番外編40:都合良く閉じ込められたら 作成途中
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「っ!?」
「扉は?」
ジュウベエの顔は一瞬で離れ、夢主には目もくれず出口の方を向く。
「ありゃ?開かねえぞ?」
ジョエルがドアノブを荒々しく鳴らす。成人男性が押したり引いたりシャッターの要領で持ち上げようとしても無駄だった。何かの間違いでもないようだ。
「おかしい。2人は条件を満たしているが…」
「今触れましたよね?唇同士が」
まだジュウベエの腕の中にすっぽり収まり肩をすくめている夢主は、自分の思考をひとまず差し置いて頭をぶんぶん縦に振って答えた。
「もう一度してみてはいかがです?」
「えっ」
「犯人が見逃したのかもしれませんよ」
マニーノが言い終えるや否や、ジュウベエは課題を再試行し夢主は自ら視界を閉ざした。
今度は長い間、たっぷりと塞がれる。
手の平で数分前にも感じた通り、これが意外と柔らかい。押し付け合えば合うだけその力に素直に従い潰れていく。伴って存在感を増すのは、唇の向こう側になんとなく感じる、相手の硬い歯。
「……っ」
これ以上息を止めていられるだろうか。吸って良いのか、吐いても良いのか。彼に許可を取ろうにも、まず声を出せる状態にない。
もう駄目かという頃合いに呼吸と発言の自由を許された。夢主が上手く意見を述べられる状態にあるかは別として。
「まだ鍵かかってら。どーなってんだ?」
「あの程度、口付けの内にすら入らないということでしょうか?」
「キスをしたにはしたが、生ぬるい故に却下。ということか?」
「チッ、面倒な……」
ジュウベエは頑固な扉からまた夢主へ視線を戻したところで、自分が成したことの重大さに気付く。
なるだけ理性を保っていようと、夢主はこんな時でさえ心掛けている。色っぽい声を漏らさないように、吐息も極力静かに。大前提として、これ以上動揺しないように。その結果酸欠が長引いてしまい、まだ肩で息をしていた。
「……」
頬を中心に顔を大袈裟に紅潮させ、涙がもうひと押しで零れるかという様子に、ジュウベエは何故だか見入ってしまった。
凝視されている気配をようやく察したのか、目を伏せていた夢主は恐る恐る顔を上げる。
「は、はじ、め…」
「?」
「初め、て……だった、の…」
自身で声に出したことで後戻りの利かない経験と再認識したのか、薄く下唇を噛んで事実を静かに受け入れる。斜め下へ顔を背け目蓋が降りたことで、重力に従った涙が目尻と目頭からそれぞれ溢れ出た。
「知るか」
表情の険しくなったジュウベエは先程よりも乱暴に押し当てた。少女の戸惑いも己の中で沸き上がりかけた苛立ちのような感情も、一切を消し飛ばすつもりで。
「ぅ!?っ、!?」
ザラザラで湿っている人体の一部が無遠慮に唇を割って侵入してきた。夢主は驚きで目を強く瞑ったり何度もぱちぱちと瞬きをしたりと反応が目まぐるしい。余っていた涙が追加で頬を伝う。
驚愕の次は、後先を考えない反射的な拒絶。
「ん、んんぅ、んはっ、や、やだっ!んんっ!?」
だが逃げても同じこと。むしろ余計な行為だった。頭を改めて固定され、より執拗に引っ掻き回してくる。
「んう……ふあ、んぅ……ぁあっ、んん…!」
「ん……は、ん……っ、ん…」
たまに離れるので途切れ途切れに声が漏れ出してしまう。一方、大人の男性は最小限に息を漏らすのみだが、その音は小さくとも夢主の耳を大いに刺激する。
「んうんんっ…!」
脚の震えが止まらず、腰がなんだかたまらない感覚に染まっていく。
身動きが取れなさすぎて、助けを乞う相手が彼の薄紫色の長いスカーフしかない。思わずそれにしがみつくと目前の頭を更に引き寄せてしまった。
貪欲な要望と捉えた男は、後頭部と背中に回した2本の熱い腕に力を込めて応える。
「…違っ、…!」
「…、ん…」
背の高いジュウベエ側から覆い被さってのキスにより夢主は少しずつ仰け反っていて、最早抱き上げられた瞬間のような体勢になっていた。
「んんん…っ!」
食べられる。
現実的には有り得ないが、顔を頭ごと飲み込まれてしまいそうな感覚に##AME1##は陥った。
「…ん、うっ……んんぅ…」
