番外編??:都合の良いパシリ
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「ここでクエスチョン!」
サムは人差し指を立て、バラエティー番組の司会さながらの明るい調子で出題し始めた。
「高速で空を飛べるノバ様が、どうして今頃夢主の目の前に現れたのでしょ~かっ!?」
「え?」
「制限時間10秒!」
「…出席日数が足りないから通い直すためにって、さっき…」
「それもあるけど、コレもある」
彼はどこからか封筒をサッと取り出した。その形はやや横長の長方形。押印は無く、赤と青の縞模様で縁取られている。
「誰から誰に宛てられた手紙だと思う~?ヒントは、ニューヨー」
「まさか、ロールシャッハさんから!?」
「せ、正解。お見事…」
一瞬で覇気を取り戻し勢い良く乗り出してきた夢主にサムはのけ反り口の端を引きつらせた。
「私に、だよね…?」
「そ!届けてくれってさ。本当はピーターが届けるんだったんだけど、忙しいってんで代わりに俺が…って訳。丁度日本に行くところだったし」
何故かサムはなかなか手紙を渡そうとしないが、夢主は目を輝かせながら大人しく話を聞き続ける。
「で、こっからが大事な話ね。彼がわざわざ切手を貼らずに送りたがった理由は2つ。夢主の住所を知らなかったってのと、夢主の住所その他情報を自宅に残したくないからだってさ」
悪を打ちのめすヒーローは誰しも恨みを買うことが多い。富や名誉、特別な能力を持たないロールシャッハは悪党に一際狙われやすい。彼の小さな隠れ家もまたしかり。
自分といたいけな子供の住所がセットになった紙面が悪用されたりでもしたら夢主に危険が及ぶと考え、このような手間がかかる方法で送付されたのだ。
「ロールシャッハさん…!」
彼は夢主を、かつてのパートナーを忘れていなかった。そして彼なりの配慮も彼女を一段と喜ばせた。
「考えすぎだと思うけどねー。まあ、こんな熱狂的なファンに住所教えたくない気持ちはわかるかな」
「ちょ、ちょっと!」
「ジョークだって」
サムの冗談に夢主は頬を膨らますが、今は喜びの最中にあるため大して気に留めていない。
「ノバくんも、ありがとう。届けてくれて」
配達人にお礼を言って両手の平を前に差し出した。
そろそろそれを手にしたい。開封したい。中身を見たい。できれば返事も出したい。あわよくば文通したい。
サムは人差し指を立て、バラエティー番組の司会さながらの明るい調子で出題し始めた。
「高速で空を飛べるノバ様が、どうして今頃夢主の目の前に現れたのでしょ~かっ!?」
「え?」
「制限時間10秒!」
「…出席日数が足りないから通い直すためにって、さっき…」
「それもあるけど、コレもある」
彼はどこからか封筒をサッと取り出した。その形はやや横長の長方形。押印は無く、赤と青の縞模様で縁取られている。
「誰から誰に宛てられた手紙だと思う~?ヒントは、ニューヨー」
「まさか、ロールシャッハさんから!?」
「せ、正解。お見事…」
一瞬で覇気を取り戻し勢い良く乗り出してきた夢主にサムはのけ反り口の端を引きつらせた。
「私に、だよね…?」
「そ!届けてくれってさ。本当はピーターが届けるんだったんだけど、忙しいってんで代わりに俺が…って訳。丁度日本に行くところだったし」
何故かサムはなかなか手紙を渡そうとしないが、夢主は目を輝かせながら大人しく話を聞き続ける。
「で、こっからが大事な話ね。彼がわざわざ切手を貼らずに送りたがった理由は2つ。夢主の住所を知らなかったってのと、夢主の住所その他情報を自宅に残したくないからだってさ」
悪を打ちのめすヒーローは誰しも恨みを買うことが多い。富や名誉、特別な能力を持たないロールシャッハは悪党に一際狙われやすい。彼の小さな隠れ家もまたしかり。
自分といたいけな子供の住所がセットになった紙面が悪用されたりでもしたら夢主に危険が及ぶと考え、このような手間がかかる方法で送付されたのだ。
「ロールシャッハさん…!」
彼は夢主を、かつてのパートナーを忘れていなかった。そして彼なりの配慮も彼女を一段と喜ばせた。
「考えすぎだと思うけどねー。まあ、こんな熱狂的なファンに住所教えたくない気持ちはわかるかな」
「ちょ、ちょっと!」
「ジョークだって」
サムの冗談に夢主は頬を膨らますが、今は喜びの最中にあるため大して気に留めていない。
「ノバくんも、ありがとう。届けてくれて」
配達人にお礼を言って両手の平を前に差し出した。
そろそろそれを手にしたい。開封したい。中身を見たい。できれば返事も出したい。あわよくば文通したい。