番外編??:都合の良いパシリ
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授業が終わっても夢主は真っ直ぐ家に帰らず、学校の中庭に設置されているベンチに腰を下ろした。
そこで何をするでもなく、ただ座るだけ。心地良い風に吹かれながら、遠くで元気に遊んでいる学生達をぼーっと眺める。
「……」
夢主の大好きなヒーロー、ロールシャッハとパートナーだった頃、彼は登下校の送り迎えを欠かさずしてくれていた。そして、下校時の待ち合わせ場所は今座っているベンチと決まっていた。
ここで待っていればいつか彼が迎えに来てくれるんじゃないかと淡い期待を抱き、日が落ち始める頃にそんな自分よがりな妄想を否定する。夢主は毎日、未練がましく放課後の時間を潰していた。
「こんなんじゃ……怒られちゃうかな…」
もしも今の姿を絶対に妥協しないヒーローに見られたら叱られるかもしれない。ビンタも食らうかもしれない。
それでもここに来ることを止められない。止めたくない。
夢主は鞄に付けていた黄色い缶バッヂを外し、両手に握り見つめる。
「むしろ、怒りに……」
こんな所まで来る筈が無い。いや、もしかしたら今日は。何を考えているんだ、彼はニューヨークに居るのに。彼には彼の生活が、彼のヒーロー稼業があるのに。
ぐるぐる考え込む自分自身を夢主は鼻で笑った。
そこで何をするでもなく、ただ座るだけ。心地良い風に吹かれながら、遠くで元気に遊んでいる学生達をぼーっと眺める。
「……」
夢主の大好きなヒーロー、ロールシャッハとパートナーだった頃、彼は登下校の送り迎えを欠かさずしてくれていた。そして、下校時の待ち合わせ場所は今座っているベンチと決まっていた。
ここで待っていればいつか彼が迎えに来てくれるんじゃないかと淡い期待を抱き、日が落ち始める頃にそんな自分よがりな妄想を否定する。夢主は毎日、未練がましく放課後の時間を潰していた。
「こんなんじゃ……怒られちゃうかな…」
もしも今の姿を絶対に妥協しないヒーローに見られたら叱られるかもしれない。ビンタも食らうかもしれない。
それでもここに来ることを止められない。止めたくない。
夢主は鞄に付けていた黄色い缶バッヂを外し、両手に握り見つめる。
「むしろ、怒りに……」
こんな所まで来る筈が無い。いや、もしかしたら今日は。何を考えているんだ、彼はニューヨークに居るのに。彼には彼の生活が、彼のヒーロー稼業があるのに。
ぐるぐる考え込む自分自身を夢主は鼻で笑った。