番外編39:都合の良い納涼
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夢主とアキラが身支度を済ませ、ようやく全員が集まった。暑苦しいリビングルームに。
「トニー、今来たところ悪いけれどエアコンが壊れているの。付き合ってちょうだい」
「やれやれ、朝っぱらからメンテナンスの時間か。なぁに、すぐ終わらせるさ」
「実際直すのは私とアキラくんよ」
すっかりアイアンマンの手足になっているペッパーとアキラは早々に地下施設へ向かう。
「手伝いますよ」
「今のお前は客人だ、ピーター。バイト代を出すつもりもないし、そこでくつろいでいてくれ」
「それじゃあ、お言葉に甘えて」
内心、どうしてこんな時に限って気を遣ってくれるのだ彼は、と悔やんだ。斜め向かいに座るロールシャッハの体臭を避けたくて名乗り出ていたがピーター・パーカーの目論見は失敗した。
「大丈夫か?」
クリスは爽やかな笑顔の貼り付いたピーターではなく、向かいの全面マスク男の荒い息遣いを気にかけている。
「暑そうだな。特にマスク」
「そうそう、僕もちょ~ど思ってたところ!下半分だけでも脱いじゃうのはどうです?事故でお顔が見えちゃったとしても、モデルに描かれたコミックみたいに無理矢理取り押さえるなんてこと絶対しないですから」
「フン…この程度…どうということはない…」
クリスはトレードマークの黒い帽子を脱いでしまっている。他の子供達も上着を脱いだり襟元をパタパタと動かしたりして空調の復活を待つ。
対して、ロールシャッハは帽子もマスクも着用したまま。せめてコートとジャケットを部屋に置いてくるという選択肢は無かったのだろうか。
「ほーんと、日本の夏あっつ~」
「フン」
「相変わらずつれないですね~。その冷たさを有効活用できれば文句無しのナイスガイなんだけど」
「……出掛けてくる」
お喋り人間の相手をするのはどうも苦手なロールシャッハ。ここで待っていれば直に涼しくなれるが、それでもこの場を離れたかった。
「おおっ、行ってらっしゃ~い。熱中症にはお気を付けて。お土産はかき氷で良いですよ!」
ロールシャッハは一旦振り向いたが、やはり冗談に付き合いきれず無言でドアの前に立つ。
「あの、待ってください!」
夢主はこの気温と湿度に苦しんでいる彼のため、そして無自覚だが、自分がそうしたいという願望からつい口走る。
「ロールシャッハさん!!涼しくなりたいですか!?」
「ム?」
振り向く速さが断然違う。左右対称模様の蠢き方も機敏だ。やはり彼は納涼を求めている。
「良い方法を見つけたんです!アキラくん直伝の…」
「ちょっと夢主!?暑さで頭やられてんじゃないの?絶対怒られるわよ!」
「この俺に怒られるような提案なのか」
「……はっ!」
夢主は背筋の凍える思いをした。背筋を伝う汗が異様に冷たい。
「何何ー?ロールシャッハがするのマズイなら僕が是非試したいんだけど。お客さんもてなしてよー」
「それはもっとマズイと思う…」
エドの控え目な抑止の甲斐あり、今回のピーターはお叱りもお仕置きも受けずに済んだ。
「トニー、今来たところ悪いけれどエアコンが壊れているの。付き合ってちょうだい」
「やれやれ、朝っぱらからメンテナンスの時間か。なぁに、すぐ終わらせるさ」
「実際直すのは私とアキラくんよ」
すっかりアイアンマンの手足になっているペッパーとアキラは早々に地下施設へ向かう。
「手伝いますよ」
「今のお前は客人だ、ピーター。バイト代を出すつもりもないし、そこでくつろいでいてくれ」
「それじゃあ、お言葉に甘えて」
内心、どうしてこんな時に限って気を遣ってくれるのだ彼は、と悔やんだ。斜め向かいに座るロールシャッハの体臭を避けたくて名乗り出ていたがピーター・パーカーの目論見は失敗した。
「大丈夫か?」
クリスは爽やかな笑顔の貼り付いたピーターではなく、向かいの全面マスク男の荒い息遣いを気にかけている。
「暑そうだな。特にマスク」
「そうそう、僕もちょ~ど思ってたところ!下半分だけでも脱いじゃうのはどうです?事故でお顔が見えちゃったとしても、モデルに描かれたコミックみたいに無理矢理取り押さえるなんてこと絶対しないですから」
「フン…この程度…どうということはない…」
クリスはトレードマークの黒い帽子を脱いでしまっている。他の子供達も上着を脱いだり襟元をパタパタと動かしたりして空調の復活を待つ。
対して、ロールシャッハは帽子もマスクも着用したまま。せめてコートとジャケットを部屋に置いてくるという選択肢は無かったのだろうか。
「ほーんと、日本の夏あっつ~」
「フン」
「相変わらずつれないですね~。その冷たさを有効活用できれば文句無しのナイスガイなんだけど」
「……出掛けてくる」
お喋り人間の相手をするのはどうも苦手なロールシャッハ。ここで待っていれば直に涼しくなれるが、それでもこの場を離れたかった。
「おおっ、行ってらっしゃ~い。熱中症にはお気を付けて。お土産はかき氷で良いですよ!」
ロールシャッハは一旦振り向いたが、やはり冗談に付き合いきれず無言でドアの前に立つ。
「あの、待ってください!」
夢主はこの気温と湿度に苦しんでいる彼のため、そして無自覚だが、自分がそうしたいという願望からつい口走る。
「ロールシャッハさん!!涼しくなりたいですか!?」
「ム?」
振り向く速さが断然違う。左右対称模様の蠢き方も機敏だ。やはり彼は納涼を求めている。
「良い方法を見つけたんです!アキラくん直伝の…」
「ちょっと夢主!?暑さで頭やられてんじゃないの?絶対怒られるわよ!」
「この俺に怒られるような提案なのか」
「……はっ!」
夢主は背筋の凍える思いをした。背筋を伝う汗が異様に冷たい。
「何何ー?ロールシャッハがするのマズイなら僕が是非試したいんだけど。お客さんもてなしてよー」
「それはもっとマズイと思う…」
エドの控え目な抑止の甲斐あり、今回のピーターはお叱りもお仕置きも受けずに済んだ。