番外編40:都合良く閉じ込められたら 作成途中
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結局、課題の内3人分はマニーノが仲間達の手の甲へ口づけすることで達成した。
「はぁ、どうして私がこのような…」
「お疲れ様です…」
他人事ながら夢主は自分の代わりに疲弊してくれた者へ同情の言葉を送る。
「4人の男性にキス……ということは、最後に私自身が口づけを受ければ良いのですね。では」
彼は懲りずにまた異性の手を取る。
「自分で自分に…は出来ませんから、ここは是非貴女にお願いしたい」
今度こそ邪魔は入らない筈。ましてや拒否もされないだろう、むしろ許さない。
「頑張った私にご褒美、頂けませんか?」
「ごっ!?そんな…!」
「私の顔が嫌でしたら手の甲でも構いませんよ?」
するかしないかではなく、顔と手の甲どちらかへのキスに選択肢を狭める。
「い、嫌だなんて、そんなっ、滅相もない…!」
マニーノは心の中で勝ち誇った。
だが実際にはジュウベエが彼の手を掴み上げ、ティムはよこしまな提案を当然の如く退ける。
「はい?」
「自分で自分にキスは不可能?試さない手は無いだろう」
マニーノの手の甲が彼自身の口元にそこそこの勢いでぶつけさせられると、出口の方から鍵の開く音が短く鳴った。ジョエルが我先へとドアノブを回し、外開きの扉を解放する。
「よっしゃー!出られるぜ!」
「まったく、酷い目に遭いましたよ!」
別々の感情を露にしながらジョエルとマニーノは扉の先に続いている廊下を突き進む。
後の3人も彼等に続き、色々な謎の残る部屋を後にした。最後に脱出した少女の背後で扉が自動的に閉まり、鍵がかかる。
「あの…!」
夢主はとある後ろめたさに堪えきれず切り出した。立ち止まった男性達は軽く振り返る。
「すみませんでした。あと、ありがとうございました。私、何も出来ていないのに…」
「貴様に借りを作りたくなかった。それだけのことだ」
ジュウベエの返し方は、余計なことを考えるなと突き放したようにも、これ以上気にするなとフォローしたようにも聞こえる。
「ともあれ、ここを出たならば我々は敵同士だ。マニーノ、ジョエル。先に行かせてやれ」
2人はティムの命令に少しだけ思案した後、夢主を通すため道をすんなり開ける。譲られてばかりの少女は不思議そうに大人達を見上げた。
「良いんですか…?」
「チッ、もたもたするな」
「我々に待ち伏せしていてほいしのか?実験体第一号」
彼等との関係性を思い出し、夢主は慌てて首を横に振った。前を歩いていた悪党達の横も足早にすり抜けていく。
最後に振り返り改めてお辞儀をしてから、制服のスカート裾も曲がり角の先へ消えていった。
「ロールシャッハが居なければ、ただの子供だな」
ティムの呟きに微笑むでも賛同するでもなく、ロキの手下達は必要以上にのんびり歩き始めた。これまで通りの、ヒーローや世間と対立する日常に戻るまであと少し。
しかし、セレブリティ5男性陣の足は廊下の曲がり角に差し掛かったところで止まることになる。
「何をしている、我々に捕まりたくなければ…」
かつて彼等に誘拐された女の子は、助けを求めるような目で恐る恐る振り向いた。
彼女の背後には、先程と全く同じ内装の一部屋が広がっている。
「はぁ、どうして私がこのような…」
「お疲れ様です…」
他人事ながら夢主は自分の代わりに疲弊してくれた者へ同情の言葉を送る。
「4人の男性にキス……ということは、最後に私自身が口づけを受ければ良いのですね。では」
彼は懲りずにまた異性の手を取る。
「自分で自分に…は出来ませんから、ここは是非貴女にお願いしたい」
今度こそ邪魔は入らない筈。ましてや拒否もされないだろう、むしろ許さない。
「頑張った私にご褒美、頂けませんか?」
「ごっ!?そんな…!」
「私の顔が嫌でしたら手の甲でも構いませんよ?」
するかしないかではなく、顔と手の甲どちらかへのキスに選択肢を狭める。
「い、嫌だなんて、そんなっ、滅相もない…!」
マニーノは心の中で勝ち誇った。
だが実際にはジュウベエが彼の手を掴み上げ、ティムはよこしまな提案を当然の如く退ける。
「はい?」
「自分で自分にキスは不可能?試さない手は無いだろう」
マニーノの手の甲が彼自身の口元にそこそこの勢いでぶつけさせられると、出口の方から鍵の開く音が短く鳴った。ジョエルが我先へとドアノブを回し、外開きの扉を解放する。
「よっしゃー!出られるぜ!」
「まったく、酷い目に遭いましたよ!」
別々の感情を露にしながらジョエルとマニーノは扉の先に続いている廊下を突き進む。
後の3人も彼等に続き、色々な謎の残る部屋を後にした。最後に脱出した少女の背後で扉が自動的に閉まり、鍵がかかる。
「あの…!」
夢主はとある後ろめたさに堪えきれず切り出した。立ち止まった男性達は軽く振り返る。
「すみませんでした。あと、ありがとうございました。私、何も出来ていないのに…」
「貴様に借りを作りたくなかった。それだけのことだ」
ジュウベエの返し方は、余計なことを考えるなと突き放したようにも、これ以上気にするなとフォローしたようにも聞こえる。
「ともあれ、ここを出たならば我々は敵同士だ。マニーノ、ジョエル。先に行かせてやれ」
2人はティムの命令に少しだけ思案した後、夢主を通すため道をすんなり開ける。譲られてばかりの少女は不思議そうに大人達を見上げた。
「良いんですか…?」
「チッ、もたもたするな」
「我々に待ち伏せしていてほいしのか?実験体第一号」
彼等との関係性を思い出し、夢主は慌てて首を横に振った。前を歩いていた悪党達の横も足早にすり抜けていく。
最後に振り返り改めてお辞儀をしてから、制服のスカート裾も曲がり角の先へ消えていった。
「ロールシャッハが居なければ、ただの子供だな」
ティムの呟きに微笑むでも賛同するでもなく、ロキの手下達は必要以上にのんびり歩き始めた。これまで通りの、ヒーローや世間と対立する日常に戻るまであと少し。
しかし、セレブリティ5男性陣の足は廊下の曲がり角に差し掛かったところで止まることになる。
「何をしている、我々に捕まりたくなければ…」
かつて彼等に誘拐された女の子は、助けを求めるような目で恐る恐る振り向いた。
彼女の背後には、先程と全く同じ内装の一部屋が広がっている。