番外編??+2:都合の悪い時機
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夢主は隊員の目を盗みながら収容エリアの前まで来ていた。
自称恋愛経験が豊富で、ヘリキャリアでの仕事を割り振られていない、大人の男性。何を血迷ったか、相談できる相手はつい先程自分を殺そうとしていた傭兵しか居ないと判断したのだ。
「まともに答えてくれるかな…」
正直、期待より不安の方が大きいが、この中途半端な気持ちでロールシャッハに会ってしまう前に客観的な意見を聞いておきたい。藁にもすがる思いでここまでやってきた。
ただ、極悪なヴィランを閉じ込めている施設に誰でも出入りできる訳が無く、分厚い扉とパスコード入力パネルが彼女の前に立ち塞がった。
「…だよね」
こうなることは何となく分かっていた。
肩を落としていると、背後から足音が聞こえた。振り返ると、黒いスーツに赤毛の女性がこちらを真っ直ぐ見据えている。彼女はスパイも戦闘もこなすS.H.I.E.L.D.きっての諜報員だ。
「ブラック・ウィドウさん……ど、どうも…お久しぶりです…」
「ここは関係者以外立ち入り禁止区域よ」
怒るでも驚くでも、また挨拶の返事すら無く、彼女は至極冷静に叱ってきた。
「すみません…」
「スパイごっこをする歳でもないでしょ。もと居た部屋に戻りなさい」
子供に部屋へ帰るよう促すため、ブラック・ウィドウは通路の片方に寄って道を開けた。
「あの…でも、相談したいことがあって」
「相談?誰に?」
「デッドプールさんに」
「はぁ!?アイツに?」
大人の女性は目一杯に破顔する。意外と表情豊かであった。
「一応聞くけど、尋問じゃなくて相談なの?」
夢主は黙って頷く。
「……」
子供の考えることはわからない。だが、自分から名乗りを上げた以上、この子を大人しく部屋で待機させるため相手をしてやるのも仕事の内だ。
「相談だったら私が聞いてあげるから、早く部屋に戻るわよ」
「え?でも…」
話を聞いてくれる人物の登場は有り難いが、同時に夢主は戸惑った。
「何?」
この手の話に興味が無さそうで仕事一筋な、ある意味ストイックな女性と見受けた。
「その…」
まともに答えてくれるだろうか?
「私には言いにくいこと?」
「そんなことは……ただ、デッドプールさんの方が確実かなぁと…」
彼なら一連の事情を知っているため、話が早いのだ。決して、目の前の女性より奴が信頼に長けるという意味は込めていない。
「…私じゃ力不足だって言うの?」
アベンジャーズやS.H.I.E.L.D.に度々迷惑をかける傭兵の方が自分よりも頼り甲斐があると言い渡され、ブラック・ウィドウの眉が微かにひくついた。
自称恋愛経験が豊富で、ヘリキャリアでの仕事を割り振られていない、大人の男性。何を血迷ったか、相談できる相手はつい先程自分を殺そうとしていた傭兵しか居ないと判断したのだ。
「まともに答えてくれるかな…」
正直、期待より不安の方が大きいが、この中途半端な気持ちでロールシャッハに会ってしまう前に客観的な意見を聞いておきたい。藁にもすがる思いでここまでやってきた。
ただ、極悪なヴィランを閉じ込めている施設に誰でも出入りできる訳が無く、分厚い扉とパスコード入力パネルが彼女の前に立ち塞がった。
「…だよね」
こうなることは何となく分かっていた。
肩を落としていると、背後から足音が聞こえた。振り返ると、黒いスーツに赤毛の女性がこちらを真っ直ぐ見据えている。彼女はスパイも戦闘もこなすS.H.I.E.L.D.きっての諜報員だ。
「ブラック・ウィドウさん……ど、どうも…お久しぶりです…」
「ここは関係者以外立ち入り禁止区域よ」
怒るでも驚くでも、また挨拶の返事すら無く、彼女は至極冷静に叱ってきた。
「すみません…」
「スパイごっこをする歳でもないでしょ。もと居た部屋に戻りなさい」
子供に部屋へ帰るよう促すため、ブラック・ウィドウは通路の片方に寄って道を開けた。
「あの…でも、相談したいことがあって」
「相談?誰に?」
「デッドプールさんに」
「はぁ!?アイツに?」
大人の女性は目一杯に破顔する。意外と表情豊かであった。
「一応聞くけど、尋問じゃなくて相談なの?」
夢主は黙って頷く。
「……」
子供の考えることはわからない。だが、自分から名乗りを上げた以上、この子を大人しく部屋で待機させるため相手をしてやるのも仕事の内だ。
「相談だったら私が聞いてあげるから、早く部屋に戻るわよ」
「え?でも…」
話を聞いてくれる人物の登場は有り難いが、同時に夢主は戸惑った。
「何?」
この手の話に興味が無さそうで仕事一筋な、ある意味ストイックな女性と見受けた。
「その…」
まともに答えてくれるだろうか?
「私には言いにくいこと?」
「そんなことは……ただ、デッドプールさんの方が確実かなぁと…」
彼なら一連の事情を知っているため、話が早いのだ。決して、目の前の女性より奴が信頼に長けるという意味は込めていない。
「…私じゃ力不足だって言うの?」
アベンジャーズやS.H.I.E.L.D.に度々迷惑をかける傭兵の方が自分よりも頼り甲斐があると言い渡され、ブラック・ウィドウの眉が微かにひくついた。