第七部:都合なんか知らない
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空から降ってきたディスクを偶然拾ってから、本当にいろんな出来事があった。悪党にさらわれたことから始まり、ヒーローや同じ境遇の子供達との共同生活、ヴィランとのディスクの奪い合い、そして邪神ロキとの決戦。
ディスク関連の騒動が一段落ついた、その数日後。アカツキ博士と日本に訪れたトニー・スタークの手により、夢主の体に組み込まれた特異的なバイオコードは完全に消去された。それと同時に、溝が黒く染まったディスクは元の真っ青なディスクに戻ってしまった。ロールシャッハも他のヒーロー同様、ディスクの呪縛からほぼ解放されたのだ。
そして、彼は夢主の側に居続ける理由が無くなった。それが分かるや否や、駆けつけていたニック・フューリーにより実体化したロールシャッハはさっさと基地を出て行ってしまった。
「何なんだあいつは。礼の一つも無いのか!?」
アイアンマンが憤慨する声で、横になっていた夢主が目を覚ます。どこか呆けた様子の夢主は上体をゆっくり起こした。
「気分はどう?」
「夢主、俺のことわかる…?」
ヒカルとアキラが駆け寄ってやや不安気に尋ねる。
「うん、アキラくんでしょ?」
夢主の変わりない態度に、アキラの表情は花が開いたように明るくなった。アベンジャーズのパートナー5人はバイオコードを消去した後、一時的だが共に戦っていた期間の記憶を失っていた。もしかしたら夢主も同じく、自分達のことを忘れてしまうのではないかと心配していたのだ。
「体の具合は大丈夫です。ありがとうございます、ヒカルさん」
「記憶の方も大丈夫そうだな」
「アキラ達のレボリューション・バイオコードのアンインストール時とは、やはり反応が違ったな」
2人の科学者の声を聞いた夢主はいそいそと台座から降り、深く頭を下げた。
「スタークさん、アカツキさん…バイオコードのアンインストール、ありがとうございます」
憧れのヒーローを繋ぎ留めるバイオコードの消去なんて、本当はしたくなかった。だが、こうするべきなのだ。こうすることが正しいのだ。
「それと、今までお世話になりました」
「そりゃあこっちのセリフだ。よく一緒に戦ってくれた!感謝するぞ、夢主」
「これから君も普通の生活に戻れる。他のメンバーより、アンインストールに時間がかかってしまって済まなかった」
「いえいえ」
むしろ永遠に手こずってくれても良かったのですよとまではさすがに言わなかった。
「あの、それで、ロールシャッハさんはどちらに…?」
「奴ならさっさと帰っちまったぞ」
「え!?そんなっ…」
てっきりナイトオウルが迎えに来るまでは、そうでなくともせめて夢主の目が覚めるまでは日本に居てくれると思っていた。
「全く、最後まで素っ気ない奴だったな。いや、まだ最後と言うには早過ぎるか。だろ?」
アイアンマンはディスクもバイオコードも何も無くなった子供を見やり、彼女の意思を確認するかのように言葉を投げかけた。
「行っておいで、夢主ちゃん」
「走っていけば追いつくかも!」
アカツキ兄弟も、元ロールシャッハのパートナーの背中を押す。
「う、あっあの!し、失礼します!」
夢主は皆に向かって勢い良くお辞儀をし、慌てて外に駆け出していった。
ディスク関連の騒動が一段落ついた、その数日後。アカツキ博士と日本に訪れたトニー・スタークの手により、夢主の体に組み込まれた特異的なバイオコードは完全に消去された。それと同時に、溝が黒く染まったディスクは元の真っ青なディスクに戻ってしまった。ロールシャッハも他のヒーロー同様、ディスクの呪縛からほぼ解放されたのだ。
そして、彼は夢主の側に居続ける理由が無くなった。それが分かるや否や、駆けつけていたニック・フューリーにより実体化したロールシャッハはさっさと基地を出て行ってしまった。
「何なんだあいつは。礼の一つも無いのか!?」
アイアンマンが憤慨する声で、横になっていた夢主が目を覚ます。どこか呆けた様子の夢主は上体をゆっくり起こした。
「気分はどう?」
「夢主、俺のことわかる…?」
ヒカルとアキラが駆け寄ってやや不安気に尋ねる。
「うん、アキラくんでしょ?」
夢主の変わりない態度に、アキラの表情は花が開いたように明るくなった。アベンジャーズのパートナー5人はバイオコードを消去した後、一時的だが共に戦っていた期間の記憶を失っていた。もしかしたら夢主も同じく、自分達のことを忘れてしまうのではないかと心配していたのだ。
「体の具合は大丈夫です。ありがとうございます、ヒカルさん」
「記憶の方も大丈夫そうだな」
「アキラ達のレボリューション・バイオコードのアンインストール時とは、やはり反応が違ったな」
2人の科学者の声を聞いた夢主はいそいそと台座から降り、深く頭を下げた。
「スタークさん、アカツキさん…バイオコードのアンインストール、ありがとうございます」
憧れのヒーローを繋ぎ留めるバイオコードの消去なんて、本当はしたくなかった。だが、こうするべきなのだ。こうすることが正しいのだ。
「それと、今までお世話になりました」
「そりゃあこっちのセリフだ。よく一緒に戦ってくれた!感謝するぞ、夢主」
「これから君も普通の生活に戻れる。他のメンバーより、アンインストールに時間がかかってしまって済まなかった」
「いえいえ」
むしろ永遠に手こずってくれても良かったのですよとまではさすがに言わなかった。
「あの、それで、ロールシャッハさんはどちらに…?」
「奴ならさっさと帰っちまったぞ」
「え!?そんなっ…」
てっきりナイトオウルが迎えに来るまでは、そうでなくともせめて夢主の目が覚めるまでは日本に居てくれると思っていた。
「全く、最後まで素っ気ない奴だったな。いや、まだ最後と言うには早過ぎるか。だろ?」
アイアンマンはディスクもバイオコードも何も無くなった子供を見やり、彼女の意思を確認するかのように言葉を投げかけた。
「行っておいで、夢主ちゃん」
「走っていけば追いつくかも!」
アカツキ兄弟も、元ロールシャッハのパートナーの背中を押す。
「う、あっあの!し、失礼します!」
夢主は皆に向かって勢い良くお辞儀をし、慌てて外に駆け出していった。