番外編40:都合良く閉じ込められたら 作成途中
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全員が退室した部屋の方から鍵の閉まる音が響き渡った。つい今しがたまでの難所を、ジュウベエだけが振り向いてじっと睨み付ける。
「……」
やはりこちらの行動は何者かに筒抜けのようだ。犯人の意図が未だに掴めない。
「ご苦労様です」
「もう恥ずかしいのは勘弁です…」
謎の条件をこなした結果、何か大きなものを得るでも失うでもなかった。強いて言えば、自分達とバイオコードを持つ6人目の子供が距離を縮めただけである。その証拠に、少女は無防備にも刃物を持つ悪党へ背中を向けて歩いている。
「?どーしたよジュウベエ」
「いや……」
軽く声を掛けられ歩き出したが足を止め、再び扉を見据えた。
「……」
仮にここが自分達、引いてはロキ勢に加担するための施設ならば、自分達まで気絶させられたりディスクを奪われたりした理由を首謀者へ問い詰めたいところ。
ただ、それはすぐには叶わないだろう。極めて、心の底から極めて気に食わないが、ふざけたアトラクションを用意した犯人によって思うままに操られている状態だ。この先オモチャに脱出を許すとして、大の大人4人をいとも容易く支配下に置いた首謀者は、己の尻尾を掴ませるようなヘマをやらかすだろうか。
「行っくぞー、今度こそ出口だと良いな!」
考えあぐねるジュウベエの背中をジョエルが引き寄せたことで、彼の思考が途切れた。反対の腕ではもう一人が体重を預けられている。
「いい加減離れろ、自分の足で歩かんか!」
「ジョエル・マーフィーを運ばねぇと出られねえ廊下~」
「ジュウベエ、こいつをなんとかしろ」
カラカラと笑いながらロックミュージシャンはティムの肩を幾度か叩く。悪気はないがその力はそこそこ強く、仲間は顔をしかめた。
「楽しそうだな」
「こんなのゲームみてえなモンだろ。一応女の子も居るし、どうせなら楽しもうぜ?」
「一応だなんて彼女に失礼ですよ。ねぇ?」
「実験体、早く行け」
「あ、はいっ、お先に…!」
ティムは先程同様、夢主を冷たい態度で急かした。
おおらかな男に肩を組まれよろめく姿はとても格好がついているとは言えないが、わざわざ触れるポイントでもない。
「あの……あれ……」
原因の厄介な腕はおもむろに解かれる。
曲がり角の先には、またもや同様の光景。無情な板を前に、少女はすっかり弱気になっていた。
「残念。新しい部屋ですよ、皆さん。今度は何ですかね?」
この建物に入ってから今まで一度も触れ合っていない者同士でキスしろ
限定的な指令を受け、悪党達と夢主は口々に正直な感想を漏らす。
「遂に命令文へと変化したか。我々に向かって何様のつもりだ」
「このような指示…!」
「犯人とやらの意思はたしかに感じるが、意味不明だ。肝心の目的が見えてこない。現状、命まで奪う気はないようだが…」
「つーか回りくどくね?誰と誰がやりゃあ良いんだよ?お前は?またやんのか?」
「私はっ…その…」
比較的考えることが苦手なメンバーも率先してミッションクリアを目指す。
一方的な命令は鼻につくが、従いさえすれば部屋からの脱出を約束されている。その点だけはゲームのルールのように律儀に守られているので、たとえいくらごねようと結局は言う通りにする流れに戻る。
「そのっ……私、が…」
「まず、マニーノは免除だ」
「だよな」
震える喉から絞り出した夢主の発言は、進行役と声の大きい男には届いていなかった。
「初っぱな俺等全員にやる役だったしコイツにベタベタ触ってたから……うげぇ、俺とティムとかまだだよな?」
「いや。通路を歩いていた時、お前の方から肩を組んできただろう。ジュウベエにも同じく」
「じゃあ俺もナシか。あとタッチしてねえペアって…」
「私も済んでいる」
そうティムが答えたことにより、残った男と夢主へ視線が集まる。
「ジュウベエとはその刀を渡す際、手と手がかすっていた。実験体とは、先程の部屋で条件を満たすために接触済みだ」
