」
「私もどうかと思うわ」
変態的挙動で矢を避け続けるデッドプールを眺めながら、怪我で苦しんでいるブラック・ウィドウがノバに賛同した。
「ほら先輩もこう言ってる!」
「でも…」
とうに思い浮かべている考えを、夢主は至極言い辛そうに絞り出していく。
「サムくんと…私だけの、問題じゃ…」
「はぁ!?じゃあ誰?誰が関わっ……」
彼はヘルメットの中で目を丸くした。
往生際悪く、彼女の頭には口を挟むかどうかすらわからない男が居座っている。飼い主が子犬のリードをしかと握っているのだ。
「おいおい、ちょ、何だよ……マジで…そういうこと?」
「……」
「会ってないんだろ?もう長い間……そりゃあ、今から会うかもしんないけど!」
「……」
「手紙の返事もあったり無かったりだし、なのに…」
「……」
彼女は俯いたまま否定しない。
愕然とするサムの背後、矢を携えまくった傭兵は体を思い切り捻って愛刀を振りかぶった。
「題して“若鶏の串焼き~青春の風を添えて~”!」
ノバは振り返らず、後ろ手にブラストを撃ち込んだ。
「アバーッ!?」
それを正面から間近で受けたデッドプールは後方へ何メートルも吹っ飛ばされた。うずくまる彼の目の前にサムは降り立ち、やけに落ち着いた声色で語りかける。
「俺は夢主とゆっくり話がしたいんだ。いや、もう話すことは、無いのかもしれないけど……とりあえず、あんたを倒すよ」
ピンチかと思いきや、デッドプールは抜け道をしっかり見い出していた。
「へーぇ……じゃ~あ~、そこの飼い主に合わせる顔が無いっつってる迷える子犬ちゃんと兎だったら、どっちが好き?」
「迷える…?」
言われたことの意味をまだよく理解していないノバは、油断ならない傭兵ではなく隣で突っ立っている少女に目を向けた。
「……」
彼女は俯いたまま、相変わらず目を合わせてくれない。
「犬だの兎だの言ってるが、鷹のことも忘れてもらっちゃ困るぜ!」
「鷹ちゃんの出番はもう無し!」
大人達は相変わらず洒落にならない喧嘩を続けている。超回復能力抜きにすれば、この勝負はホークアイの圧勝だ。
絶えることのない激しい戦闘音を余所に、青年は静かな声で尋ねた。
「迷える、って……話したのか?」
「……」
沈黙は肯定の証。
サムは夢主の肩を掴み、急に強く揺さぶった。
「何であんな奴に打ち明けてんだよ!?これは俺と夢主だけの問題だろ!」
「私もどうかと思うわ」
変態的挙動で矢を避け続けるデッドプールを眺めながら、怪我で苦しんでいるブラック・ウィドウがノバに賛同した。
「ほら先輩もこう言ってる!」
「でも…」
とうに思い浮かべている考えを、夢主は至極言い辛そうに絞り出していく。
「サムくんと…私だけの、問題じゃ…」
「はぁ!?じゃあ誰?誰が関わっ……」
彼はヘルメットの中で目を丸くした。
往生際悪く、彼女の頭には口を挟むかどうかすらわからない男が居座っている。飼い主が子犬のリードをしかと握っているのだ。
「おいおい、ちょ、何だよ……マジで…そういうこと?」
「……」
「会ってないんだろ?もう長い間……そりゃあ、今から会うかもしんないけど!」
「……」
「手紙の返事もあったり無かったりだし、なのに…」
「……」
彼女は俯いたまま否定しない。
愕然とするサムの背後、矢を携えまくった傭兵は体を思い切り捻って愛刀を振りかぶった。
「題して“若鶏の串焼き~青春の風を添えて~”!」
ノバは振り返らず、後ろ手にブラストを撃ち込んだ。
「アバーッ!?」
それを正面から間近で受けたデッドプールは後方へ何メートルも吹っ飛ばされた。うずくまる彼の目の前にサムは降り立ち、やけに落ち着いた声色で語りかける。
「俺は夢主とゆっくり話がしたいんだ。いや、もう話すことは、無いのかもしれないけど……とりあえず、あんたを倒すよ」