番外編41:都合の良い褒美
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絶えず走り続け、常に神経を尖らせて敵の気配に集中する。逃げる立場のストレスは、夢主の気力と体力を想像以上に削り落としていた。
「……っ」
喉が苦しい。にじみ出た血が痰に混ざっているような感覚と、まだこれから何時間も付き合わなければならないのか。
「そっちはどうだ?」
「いいや。さっきティムと見かけたのが最後だぜ~」
「海にも居なかったギョ」
物影に隠れ、鼻と口を覆って息を殺す。通路の先から届く話し声に耳を傾ける。
「本当か?」
「さっき確認したばかりだギョ。ということは、まだこの船の何処かに潜んでる筈だギョ」
「面倒なことこの上無いぜ~」
「だが、ディスクに囚われている以上、俺様達はこのお遊びに付き合わざるを得ないギョ。これもギョウ務の一環だギョ」
「あの子供もバカだな。どうせ捕まるに決まってる」
「お互い余計に体力消耗するだけだ。サボって釣りでもしたい気分だぜぇ~」
呑気に雑談をしていた者達は、運良くこちらを探すことなく立ち去ってくれた。
「……」
だが彼等の話の内容は地味に夢主に響いていた。
私は何故こんなことをしているのか。余計に苦しんで、余計に恐れて。しかも、相手にとっては所詮お遊び。
「……」
制限時間内ギリギリで捕まっても、今すぐ捕まってしまっても結果は同じこと。
いっそのこと、諦めてしまうか?
すっかり弱気になってしまった少女の元へ、悪魔の足音が近付いてきた。
「……っ」
喉が苦しい。にじみ出た血が痰に混ざっているような感覚と、まだこれから何時間も付き合わなければならないのか。
「そっちはどうだ?」
「いいや。さっきティムと見かけたのが最後だぜ~」
「海にも居なかったギョ」
物影に隠れ、鼻と口を覆って息を殺す。通路の先から届く話し声に耳を傾ける。
「本当か?」
「さっき確認したばかりだギョ。ということは、まだこの船の何処かに潜んでる筈だギョ」
「面倒なことこの上無いぜ~」
「だが、ディスクに囚われている以上、俺様達はこのお遊びに付き合わざるを得ないギョ。これもギョウ務の一環だギョ」
「あの子供もバカだな。どうせ捕まるに決まってる」
「お互い余計に体力消耗するだけだ。サボって釣りでもしたい気分だぜぇ~」
呑気に雑談をしていた者達は、運良くこちらを探すことなく立ち去ってくれた。
「……」
だが彼等の話の内容は地味に夢主に響いていた。
私は何故こんなことをしているのか。余計に苦しんで、余計に恐れて。しかも、相手にとっては所詮お遊び。
「……」
制限時間内ギリギリで捕まっても、今すぐ捕まってしまっても結果は同じこと。
いっそのこと、諦めてしまうか?
すっかり弱気になってしまった少女の元へ、悪魔の足音が近付いてきた。