「そこ2人かよ、お前等最初から言えよなー」
選ばれなかった3人は自然と半歩程引き下がり、静観する側へと回った。
「……」
やはりこちらの行動は何者かに筒抜けのようだ。犯人の意図が未だに掴めない。
「ご苦労様です」
「もう恥ずかしいのは勘弁です…」
謎の条件をこなした結果、何か大きなものを得るでも失うでもなかった。強いて言えば、自分達とバイオコードを持つ6人目の子供が距離を縮めただけである。その証拠に、少女は無防備にも刃物を持つ悪党へ背中を向けて歩いている。
「?どーしたよジュウベエ」
「いや……」
軽く声を掛けられ歩き出したが足を止め、再び扉を見据えた。
「……」
仮にここが自分達、引いてはロキ勢に加担するための施設ならば、自分達まで気絶させられたりディスクを奪われたりした理由を首謀者へ問い詰めたいところ。
ただ、それはすぐには叶わないだろう。極めて、心の底から極めて気に食わないが、ふざけたアトラクションを用意した犯人によって思うままに操られている状態だ。この先オモチャに脱出を許すとして、大の大人4人をいとも容易く支配下に置いた首謀者は、己の尻尾を掴ませるようなヘマをやらかすだろうか。
「行っくぞー、今度こそ出口だと良いな!」
考えあぐねるジュウベエの背中をジョエルが引き寄せたことで、彼の思考が途切れた。反対の腕ではもう一人が体重を預けられている。
「いい加減離れろ、自分の足で歩かんか!」
「ジョエル・マーフィーを運ばねぇと出られねえ廊下~」
「ジュウベエ、こいつをなんとかしろ」
カラカラと笑いながらロックミュージシャンはティムの肩を幾度か叩く。悪気はないがその力はそこそこ強く、仲間は顔をしかめた。
「楽しそうだな」
「こんなのゲームみてえなモンだろ。一応女の子も居るし、どうせなら楽しもうぜ?」
「一応だなんて彼女に失礼ですよ。ねぇ?」
「実験体、早く行け」
「あ、はいっ、お先に…!」
ティムは先程同様、夢主を冷たい態度で急かした。
おおらかな男に肩を組まれよろめく姿はとても格好がついているとは言えないが、わざわざ触れるポイントでもない。
「あの……あれ……」
原因の厄介な腕はおもむろに解かれる。
曲がり角の先には、またもや同様の光景。無情な板を前に、少女はすっかり弱気になっていた。
「残念。新しい部屋ですよ、皆さん。今度は何ですかね?」
この建物に入ってから今まで一度も触れ合っていない者同士でキスしろ
限定的な指令を受け、悪党達と夢主は口々に正直な感想を漏らす。
「遂に命令文へと変化したか。我々に向かって何様のつもりだ」
「このような指示…!」
「犯人とやらの意思はたしかに感じるが、意味不明だ。肝心の目的が見えてこない。現状、命まで奪う気はないようだが…」
「つーか回りくどくね?誰と誰がやりゃあ良いんだよ?お前は?またやんのか?」
「私はっ…その…」
比較的考えることが苦手なメンバーも率先してミッションクリアを目指す。
一方的な命令は鼻につくが、従いさえすれば部屋からの脱出を約束されている。その点だけはゲームのルールのように律儀に守られているので、たとえいくらごねようと結局は言う通りにする流れに戻る。
「そのっ……私、が…」
「まず、マニーノは免除だ」
「だよな」
震える喉から絞り出した夢主の発言は、進行役と声の大きい男には届いていなかった。
「初っぱな俺等全員にやる役だったしコイツにベタベタ触ってたから……うげぇ、俺とティムとかまだだよな?」
「いや。通路を歩いていた時、お前の方から肩を組んできただろう。ジュウベエにも同じく」
「じゃあ俺もナシか。あとタッチしてねえペアって…」
「私も済んでいる」
そうティムが答えたことにより、残った男と夢主へ視線が集まる。
「ジュウベエとはその刀を渡す際、手と手がかすっていた。実験体とは、先程の部屋で条件を満たすために接触済みだ」
「そこ2人かよ、お前等最初から言えよなー」
選ばれなかった3人は自然と半歩程引き下がり、静観する側へと回った。