くぐもった必死な悲鳴は確実に大人しくなっていき、段々と自分のものとは思いたくない種類の声へ変わっていく。
「扉は?」
ジュウベエの顔は一瞬で離れ、夢主には目もくれず出口の方を向く。
「ありゃ?開かねえぞ?」
ジョエルがドアノブを荒々しく鳴らす。成人男性が押したり引いたりシャッターの要領で持ち上げようとしても無駄だった。何かの間違いでもないようだ。
「おかしい。2人は条件を満たしているが…」
「今触れましたよね?唇同士が」
まだジュウベエの腕の中にすっぽり収まり肩をすくめている夢主は、自分の思考をひとまず差し置いて頭をぶんぶん縦に振って答えた。
「もう一度してみてはいかがです?」
「えっ」
「犯人が見逃したのかもしれませんよ」
マニーノが言い終えるや否や、ジュウベエは課題を再試行し夢主は自ら視界を閉ざした。
今度は長い間、たっぷりと塞がれる。
手の平で数分前にも感じた通り、これが意外と柔らかい。押し付け合えば合うだけその力に素直に従い潰れていく。伴って存在感を増すのは、唇の向こう側になんとなく感じる、相手の硬い歯。
「……っ」
これ以上息を止めていられるだろうか。吸って良いのか、吐いても良いのか。彼に許可を取ろうにも、まず声を出せる状態にない。
もう駄目かという頃合いに呼吸と発言の自由を許された。夢主が上手く意見を述べられる状態にあるかは別として。
「まだ鍵かかってら。どーなってんだ?」
「あの程度、口付けの内にすら入らないということでしょうか?」
「キスをしたにはしたが、生ぬるい故に却下。ということか?」
「チッ、面倒な……」
ジュウベエは頑固な扉からまた夢主へ視線を戻したところで、自分が成したことの重大さに気付く。
なるだけ理性を保っていようと、夢主はこんな時でさえ心掛けている。色っぽい声を漏らさないように、吐息も極力静かに。大前提として、これ以上動揺しないように。その結果酸欠が長引いてしまい、まだ肩で息をしていた。
「……」
頬を中心に顔を大袈裟に紅潮させ、涙がもうひと押しで零れるかという様子に、ジュウベエは何故だか見入ってしまった。
凝視されている気配をようやく察したのか、目を伏せていた夢主は恐る恐る顔を上げる。
「は、はじ、め…」
「?」
「初め、て……だった、の…」
自身で声に出したことで後戻りの利かない経験と再認識したのか、薄く下唇を噛んで事実を静かに受け入れる。斜め下へ顔を背け目蓋が降りたことで、重力に従った涙が目尻と目頭からそれぞれ溢れ出た。
「知るか」
表情の険しくなったジュウベエは先程よりも乱暴に押し当てた。少女の戸惑いも己の中で沸き上がりかけた苛立ちのような感情も、一切を消し飛ばすつもりで。
「ぅ!?っ、!?」
ザラザラで湿っている人体の一部が無遠慮に唇を割って侵入してきた。夢主は驚きで目を強く瞑ったり何度もぱちぱちと瞬きをしたりと反応が目まぐるしい。余っていた涙が追加で頬を伝う。
驚愕の次は、後先を考えない反射的な拒絶。
「ん、んんぅ、んはっ、や、やだっ!んんっ!?」
だが逃げても同じこと。むしろ余計な行為だった。頭を改めて固定され、より執拗に引っ掻き回してくる。
「んう……ふあ、んぅ……ぁあっ、んん…!」
「ん……は、ん……っ、ん…」
たまに離れるので途切れ途切れに声が漏れ出してしまう。一方、大人の男性は最小限に息を漏らすのみだが、その音は小さくとも夢主の耳を大いに刺激する。
「んうんんっ…!」
脚の震えが止まらず、腰がなんだかたまらない感覚に染まっていく。
身動きが取れなさすぎて、助けを乞う相手が彼の薄紫色の長いスカーフしかない。思わずそれにしがみつくと目前の頭を更に引き寄せてしまった。
貪欲な要望と捉えた男は、後頭部と背中に回した2本の熱い腕に力を込めて応える。
「…違っ、…!」
「…、ん…」
背の高いジュウベエ側から覆い被さってのキスにより夢主は少しずつ仰け反っていて、最早抱き上げられた瞬間のような体勢になっていた。
「んんん…っ!」
食べられる。
現実的には有り得ないが、顔を頭ごと飲み込まれてしまいそうな感覚に##AME1##は陥った。
「…ん、うっ……んんぅ…」
くぐもった必死な悲鳴は確実に大人しくなっていき、段々と自分のものとは思いたくない種類の声へ変わっていく。